全国唯一の「唐造り」の名城!九州の玄関口、小倉城を満喫するために知っておきたい3つのこと
GOTRIP! / 2016年6月30日 2時0分
福岡県北部、北九州市の中心部に位置する「小倉城」。
古くからアジア諸国との交易で栄え、発展した国際貿易拠点だった小倉は重要な拠点として認識されていたため、戦国時代には何度も戦いの主戦場となり戦火に巻き込まれてきました。
そんな戦火によって作られた「新」の部分と戦火によって残った「旧」の部分とが混在する小倉の町と同様に、「小倉城」にも「新」と「旧」とが混在しています。
今回はそんな新と旧とが混在する、まるで歴史のテーマパークのようなお城、知られざる「小倉城」の魅力を3つご紹介します。
1. 全国唯一の「唐造り(からづくり)」 と「野面積み(のづらづみ)」の美しさは要注目
関ヶ原合戦の功労で小倉に入国した小倉藩主・細川忠興(ほそかわただおき)が、慶長7年(1602)に築城した「小倉城」。
約7年の歳月を経て築上した、まさに小倉のシンボル的な存在のお城です。
その藩主の細川忠興は「利休七哲」の一人、つまり茶人・千利休の弟子のひとりとして、能や茶道にも精通した文化人でした。
そんな文化人細川忠興が作った城の特徴の1つは、全国でも珍しい「唐造り(からづくり)」と呼ばれる建築様式が用いられた独特の天守閣。
4階と5階の間に屋根のひさしがなく、5階が4階よりも大きく膨らんでいます。
実は、小倉城の本丸は、天保8年(1837)に城内から発生した火災で全焼しています。
2年後に再建されましたが、幕末期の慶応2年(1866)には第二次長州征討の前線基地となり、戦線後退の折に小倉藩が自ら火を放ち城は再び焼失しました。
現在の小倉城は、昭和34年(1959)に再建され、在りし日の姿を蘇らせたものとなっています。
2度の戦火に巻き込まれ建物は焼失したものの、城の石垣は、現在も築城当時の姿そのままを保っています。
石垣は、切石(正方形や長方形に切り出した石)を使わずに自然の石を積み上げる「野面積み(のづらづみ)」という技法によるもの。
使われている石のほとんどは、城から東5キロメートルに位置する足立山から運んできたものだそうですが、切石をせずに自然の形のままの石をくみ上げた石垣は、当時の技術力の高さを現代にまで伝えています。
・2. 日本最大級の「迎え虎」と「送り虎」
小倉城内部で最初に驚かされるのが、日本最大級といわれる2つの虎の絵。
雄の「迎え虎」と雌の「送り虎」からなる雌雄一対の虎の絵は、それぞれ高さ4.7メートル・幅2.5メートルの大スケールです。
漆黒の背景に堂々と描かれた虎たちの大きさ、射抜くような眼力の迫力は、来城者を圧倒します。
これら2つの虎の絵は、小倉城が焼失した慶応2年(1866)が寅年だったことにちなみ、城の再建時に大分県の宇佐神宮のお抱え絵師・佐藤高越が描いたものです。
幕末の戦乱で焼失した小倉城の再建にあたり、平安の世が長く続いて欲しいという願いも込められているとか。
雄の「迎え虎」は、どの位置から見ても虎が真正面に見えるという「八方睨みの虎」となっています。
絵の前に立ち、いろいろな角度から、四方八方をぎろりと睨む虎の眼差しを見れば、当時の時代が垣間見えるかもしれません。
・3. 高度な技術を駆使した展示がずらり
天守閣に入るとまず目に入るのが、小倉の城下町を和紙の人形で再現したジオラマ。
約1500体もの精巧な和紙人形で作られたジオラマでは、藩主・細川忠興統治下の小倉の街並みが、城内の武士や城下町の庶民の様子とともに生き生きと再現されています。
また、細川忠興の妻、玉(洗礼名はガラシャ)は、キリスト教の信徒としても有名です。
忠興は江戸時代初頭に小倉でキリスト教を保護したため、小倉城下には多くのキリスト教徒が生活していました。
加えて、現在は小倉祇園太鼓で有名な「祇園祭(ぎおんまつり)」は、かつては大変華やかな装飾が施された山車が引かれる祭りだったのだそう。
ジオラマをよく見ると、宣教師らしき外国人の姿や華美な山車などもあり、当時の様子が細部まで表現されていることが分かります。
大人も乗ることができる豪華な造りの大名かごは、スイッチを押すと動き出します。
まるで本当にかごで移動しているような心地で、殿様気分を味わうことができます。
他にも、当時の暮らしを再現したコーナーや、からくり人形や映像・アニメで歴史を知る視聴コーナーなど、見どころたっぷりで飽きることがありません。
城には小倉城庭園や八坂神社など緑に溢れたパワースポットや、松本清張記念館といった文化施設も隣接しています。
戦国時代には「アジアの窓口」とも呼ばれていた小倉の歴史に思いを馳せ、ほっと一息リラックスしたひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
住所
〒803-0813 福岡県北九州市小倉北区城内2-1
JR小倉駅より徒歩約20分
JR西小倉駅より徒歩約10分
北九州都市高速・大手町ランプより車で約5分
開館時間
4月~10月 9:00~18:00
11月~3月 9:00~17:00
(入館は30分前まで)
休業日:年中無休
TEL:093-561-1210
FAX :093-561-5246
駐車場(勝山公園有料駐車場)
料金
普通車:最初の1時間200円、以後30分毎に150円
大型バス:最初の1時間500円、以後30分毎に250円 (大型バス駐車は要予約)
おすすめは、小倉城・小倉城庭園・松本清張記念館の3施設に入場できるチケットです。断然お得!
料金 一般 700円
中学生・高校生 400円
小学生 250円
※団体割引はありません。
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