ドイツの古都ドレスデンで「世界で最も有名な天使」たちに対面
GOTRIP! / 2018年5月26日 6時30分
どこか釈然としない表情で思案している様子の2人の天使・・・この絵に見覚えはありますか?
きっと、「どこで見たのかはわからないけど、どこかで見たことがある」と感じる人が多いことでしょう。
この天使たちは、ルネッサンスの巨匠ラファエロが描いた「システィーナの聖母」の一部。
もともとの絵画から切り離され、天使たちだけが衣類や切手、文房具等さまざまな商品のモチーフとして使われたことで、「世界で最も有名な天使」といわれるほどよく知られた存在になりました。この天使たちが西洋絵画における天使のイメージを確立したといっても過言ではありません。
2人の天使が描かれた「システィーナの聖母」があるのは、ラファエロの故郷イタリアではなく、東ドイツの古都ドレスデン。
この作品はラファエロの晩年、1513~1514年ごろにかけて祭壇画として描かれたもので、ラファエロが描いた最後の聖母像であると同時に、ラファエロが自身だけで完成させた最後の作品でもあります。
それがドイツにやってくることになったのは、「アウグスト強王」とも呼ばれたザクセン選帝侯でポーランド王でもあったアウグスト2世の息子、アウグスト3世が1754年にこの絵を購入し、自身のコレクションに加えたためでした。
第2次世界大戦後にはモスクワへと持ち去られたこともありましたが、10年後にドイツに返還。現在もドレスデンのアルテ・マイスター絵画館を代表するコレクションとして、人々を魅了し続けています。
アルテ・マイスター絵画館があるのは、ザクセン王国の栄華を今に伝えるツヴィンガー宮殿。アウグスト強王の時代に建てられた壮麗なバロック建築で、建築家ペッペルマンの最高傑作といわれています。
エントランスホールでは、このミュージアムのアイコンである「システィーナの聖母」のコピーが出迎えてくれます。
アルテ・マイスター絵画館の一室で、ひときわ来館者の注目を浴びる「システィーナの聖母」。
265×196センチメートルの大作で、画面中央の上部にイエスを抱く聖母マリア、その左右には聖シクストゥスと聖バルバラが配され、画面中央下部にはあの有名な天使たちが描かれています。
どこか物憂げでありながらも凛とした強さを感じさせる聖母マリアの表情と、足元の天使たちの愛らしい姿が印象的です。
一説では、この2人の天使は、ラファエロが町で見かけた子どもたちがもの欲しげにパン屋を覗いていたところをモデルにしたものだともいわれています。
よく見れば、この絵は人物が十字架を描くように配されていることに気づくでしょうか。まさに祭壇画にふさわしい構成といえますね。
そして、もっと面白いのが、この作品に描かれている天使は実は2人だけではないということです。
この絵と実際に対面してみなければなかなかわかりませんが、雲のように描かれている背景にもまた、たくさんの天使たちが表現されているのです。
「世界で最も有名な天使」だけではなく、たくさんの名もなき天使たちに出会える「システィーナの聖母」。
アルテ・マイスター絵画館は、ほかにもフェルメールやレンブラント、ブリューゲル、ボッティチェリらの名画を所蔵しているほか、同じツヴィンガー宮殿内には、日本や中国、マイセンの名品を集めた「陶磁器コレクション」もあります。
ドレスデンを訪れるなら、ザクセン王が集めた素晴らしい芸術品の数々との出会いをご堪能ください。
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
2023年のスタートアップ開業数、全体では減少もザクセン州は大きく増加(ドイツ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月30日 10時10分
-
大谷翔平、緊張してる少年少女への眼差しが「パパみたい」 球場とは違う様子にSNS和む「尊い笑顔」
THE ANSWER / 2024年4月19日 15時3分
-
領土を奪われ怒りの「外交革命」→娘のマリー・アントワネットを敵国フランスへ嫁入りさせた〈マリア・テレジア〉の目を見張る“女傑ぶり”【世界史】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 7時30分
-
彬子女王殿下の留学生活の思い出「エリザベス女王陛下とのアフタヌーン・ティー」
PHPオンライン衆知 / 2024年4月17日 11時50分
-
【豪華本がコンパクトになってお手頃価格に】ヨーロッパ文化の極みを壮大な規模で網羅、『ヨーロッパの大聖堂【コンパクト版】』、4月8日発売。
PR TIMES / 2024年4月8日 18時15分
ランキング
-
1映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
2コンビニは「前向き駐車」すべき? なぜ「バック駐車」は推奨されない? “納得の理由”と守らなかった際の「悪影響」とは
くるまのニュース / 2024年5月2日 17時10分
-
3スターバックス、8日から“人気フラペチーノ”が復活 「絶対に買いに行く」と意気込む声が続出
Sirabee / 2024年5月3日 4時0分
-
4ゴミ屋敷「"開かずの間"を開けてみた」驚愕の顛末 結婚相手にも秘密だった自宅をついに片付けた
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 13時0分
-
5国産米100%なのに「グミ食感」って...どういうコト? 老舗おせんべい屋さんが作った謎のお菓子を食べてみた
Jタウンネット / 2024年5月4日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください