ドイツの世界遺産第一号!「皇帝の大聖堂」、アーヘン大聖堂が美しすぎる
GOTRIP! / 2016年11月26日 10時0分
「ドイツにある世界遺産の大聖堂」といえば、何を思い浮かべますか?やはりその大きさで知られるケルン大聖堂でしょうか。
ドイツの世界遺産を語るうえで欠かすことのできない存在が他にもあります。それがアーヘン大聖堂。アーヘン大聖堂は、ドイツで最も西に位置する街、アーヘンの代名詞的存在で、ドイツの世界遺産第一号でもあります。
790年ごろから800年ごろにかけて、アーヘンを愛したカール大帝によって建設されたアーヘン大聖堂は、北部ヨーロッパ最古の聖堂。もともとは小さな礼拝堂として建てられ、のちの増築により現在の姿となりました。
特筆すべきは、936年から1531年までのおよそ600年の長きにわたって、30人以上の神聖ローマ帝国皇帝がここで戴冠式を執り行ったこと。さらには、カール大帝の墓所も設けられたことから、アーヘンの大聖堂は「皇帝の大聖堂」とも呼ばれ、大切にされてきました。
アーヘン大聖堂は、ドイツの歴史、いえ、ヨーロッパの歴史において、非常に価値の高い特別な聖堂なのです。
こじんまりとしたアーヘンの街にそびえる大聖堂は、名実ともにアーヘンのシンボル。王国の都が置かれた当時の誇りを今に伝えています。
大聖堂内部は、古典主義やビザンティン様式、ドイツ・ロマネスク様式など、東西ローマ帝国の建築様式が融合した空間となっています。
ヨーロッパの主要な教会はゴシック様式で建てられたものが多いですが、アーヘン大聖堂の初期の部分は、ゴシック様式が確立されるよりもずいぶん前の建造物。そのため、「今までに見てきた教会とずいぶんスタイルが違うなあ」と思われることでしょう。
一般的な教会とはまったく異なる、独自の建築様式が楽しめるのがアーヘン大聖堂の魅力のひとつなのです。
大聖堂内部に足を踏み入れると、天井や壁面を覆うきらびやかなモザイク画に息を呑みます。黄金色に輝くモザイクの豪華さと細やかさに、感嘆のため息をもらさずにはいられません。
中心部に設けられた高さ32メートルの八角形のドームの眺めは圧巻。
中世のキリスト教世界では、「8」は復活を意味する象徴的な数字でした。八角形の天井には、カール大帝の権力を誇示する意味合いや、王国のさらなる繁栄への願いが込められていたのでしょう。
「皇帝の大聖堂」の名にふさわしい壮大さと風格に、ただただ圧倒されるばかりです。
その重要性から、アーヘン大聖堂には多くの巡礼者が訪れるようになり、小さな礼拝堂では手狭になったため、1355年からおよそ60年をかけて「ガラスの家」と呼ばれるゴシック様式の礼拝堂が造られました。
この礼拝堂の見どころは、高さ25メートル、総面積1000平方メートルを超える壮大なステンドグラス。ほの暗い空間のなかでまばゆく輝くステンドグラスは侵し難い神聖さをたたえています。
大きな貴石の数々で飾られた豪華な説教壇も見事。
古代後期から中世にいたるまでの聖遺物をはじめ、ヨーロッパ屈指の教会財宝が保存されている併設の宝物庫も見ごたえ十分です。宗教美術に興味のある人は、ぜひ宝物庫もあわせて訪れてみてください。
ヨーロッパでも屈指の歴史と美しさを誇るアーヘン大聖堂。その姿を目の当たりにすれば、アーヘン大聖堂が歴史的、建築的に特別な大聖堂であり続けてきたことが肌で感じられるはずです。
なお、ケルンとアーヘン間は、鉄道で35分~1時間の距離。ドイツが誇る2つの世界遺産の大聖堂をあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
アーチ型天井に船大工の技巧 教会解体で判明、移設へCF 静岡
毎日新聞 / 2024年7月26日 14時0分
-
オーストリアとハンガリーの間で結ばれた協定『アウスグライヒ』を解説【ニコニコ大百科出張所】
ニコニコニュース / 2024年7月25日 15時30分
-
静岡市清水区の地に文化施設として再建されることを夢見て。「希少な木造ゴシック様式建築を未来へ繋ぐ活動」を、クラウドファンディングで応援します。
PR TIMES / 2024年7月22日 14時15分
-
【未知なるフィリピン美食新時代①】 食材の宝庫・ネグロス島の 歴史と風土がもたらす豊かな味
CREA WEB / 2024年7月4日 11時0分
-
“近代日本の象徴”だった名作レトロ建築の世界。爆破解体された「朝鮮総督本庁舎」を写真で振り返る
日刊SPA! / 2024年6月29日 8時50分
ランキング
-
1「うちの病院、ヤバすぎる」美容クリニック従業員がSNSで暴露…なぜ「内部告発」を止めることはできなかったのか?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月27日 7時15分
-
2街にあふれる「アルファード」 なぜ「先代」も“高い”? すでに“型落ち”でも「現行型」に迫る「高リセール」維持する理由とは
くるまのニュース / 2024年7月26日 10時10分
-
3致命傷になる部位ってどこ? バイク事故で守るべきポイントとは
バイクのニュース / 2024年7月27日 10時10分
-
4日本のにんにくは中国産が9割。「国産にんにく」と「中国産にんにく」の違いとは? 3つの産地で比較
オールアバウト / 2024年7月26日 21時5分
-
5老眼も眼精疲労もこれで防衛できる…眼科医直伝どんなに忙しい人でも毎日続けられる"両目の自己回復習慣"
プレジデントオンライン / 2024年7月27日 10時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください