ニューヨークタイムズが紹介するヨーロッパにある10のタカラモノ
GOTRIP! / 2014年11月4日 3時8分
世界最高水準のファッションやエンターテインメントが溢れるニューヨーク市に本社を置く全米第3位の日刊新聞紙といえば、ニューヨークタイムズ。
そのニューヨークタイムズで「ヨーロッパにある12のタカラモノ」と題して、ヨーロッパ各地の素晴らしいモノが紹介されていました。ヨーロッパのそれぞれの都市で育まれ、磨き上げられてきた文化や伝統、それらをタカラモノとして紹介するニューヨークタイムズのセンスに脱帽です。
今回は紹介されている12個の中から、歴史と伝統によって磨き上げられた10個のタカラモノをご紹介します。
1. ベルリンのストリートアート
かつての冷戦の象徴となったベルリンの壁で有名なベルリン。その悲しい歴史やイメージを打ち破る力がベルリンでは芸術に向けられているのかもしれません。
ヨーロッパで最大級の規模を誇るドイツ国立の芸術総合大学ベルリン芸術大学に象徴されるように、ベルリンは今ものすごい勢いでヨーロッパの創造文化の発信地として変化を遂げています。
建物や町全体がキャンバスかのような自由を爆発させたベルリンのスケールの大きなストリートアートに触れてみてはいかがでしょうか。
2. ブリュッセルのチョコレート
ベルギーといえば、ビール、ワッフル、そしてチョコレートが有名です。その中でもニューヨークタイムズが取り上げたのはチョコレート。
実はかつてベルギーはカカオの原産国の1つであったコンゴを植民地支配していました。そのためチョコレートの品質基準が世界一厳密な国となっています。
ベルギーでは、他のヨーロッパの国々とは違い、最高級のカカオ豆を使ってチョコレートを作るだけでなく、油脂分もカカオ豆から採れる100%カカオバターを使用しないものはチョコレートとして認められていません。
そんな植民地支配の歴史からはじまったチョコレート。今ではチョコレートはベルギーのショコラティエによって芸術の域にまで高められ、世界中のスイーツファンを魅了しています。
3. ブタペストのパプリカ
ハンガリーのブタペストという街は日本人にあまり馴染みがないかもしれません。しかしながら、ブダペストは美しい世界遺産や荘厳な国会議事堂、そしてブダ城からの非常に美しい夜景などで、ヨーロッパでも有名な観光地です。
そのハンガリーの国民食といえば、グヤーシュ。コロンブスによってヨーロッパへともたらされたパプリカを、様々な品種をつくり育てたあげた国、それがハンガリーでした。
ブタペストの中央市場には、ハンガリー国内からは良質なフォアグラやパプリカなどのハンガリー食材が集積され、ハンガリー国外からは北はロシア方面から、東はルーマニアやセルビア方面から魚や肉が運ばれてきます。
その新鮮で良質な食材は、ブダペストの料理人たちを叱咤し、ハンガリー料理そのものの質の向上につながっていきました。次第にその噂は広まり、ハンガリー産の良質なフォアグラやパプリカなどはブタペストの中央卸売市場からウィーンやミュンヘン、パリなどに出荷され、西ヨーロッパ各地へハンガリーの食材を広めていく事になりました。
そんなハンガリー食材の質の向上にも一役買ったブタペストのパプリカ。ぜひ本場の味をお楽しみください。
4. コペンハーゲンのデザイン
デンマークのコペンハーゲンは、王室御用達の陶磁器「ロイヤル・コペンハーゲン」や世界的に有名なデザイナー「アルネ・ヤコブセン」などで有名であり、伝統とモダンを調和し洗練されたデザインを今でも産み出している事から「デザインの聖地」と言われています。
北欧にはコペンハーゲン以外にも有名なスウェーデンやフィンランド等がありますが、北欧全体が非常にデザイン性が高く、機能的な製品を世に産み出しているのは、これらの北欧参加国で切磋琢磨してきているからということも理由の1つではないでしょうか。
伝統とモダンを調和し、時代に負けない洗練されたデザインを産み出す街、デンマークのコペンハーゲン。ぜひ本場でそのデザインを体験してみてはいかがでしょうか。
5. フィレンツェのシルク
フィレンツェという名前を聞いて想像するものは、有名なドゥオモ、ベッキオ橋やTボーンステーキさらには革製品等が有名です。しかしニューヨークタイムズが紹介しているのは、ルネサンスから伝わる美しい様々なデザインの手織りの絹織物。
実はフィレンツェはかつて毛織物業と金融業で栄え、フィレンツェ共和国としてトスカーナの大部分を支配していました。そしてルネサンスの文化的な中心地となっていたフィレンツェは栄華を極め、世界最高峰の毛織物業の技術が現代にも伝えられています。
現在世界に存在している高級な絹織物は、いまでも1700年代や1800年代の織り機をつかって、1つ1つ職人の手によって、大切に作られているそうです。ルネサンスからの系譜を受け継ぐ絹織物の美しさに魅了されてみてはいかがでしょうか。
