【世界の街角】塩で栄えたドイツ北部の町リューネブルクの美しい街並みを楽しむ旅
GOTRIP! / 2017年4月12日 5時30分
ハンブルクから電車で南へ30分ほど行ったところに、美しい町リューネブルクがあります。
第二次世界大戦の戦火を逃れて今なお残るその美しい街並みは、訪れる人々の心を惹きつけてやみません。
かつてはハンザ同盟にも加入し、数ある加入都市の中でも重要な役割を果たしていたリューネブルク。なぜこの町がそれほど力を持つことができたのか、その理由はこの町で産出された塩にあります。
町では古くから岩塩の採掘がされていましたが、「白い金」とも言われるほど塩は高価で取引されていました。ここで採掘された塩はリューベックまで運ばれ、そこからヨーロッパ各地に輸出されていたのです。
塩の取引で栄えたリューネブルクには、その面影を残す美しい街並みが楽しめます。旧市街に足を踏み入れれば、美しい装飾が施されたファサードを持つ家が次々と現れ、この地に住む人々が巨額の富を手にしていたという事がよく分かります。
そんな家々が集まる場所の1つがアム・ザンデ広場。ここにはかつてハンザ商人の館だった家々が並んでいます。
奥にある黒っぽい建物は、かつてビール醸造所として使われていました。商人たちが集まってビールを楽しむという、活気に溢れた場所だったのでしょう。
イルメナウ川沿いに並ぶ家々もまた、美しいファサードが特徴です。この一帯にはレストランやカフェが多く、暖かくなると外で食事をしている人々の姿を多く見かけます。
川沿いを散策していると現れる木造のクレーン。この一帯はかつて港だった場所で、このクレーンも塩をはじめとする荷物の積み下ろしに使われていました。現在あるクレーンは1797年に建てられたものですが、ここにはじめてクレーンが建てられたのは1332年まで遡ります。
川を離れて町の目抜き通りを歩いていくと、目の前に立派な市庁舎が現れます。塩で町が発展するごとにこの市庁舎も増改築が繰り返されました。広場に面している部分は、18世紀に建設されたバロック様式の部分です。
そして塔に取り付けられている鐘はなんとマイセン製。こういった細かい所にも、町の財力の大きさを見せつけられます。
町の外れには塩博物館もあり、この町を潤した塩の精製や塩の用途などについて学ぶことができます。美しい塩の結晶も展示してあり、見ているだけで面白いですよ。
ハンブルクやハノーファーといった近郊都市からのアクセスも良く、気軽に観光できる町リューネブルク。塩で栄え、いまなお美しく保存されている美しい街並みを楽しんでください。
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