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ドイツ東部、多彩な文化が息づくザクセン州で訪れたいスポット4選

GOTRIP! / 2019年6月5日 6時30分

ドイツ東部に位置し、ポーランドおよびチェコと国境を接するザクセン州。州の南東から北西にかけて流れるエルベ川周辺には美しい町が点在し、絵画のような風景は訪れる者の心をつかんで離しません。またバッハをはじめとする音楽家、芸術家とのゆかりの地が多いこの地域では、文化活動も盛ん。世界レベルの音楽祭や数々の美術館、教会で開催されるコンサートなどを通じて、多彩な芸術や文化に触れることができるでしょう。

今回は、そんなザクセン州の魅力をたっぷり感じることのできるスポットのなかから、筆者が特におすすめしたい場所を4つ紹介します。

エルベ川沿いにたたずむ古都ドレスデン

ザクセン州の観光で外せないのが、「エルベ川のフィレンツェ」との異名をもつ古都ドレスデン。ザクセン王国の都として栄華を誇った町には重厚なバロック建築がならび、かつての面影を色濃く残しています。

第二次大戦中の空襲で灰と化したあとに、不死鳥のごとく甦ったドレスデン。町の復活を最も象徴しているのは、旧市街の中心に立つ聖母教会でしょう。大戦で崩壊後は、その悲惨さを伝えるべく瓦礫が放置されていた聖母教会。再建が始まったのは、戦後から50年が経過した1994年。崩れた素材ひとつひとつを元あった場所へ埋め込むという終わりの見えない作業を経て、2005年に完成したのでした。教会の上には、イギリスから和解の印として贈られた十字架が輝いています。

旧市街にはこの聖母教会を中心に、世界三大オペラに数えられるゼンパーオペラ、ザクセン王国時代の栄華を象徴するツヴィンガー宮殿、約2万5000枚ものマイセン製タイルを使用して「君主の行列」が描かれた城壁などが集まります。また「ノイシュタット」エリアは「世界一美しい牛乳屋」としてギネス認定されている「ドレスナー・モルケライ・ゲブリューダー・プフント」ほか、個性的なギャラリーやカフェが点在する刺激的な場所。旧市街とはひと味違う、ドレスデンの姿を垣間見ることができます。

高級磁器のふるさと「マイセン」

ドレスデンから電車で30分ほどの場所にあるマイセンは、高級磁器ブランド「マイセン」のふるさと。大戦で壊滅的な被害を受けたドレスデンとは対照的に、戦禍を逃れた古い木組みの町並みが残されています。

町を見下ろすようにそびえ立つのは、かつて王立磁器工場が置かれていたアルブレヒト城。磁器開発の製法が他に知られるのを恐れたアウグスト強王は、この城の中に磁器工場を設立し、さらに開発を続けたのでした。ここには、マイセン磁器の開発を成功へと導いた錬金術師ベトガーが軟禁されていたという悲しい過去もあります。

マイセン磁器の歴史や製法について学べるのが、町のややはずれにあるマイセン博物館。実際の製造過程を見ることができる見学用工房では、熟練された職人技に感嘆するばかりです。マイセンの食器で食事が楽しめるカフェ・レストランのほか、ショップやアウトレットも併設されており、ファンにはたまりません。

壮大な絶景が広がるザクセンスイス国立公園

チェコとの国境周辺に広がるザクセンスイス国立公園は、自然の手によって作り出された絶景が楽しめる場所。長年の浸食作用によって形を変えてきた100mもの断崖絶壁が乱立し、この世の物とは思えない奇妙な光景が広がります。

麓のエルベ川からハイキングコースを上っていくと、やがて見えてくるのはハイライトの「バスタイ橋」。かつては木製の橋がこの場所に架かっていましたが、観光客の増加により1851年には屈強な石橋が造られました。

垂直にそそりたつ幾つもの岩々は、まるで自然がつくり出した壮大な芸術作品。ロッククライミングの場所としても人気で、タイミングが合えば岩の頂上によじ登っているクライマーの姿を見ることができるでしょう。岩の足元に広がる森の中では、ワシミミズクをはじめとする希少な動物、植物も観察できます。

文化と音楽の都ライプチヒ

バッハやメンデルスゾーンをはじめとする、世界的音楽家ゆかりの地であるライプチヒ。世界屈指の規模を誇る書籍見本市や音楽祭、世界最大のゴシック祭典である「ウェイブ・ゴシック祭」など、多種多様なカルチャーが楽しめるドイツ屈指の文化都市です。またライプチヒは、東西ドイツ統一のきっかけとなった市民デモが始まった場所としても知られます。この町で始まったデモから反体制運動は東ドイツ全土に拡大、ついには東西に分断されていたドイツの統一が成し遂げられたのです。

町の中心に立っているのは、バッハが1750年に亡くなるまで27年ものあいだ合唱団指揮者兼オルガニストとして務めていたトーマス教会。彼が指揮を執ったトーマス少年合唱団の伝統は、町の貴重な文化として現在まで受け継がれています。教会内にはバッハが眠るお墓があるほか、外には彼の像も。

美しいルネッサンス建築の建物は、旧市庁舎。内部は町の歴史を紹介する歴史博物館になっています。市庁舎の南にのびる「メドラー・パサージュ」には、ゲーテ作「ファウスト」に登場するファウスト博士とメフィストフェレスの像が。地下には若きゲーテも通ったと言われる老舗レストラン「アウアーバッハス・ケラー」もあり、ゲーテファンなら1度は訪れたい場所です。

今回紹介した4つのスポットのほかにも、エルツ山地の小さな町や各地に点在する古城など、ザクセン州には様々な魅力にあふれています。また冬に開催されるクリスマスマーケットを巡るのも良いでしょう。華やかなドレスデンのマーケットとは一転、小さな町では素朴で温もりの感じられるクリスマスマーケットが楽しめます。

様々な文化、芸術が息づくザクセン州で、みなさんもお気に入りの町やスポットを探してみてはいかがでしょうか?

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

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