モナコ大公が集めた世紀の名車が集結、マニアならずとも必見の「レニエ公クラシックカーコレクション」
GOTRIP! / 2018年5月19日 6時30分
南仏コート・ダジュール地方の町、ニースとマントンのあいだに位置するモナコ公国。
世界で2番目に小さいミニ国家であるものの、「地中海の宝石」と呼ばれる美しい風景に加え、カジノや高級ホテルが建ち並ぶこの町は、セレブ御用達の高級リゾートとしてその名を馳せています。
F1世界選手権「モナコ・グランプリ」が開かれ、町なかではセレブの高級車が当たり前のように走っているモナコ。車好きなら大興奮間違いなしのこの国にぴったりのミュージアムが、「レニエ公クラシックカーコレクション」です。
世界に自動車博物館は数あれど、この博物館が特別なのは、ここに展示されている車がレニエ3世のプライベートコレクションであるということ。
レニエ3世は2005年に他界したモナコの前大公で、ハリウッド女優として人気絶頂だったグレース・ケリーをモナコ公妃に迎えたことで世界中から注目を浴びました。
大変な車好きとしても有名で、このミュージアムはレニエ3世が30年以上をかけて個人的に収集した車をコレクションの中心としています。
レニエ3世のコレクションに加え、シャルル3世やアルベール1世、ルイ2世など、ほかの公族によるコレクションも加わり、4000平米の空間に100台以上の自動車と馬車が展示されています。
「レニエ公クラシックカーコレクション」の名の通り、コレクションの中核をなすのは、ヨーロッパやアメリカのクラシックカーの数々。展示されている車はどれもピカピカに磨き上げられていて、一台一台に魂が吹き込まれているかのようです。
1903年ディオン・ボートン、1924年フォードT、1929年ブガッティ、1956年クライスラー・インペリアル、1962年アルファロメオ、1986年ランボルギーニ、さらにマセラッティ、ジャガー、ロールスロイスなど、日本ではなかなか見ることができない欧米のヴィンテージカーがズラリと並ぶ館内は、車好きにはたまらない光景のはず。
その一方で、ころりとしたフォルムが可愛らしい、今となってはそのレトロなデザインが新鮮に感じられる自動車もあり、普段車には興味がないという人でもきっと楽しめることでしょう。
年代や種別ごとにわかりやすく展示されているので、時代に合わせた車の変遷が手に取るようにわかります。
車について詳しいことは知らなくても、「プレゼントされるならどれがいい?」なんて、自分好みの車を探しながら回るのも楽しいものです。
F1の国モナコだけあって、レーシングカーも充実。日本人としては嬉しいことに、2007年パナソニック・トヨタ・レーシングの車も展示されています。
さらにレーシングカーコーナーには、F1で活躍した伝説のドライバー、アイルトン・セナのヘルメットや写真などの記念品も。
F1世界選手権で3度ワールドチャンピオンを獲得した彼は、「音速の貴公子」の異名をとるほどの人気を集めていましたが、1994年のレース中の事故で帰らぬ人となってしまいました。
ここに展示されている車の数々を見れば、人類の生活を便利にしてきた存在であり、しばしば富や権力の象徴でもあり、時には狂気にもなりうる、車がもつさまざまな力について考えさせられるのではないでしょうか。
一口に「車」といっても、現代の日本で日常的に走っている自動車とはまったく異なる個性をもった車たちに出会える「レニエ公クラシックカーコレクション」。
車好きはもちろん、カーマニアならずとも楽しめるモナコの必見スポットです。「なんとなく見に行ったら、すっかりクラシックカーの魅力にハマってしまった!」なんてことになるかもしれません。
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