イギリス・ロンドンに行くならはずせない、動く恐竜にも会える「自然史博物館」
GOTRIP! / 2018年2月21日 6時30分
世界にその名をとどろかせる博物館や美術館が集まるミュージアムシティ、ロンドン。
ロンドンに数あるミュージアムのなかでも、最も高い人気を誇る施設のひとつが「自然史博物館」です。世界中から集められた動植物の標本はなんと4億点にものぼり、しかも毎年30万点が新たに追加されているとか。
自然史にまつわる膨大なコレクションはイギリス最大であるのはもちろんのこと、世界的に見てもトップクラス。その人気はあの大英博物館と肩を並べるほどで、世界中からの来訪者でいつもにぎわっています。
・大英博物館から独立して誕生
自然史博物館は、もともと大英博物館の一部門としてはじまりました。大英博物館の歴史は、1753年にアイルランドの医師ハンス・スローン卿のコレクション約8万点が国に寄贈されたことに端を発します。
そのなかには動物や植物、鉱物のコレクションも含まれていて、このときすでに自然史博物館の歴史もはじまっていたといえるのです。
増え続けるコレクションはその後100年も経つと大英博物館の一部門としては収まりきらなくなり、独立した「自然史博物館」として現在の場所で開館しました。
・植物や動物をあしらった壮麗な建物に注目
その膨大なコレクションはもちろんのこと、ロンドンにおけるラインラント・ロマネスク様式建築物の代表例とされる建物にも注目です。フランシス・フォークによるデザインにアルフレッド・ウォーターハウスが大幅に手を加えて1873年に着工、1880年に完成した建物は、まるで大聖堂のように荘厳。
入場前は「早く中に入りたい」という気持ちから、入場後は広大な博物館を見学し終えた疲労から、じっくりと建物を見学している来場者はあまりいませんが、建物自体が自然史博物館の性質を表すユニークなつくりになっています。
立派なファサードには、植物模様が刻まれた円柱やさまざまな動物をかたどった彫像の数々が。
あなたはどんな動物を見つけることができるでしょうか。館内にもさまざまな植物や動物をモチーフにした飾りが施されていますので、ぜひ意識して見てください。
・新たに博物館の顔となったシロナガスクジラ
最近まで、ロンドンの自然史博物館といえば、恐竜ディプロドクスの骨格標本、愛称「ディッピー」で知られていました。
1905年にアメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーから寄贈されたもので、およそ40年にわたって自然史博物館のエントランスホールの名物として来場者を迎えてきましたが、2018年からはじまるイギリス各地を巡るツアーのため、2017年1月に取り外されました。
そして現在新しく自然史博物館の「顔」を務めているのが、全長25.2メートルにおよぶシロナガスクジラの骨格。ディッピーは、2020年末からブロンズ像として博物館の外に展示される予定となっています。
・4ゾーン構成の展示
自然史博物館はレッド、グリーン、ブルー、オレンジの4ゾーンで構成されています。レッドゾーンは岩石や鉱物など地学関連のコレクションが充実、グリーンゾーンでは恐竜の化石や鳥の進化の歴史などが見られ、ブルーゾーンでは一番人気の恐竜の展示室を含む、地球上のさまざまな生物に関する展示が楽しめます。
そして、オレンジゾーンにはイギリス原産の動植物を生きたまま展示する野生生物公園や、100名以上の研究者が働く研究センターがあります。運が良ければ、マイクを通して研究者に直接質問をすることもできるのだとか。
・一番人気は恐竜の展示室
ロンドンの自然史博物館で一番人気なのが、なんといってもブルーゾーンにある恐竜の展示室。恐竜の化石や等身大の標本はもちろん、機械仕掛けで動く恐竜にも出会え、恐竜好きにはたまりません。
種類ごとに恐竜の生態や身体の仕組みも解説されていて、じっくり鑑賞すれば恐竜博士になれるかも。
・地震の揺れが体験できるコーナーも
レッドゾーンには、火山や地震の仕組みを解説しているセクションがあり、地震のエリアでは日本で発生した阪神淡路大震災や東日本大震災などの研究例も紹介されています。神戸のミニスーパーを模した阪神淡路大震災発生時の揺れを体感できるコーナーも。
大きな地震にあまり縁のないヨーロッパ人は無邪気に地震の揺れを楽しんでいますが、地震の恐怖を身をもって知っている日本人としては、はしゃぐ気分にはならないかもしれません。
・圧巻の鉱物コレクション
膨大な展示品を誇る自然史博物館において、特に圧巻なもののひとつが鉱物のコレクション。世界各地から集められた鉱物が一堂に会する光景は圧巻そのもので、これまで鉱物に興味がなかった人でもその美しさに魅せられるはずです。
じっくりと見ていたら一日かかっても到底見きれないほどの充実したコレクションを誇るロンドンの自然史博物館。
全体像を把握して見たいポイントを見逃さないようにするためにも、館内で有料の地図を購入するのがおすすめです。また、恐竜の展示室は入場待ちの列ができることもあるので、時間に余裕をもってお出かけください。
きっと驚くべき自然の神秘との遭遇が待っていますよ。
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
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