あのイヴ・サン=ローランが愛したモロッコの幻想的なブルーの庭園「マジョレル庭園」
GOTRIP! / 2017年12月26日 6時30分
ピンク色に統一された街並みから「バラ色の街」と呼ばれる、モロッコきっての観光都市・マラケシュ。マラケシュといえば、やはり世界遺産に登録されている旧市街に注目が集まりますが、新市街にも見逃せない人気スポットがあります。
それが、「モードの帝王」と呼ばれたフランスのデザイナー、イヴ・サン=ローランが愛したマジョレル庭園。旧市街からは、タクシーまたは市内バスの1番か12番で出かけましょう。
「マジョレル・ブルー」と呼ばれる、鮮やかな青に塗られた建物が印象的な庭園で、世界各地のさまざまな植物が織り成す風景は、どこか浮世離れした幻想的な雰囲気を漂わせています。
この庭園は、もともとフランスの画家で自称「庭園家」のジャック・マジョレルによって造られました。1886年にフランスで生まれ、1919年にマラケシュに移り住んだ彼が1947年にオープンしたのが現在のマジョレル庭園の前身です。
彼の死後朽ち果てていた庭園は、1980年にイヴ・サン=ローランとそのパートナーであるピエール・ベルジュに買い取られ、改修が加えられたことで美しい姿を取り戻したのです。
庭園の奥には、イヴ・サン=ローランをしのぶ記念碑が静かにたたずんでいます。
園内に足を踏み入れると、なんと涼しげな竹がお出迎え。モロッコで竹に出会うとは思いもしませんでした。
両側に竹の木が並ぶ小径の上部だけを切り取れば、ここが京都であるといわれても信じてしまいそうなほどです。
しかし、足元には黄色やオレンジ、ブルーといった色鮮やかな壺やベンチが置かれていたり、さらに瓦屋根のカラフルなお堂のような建物には、イスラム美術の影響を受けた精緻な彫刻が施されていたりと、独特の美意識が随所に表れています。
灼熱のマラケシュにあって、優しいそよ風が吹き抜ける庭園はまるでオアシスのよう。竹林の奥には鯉が泳ぐ池もあり、情緒満点。マラケシュ旧市街の喧騒に疲れた心をそっと癒してくれます。
その一方で、大人の背丈よりも高いサボテンをはじめ、見たこともないようなさまざまな熱帯植物が生い茂ります。
ジャック・マジョレルは自称「庭園家」で、一風変わった植物を好んで収集したのだとか。その結果、ひとつの庭園に竹とサボテンが共存するというミスマッチが生まれたのですね。
「ミスマッチ」といってもそれは決して不快な違和感ではなく、新鮮な驚き。本来同じ場所に生えるはずのない植物が隣り合っていても、「マジョレル庭園」という共通の世界観でまとまっているので、全体としては不思議な調和を見せているのです。
この庭園のアイコン的存在が、かつてジャック・マジョレルのスタジオだった青い建物。
現在は豪華なベルベルの衣装や装飾品が並ぶ「ベルベル博物館」として使用されています。
一度見ると忘れられないほど鮮烈な印象を残すマジョレル・ブルーは、サハラに暮らすベルベル人の文化に着想を得たもの。マジョレル・ブルーは、マジョレル庭園のシンボルカラーとして、庭園のあちこちに散りばめられています。
イヴ・サン=ローランデザインのポストカードが購入できるブックショップや、ハイセンスなアイテムが揃う彼がプロデュースしたショップも見逃せません。
マラケシュの喧騒から離れて、ほっと一息つけるマジョレル庭園。
マラケシュに行ったら、旧市街から飛び出して感性を刺激するフォトジェニックな風景の数々に会いに行ってみませんか。
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