6. リスボンのタイル
ポルトガルではタイルのことをアズレージョと呼びます。このアズレージョ、じつは15世紀にベルベル人がもたらした工芸品でした。イスラム文化の影響を受けたタイルは非常に繊細で、上品な柔らかい色合い。当時の人々も魅了されたに違いありません。
長い時間をかけて育まれ、磨き上げられてきたポルトガルのアズレージョは、今も私たちの目を楽しませてくれる、いわばポルトガル文化の中心要素の1つと言えます。様々な時代の様々なアズレージョを楽しんでみてください。きっとそこにはポルトガルの大航海時代からの歴史が刻まれている事でしょう。
7. ロンドンの帽子
大航海時代によってイギリスは広大な植民地を手に入れ、それらを拠点として結ぶ三角貿易は、イギリスに巨大な富をもたらしました。その結果、イギリスでは世界に先駆けて産業革命がはじまります。
産業革命によって、様々な技術がイギリス全体の技術力を高め、さらに選りすぐりの技術はイギリスの中心地、ロンドンへと集まっていきます。その選りすぐりの技術の1つが帽子の製造技術でした。
いまでもロンドンには300年以上続く英国王室御用達の帽子屋さんが存在しており、一生つきあっていける最高の帽子を見つける事ができます。そんな人生をともに出来る最高の帽子に出会う旅に出かけてみてはいかがでしょうか?
8. マドリッドのギター
ギターの歴史はベルベル人がイベリア半島を占領したことからスタートします。もたらされたリュートという楽器は、スペインを経て様々な国へと広がっていきます。あの地動説で有名なガリレオ=ガリレイもリュートの音色に心癒やされたと聞きます。
そこからスペインにおけるギターは栄枯盛衰を繰り返していきますが、伝統的な技術はスペインの中心都市マドリッドに今も残っています。
材料の保管はもちろんのこと、1つ1つ丁寧にじっくりと時間をかけて制作されるマドリッドのギターは、世界中でファンを魅了しています。ギター好きにはたまらない場所、マドリッド。情熱の国で自分だけのギターを見つけてみませんか?
9. プラハのおもちゃ
チェコのプラハでおもちゃが有名となっている理由は、チェコの歴史と深く関係があります。ご存知のようにチェコは近代史においてそのほとんどを他国に占領・支配されていました。
その支配された中で、チェコ人はチェコ語の使用を禁止され、日常から徐々にチェコの文化やアイデンティティが失われてしまう可能性すらありました。しかし、当時チェコ語の使用が許されたものがありました。それは人形劇。
そのため、チェコの各地で人形劇が盛んに行われ、人形を作る技術が研ぎすまされていきます。現在までチェコのアイデンティティを守り、チェコの文化を紡いできたものが人形劇であり、その操り人形に代表されるのがチェコのおもちゃとなっています。
プラハでおもちゃを見つけたら、チェコの歴史にも目を向けてみてください。店先でにこやかに笑うマリオネットには、たくさんのチェコ人の想いが詰まっているのかもしれません。
10. サラエボのコーヒーセット
東西文化の十字路ボスニア・ヘルツェゴビナ。首都のサラエボと聞くと歴史的にあまりいいイメージを持てないかもしれません。
実はこの地は、カトリック教会と正教会の境目の地帯であり、さらにはオスマン帝国の支配からイスラム教を信じる人達も暮らしている場所で、紛争が起きる前は3つの宗教を信じる人々が仲良く暮らしていた場所でした。
ただいくら紛争があったとしても、人々が積み上げてきた歴史は変わらない、ということをサラエボのコーヒーは教えてくれます。なぜならサラエボのコーヒーはトルコのコーヒーと非常によく似ているからです。
文化の交差点だからこそ、さらに洗練された味わい深いものが残っていく。人々の積み上げてきた歴史を感じながら、サラエボのコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか?きっといつもとは違うコーヒーの味わいを感じる事が出来るかもしれません。
いかがでしたか?あなたにとってのヨーロッパのタカラモノ、見つかりましたか?
今年の年末年始は12月27日が土曜日なので、カレンダーどおりのお休みが取れる方は、12月27日(土)から1月4日(日)まで最大9日間のお休みをとる事が出来ます。
長い休暇を利用して、ヨーロッパにとっておきのタカラモノを見つける旅に出てみてはいかがでしょうか?
Post: GoTrip! 旅に行きたくなるメディア
Via: http://www.nytimes.com/2014/10/19/travel/12-treasures-of-europe.html
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