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【日本麦酒紀行】ニューヨークで愛されている日本の地ビール「常陸野ネストビール」をつくっている木内酒造でオリジナルビールを造ってみた。

GOTRIP! / 2015年1月9日 6時53分

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ニューヨークの三ツ星フレンチにも置かれている「常陸野ネスト」という日本の地ビールをご存知でしょうか?実はこちらのビール、茨城県那珂市の蔵元「木内酒造」が製造しているクラフトビールです。

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、現地ニューヨーク、または全米のビールファンなら、知らない人は絶対にいない、とまでいわれるビール、それが「常陸野ネスト」です。

実際にニューヨークのちょっとおしゃれなカフェ、レストランには必ず置いてあるビールで、ニューヨークの三ツ星フレンチレストラン「ダニエル」のオーナー、ダニエル・ブリュー氏も常陸野ネストを絶賛しています。

その世界的には有名ではあるけれども、日本人には少し馴染みがないかもしれない「常陸野ネスト」を製造している「木内酒造」で、オリジナルビールを造ることができる「手造りビール工房」を体験してきました。

今回はそのオリジナルビールを造る工程のうち、ビール酵母を加える前まで工程(体験できる工程)を12の段階に分けてご紹介します。

1. テイスティング
オリジナルビールを造るためにはまずどんなビール造るか?という方針を決める必要があります。常陸野ネストビールを試飲しながら、木内酒造のスタッフの方と相談しつつ、ベースとなるビアスタイルやアルコール度数、苦味を決めていきます。
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2. 麦芽の計量
ベースとなるビアスタイルやアルコール度数、苦味が決まったら、木内酒造の方が秘密の配合レシピをそれぞれの数値を元にはじき出してくれます。その配合レシピを元に素材の1つである麦芽を計量していきます。
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3. 麦芽の粉砕
麦芽の計量が終わったら粉砕機にいれて、麦芽を粉末状に粉砕していきます。粉砕すると独特のモルトの香ばしい香りが漂ってきます。
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4. 麦芽を釜に投入
計量して粉砕された麦芽をお湯の入っている釜の中に入れていきます。袋が少し重いので気をつけて入れていきます。
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5. 温度を65度くらいまで上げて循環させる
麦芽を釜に投入したら、大きなしゃもじでゆっくりとかき回していきます。特に釜の壁面部分が温度が上がりやすいので、壁面部分を中心に温度にムラができないようにしっかりとかき混ぜながら、撹拌(かくはん)します。
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実は釜の中には金属製のストレーナーが入っており、その上に粉砕された麦芽が層のように積み重なる事で、濾過器の役割を果たしてくれるのですが、そのストレーナーの下の部分は混ざりにくいので、麦汁を取り出してまた元に戻すという循環作業を行います。
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6. 糖化させるため40分間やすませる
麦汁の温度が65度になったら保温のため釜の蓋を閉めて40分間まちます。酵素のはたらきによって麦芽のでんぷんが糖(麦芽糖)に変わっていきます。じつはこの麦芽糖がビール酵母のエサとなるため、この糖化という工程はいわばビール造りを成功させるための鍵の1つと言えます。また40分間の間に、最後に麦汁に加えるホップの計量も行います。
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7. ヨウ素テストの実施
40分の糖化時間を経て、実際に麦汁が適切に糖化できているかどうかを、ヨウ素テストによってチェックします。理科の授業でジャガイモのでんぷんにヨウ素を垂らすと青紫色に変色するという実験を行った事があるとおもいますが、その要領と同じです。適切に糖化できていれば、無色のままとなり糖化が完了していることを確認できます。
この時チェックする麦汁を飲んでみると分かりますが非常に甘くて香ばしいなんともいえないジュースになっている事が分かります。
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8. マッシュアウトと濾過
ヨウ素テストが完了したら温度を76度以上に加熱し、酵素の動きを止めます。このことをマッシュアウトと言うそうです。その後、静かに麦汁を循環させ、麦芽の層を作っていきます。おおよそ10分程度循環させると麦汁がクリアになります。この作業は出来上がりに影響するため、この工程もビール造りを成功させるための鍵の1つと言えます。
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9. 移動とスパージ
ビール体験の中で一番大変なのがこの作業です。麦汁を次の工程で煮沸するため、濾過した麦汁をとなりの別の釜に移すのですが、麦殻層に残っているエキスを抽出するために麦芽にお湯のシャワーをかけて糖分の抽出を行います。この作業をスパージと言うそうです。1人でビールを造る場合は、麦汁を釜の蛇口から出してとなりの別の釜に移しながら、麦汁を抽出している釜に上からお湯をジョウロでかけるという作業を同時にこなさないといけないため、かなり大変です。
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10. 煮沸とホップの添加
麦汁の移動が完了したら、煮沸を行います。ホップは3段階に分けて添加しますが、このホップの添加の順番によって味が変わってしまうので、順番には十分注意して作業する事が重要です。まず沸騰を確認したら1番目のホップを添加し10分間煮沸します。その後2番目、3番目とホップを加えていきます。この辺りはビールによってもホップの添加回数が変わるので実際に現場でしっかりと確認してみてください。
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11. 麦汁の冷却
ホップを添加して煮沸を行った麦汁は、一定方向にかき混ぜて釜の中に麦汁の渦をつくって、15分間放置します。この作業をワールプールレストと言うそうです。
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ワールプールレストを行った麦汁は冷却装置を使って冷やして殺菌したバケツの中に入れていきます。
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全部麦汁を冷却してバケツに移すと、釜の中は空っぽになります。
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12. 麦汁の完成
バケツのふたを閉めて完成。実際に麦汁を飲んでみるとホップの鮮烈な苦味を感じつつも、その向こう側から麦汁の甘みを感じる事ができます。この甘みが今後酵母の働きによってアルコールに変化する、とのこと。3週間後に自分だけのオリジナルビールが自宅に届くという事になります。
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いかがでしたか?世界的に有名な地ビールを製造している「木内酒造」さんで、ビールの工程をしっかりと体験しながらも、自分だけのオリジナルビールを造る。

もちろんこれは日本でしか経験できない体験のため、今回参加すると世界各国から参加されている方もいらっしゃいました。

実は今月の1月27日には『常陸野ブルーイング・ラボ』という常陸野ネストビールの新しい醸造所が、旧万世橋駅「マーチエキュート神田・万世橋」に誕生するそうです。

店舗では事前予約でビールの醸造体験ができ、甘みや苦み、香りの強さなどを調整して世界に一つのオリジナルビールを醸造できるとのこと。

木内酒造の本店でも、新しくできる神田でも楽しめるオリジナルビール造り。是非この冬、自分だけのオリジナルビールを造って、友達と素晴らしい週末の宴を楽しんでみてはいかがでしょうか?

次回のレポートでは、オリジナルビールを造る時に気をつけた方がいいポイントを報告しますので、そちらもお見逃しなく!

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

Via:
木内酒造のホームページ
木内酒造のfacebookページ

・申し込み方法
オリジナルビールを造る体験「手造りビール工房」はこちらから申し込み可能です。おおよそ2時間程度の作業が行われるということと、美味しい蕎麦のランチも食べられる、ということから10時もしくは11時スタートの体験をオススメします。
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・アクセス
都内からですと、上野からスーパーひたちに乗って、水戸を経由して常陸鴻巣駅までおおよそ2時間。木内酒造さんでは公共交通機関できたお客様に水戸駅にあるお店でビール1杯無料となるチケットを貰うことができるので、ビールを造った後は水戸で一杯飲んで帰るのもいいかもしれません。
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