文明のモザイク、ジョージアの首都トビリシでしたい6つのこと
GOTRIP! / 2018年10月28日 6時30分
南コーカサスの国、ジョージア(グルジア)の首都トビリシ。
日本では決してメジャーとはいえませんが、東西が入り混じるエキゾチックな町並みや居心地の良さ、物価の良さも手伝って、ヨーロッパでは人気の観光都市のひとつです。
町が創設されたのは5世紀のこと。鷹狩りに出た王が、この地にある温泉にキジが落ちて死ぬのを見て、この地に町を築くよう命じたという伝説があります。
それにちなんで、この町にはジョージア語で「温かい」を意味する「トビリ」から「トビリシ」と名付けられたといわれています。
これから注目度が高まりそうな、トビリシでしたい6つのことをお伝えしましょう。
・ナリカラ要塞から市街を一望
トビリシ観光のハイライトのひとつが、町を見下ろす高台にそびえるナリカラ要塞。
4世紀のペルシャ時代に建設が開始された要塞の跡地で、かつてはトビリシを治めてきた歴代の支配者によって、拡張が繰り返されていました。19世紀に起きた火薬庫の爆発により、要塞内の建物の大部分が失われてしまったため、現在はなかば廃墟のようになっています。
それでも、ナリカラ要塞を訪れる価値大なのは、要塞からトビリシ市街の素晴らしいパノラマが望めるからです。
三方を山に囲まれ、町の中心をムトゥクヴァリ川が横切るダイナミックなトビリシの風景は圧巻。
古い教会をはじめとする歴史的建造物と、平和橋などのモダンな建造物が融合したトビリシの町並みは、初めてなのにどこかなつかしい、不思議なあたたかさを感じさせます。
・教会めぐり
ジョージアは敬虔なジョージア正教徒が多い国。アルメニアについで2番目にキリスト教を受け入れた、歴史あるキリスト教国でもあります。
そんなジョージアの首都だけあって、トビリシには新旧の教会がそろい踏み。
まずトビリシで絶対に見逃せない教会が、長らくジョージア正教の総本山でもあったシオニ大聖堂。6世紀に建設された後、戦乱などで破壊されたために何度か再建され、現在見られる姿は13世紀ごろに建てられたものです。
それほど大きくはないものの、色とりどりのイコンで彩られた内部は、静謐な時間が流れる荘厳なる空間です。
2004年にジョージア最大の教会として建設された、ツミンダ・サメバ大聖堂(至聖三者大聖堂)も一度は訪れてみたい教会。
記念碑のごとく、広大な敷地に立つ巨大な大聖堂は、一見の価値あり。これほど大きな教会が最近建てられたことに、ジョージアの人々の信仰心の篤さを感じます。
・東西の文化にふれる町歩き
トビリシ観光の中心となるのが、メテヒ教会をほぼ中心としたムトゥクヴァリ川の東西に広がる旧市街。ここには19世紀までの町並みがそのまま残されており、歩くだけでタイムトラベルをしているかのような気分が味わえます。
アジアとヨーロッパが交わるトビリシの旧市街には、ジョージア正教の教会やイスラム教のモスク、ユダヤ教のシナゴーグなど、さまざまな文化的背景をもつ歴史建造物が、モザイクのように共存しています。
ヨーロッパ的な瀟洒な雰囲気と、アジア的なあたたかさが共存するトビリシの町並みには、西ヨーロッパ諸国にはない独特の魅力があります。ここではあえて地図をもたずに、興味の赴くままに歩いてみてはいかがでしょうか。
・ハマム体験
町の創設にまつわる伝説にもあったように、トビリシは知る人ぞ知る温泉地です。
温泉といっても、トビリシの温泉は日本の温泉とは異なるイスラム式のお風呂。いわゆるハマムです。とはいえ、湯船がある施設も多く、ゆったりとお湯に浸かることもできます。
旧市街のアバノス通り周辺は、「アバノトゥバニ」と呼ばれる浴場が並ぶトビリシの温泉街。丸屋根をもつレンガ造りの浴場が連なり、まるでトルコのような光景が広がっています。
公衆浴場は、100円少々という安価で利用できますが、公衆浴場に抵抗がある人には個室浴場もおすすめです。硫黄の香りのする良質な温泉で、旅の疲れを癒してみては。
・国立博物館でジョージアの歴史にふれる
旧市街の観光を楽しんだ後は、トビリシの目抜き通りであるルスタヴェリ大通り周辺のミュージアム地区に出かけてみましょう。
2011年にリニューアルオープンした国立博物館は、ジョージアの長い歴史にふれられる博物館。
ドマニシで発見された、ユーラシア大陸で最古の人骨を所蔵していることで知られ、古代からイベリア王国時代までの金銀の出土品、各地方の民族衣装、イコンなど充実した展示が魅力です。
ソ連時代のジョージアについて学べる展示もあり、波乱万丈の歴史を肌で感じることができるはずです。
・ジョージア料理食べ比べ
旅行通のあいだでは、ジョージアは食事のおいしい国として評判。
歴史上、さまざまな文明の影響を受けてきたジョージアでは、各地域の「いいとこどり」をしたかのような豊かな食文化が育まれてきました。
肉料理だけでなく野菜料理の種類も豊富で、肉好きもベジタリアンも満足できる幅の広さが魅力。味つけも比較的マイルドで塩辛くないので、日本人の口にもよく合います。
トルコ風ピザにも似た、ジョージアの国民食ともいわれるチーズ入りパン「ハチャプリ」や、ジョージア風小籠包「ヒンカリ」、ジョージア風ビーフシチュー「オーストリ」など、ジョージアはユニークな料理のオンパレード。
物価が安いジョージアは外食も手ごろなので、ついあれこれ食べ比べてみたくなるはずです。
町歩きに温泉、歴史、食と、知られざる魅力がいっぱいのトビリシ。
この町を訪れたら、きっと誰かにその魅力を伝えたくなるはずです。
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