閉経後に増える「デリケートゾーンの乾燥・かゆみ」医師が教える正しいケアとは?
HALMEK up / 2024年12月29日 22時50分
更年期、閉経、と体に大きく変化が出てくる50代。実は、閉経後に増えるのがデリケートゾーンの悩みです。連載第1回目は、対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座院長・石山尚子さんに閉経後の腟・デリケートゾーンの状態について教えていただきました。
産婦人科医・石山尚子さんのプロフィール
いしやま・なおこ。日本産婦人科学会専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務を経て2007年より女性医師・スタッフによる女性のためのクリニック、対馬ルリ子 女性ライフクリニック 銀座に勤務。21年より院長に。
更年期以降、腟やデリケートゾーンはどう変わるの?
歩いているだけでむずむずする、自転車に乗っていて痛い、尿漏れしてしまうといったデリケートゾーンの悩み。誰に何をどう相談していいかわからないという方が多いのではないでしょうか。
女性は、50代の閉経を迎えるあたりになってくると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌がだんだんと少なくなってきます。エストロゲンには、皮膚だけでなく、粘膜のみずみずしさを保つ力があり、腟をしっとりぬるぬるに保ち、いいおりものを分泌して腟を保護します。
しかし、閉経後はその機能が衰えてくるために、腟内部やデリケートゾーンが乾燥してきます。それに伴い、腟が縮んでのびが悪くなったり、ぱさぱさになってきます。
また、骨盤底筋の筋肉も弱くなります。いわゆる顔の肌と同じですね。皮膚に弾力がなくなり、たるむ、ゆるむ。最近よく聞かれるようになった「GSM」(閉経後泌尿生殖器症候群)の症状は、女性ホルモン分泌低下による乾燥が主な原因と考えられています。ちなみに、GSMの症状としては大きく分けて3つあります。
GSMの特徴的な症状- 陰部トラブル
乾燥感、かゆみ、ヒリヒリ感、疼痛、におい - 尿トラブル
尿漏れ、頻尿、再発性膀胱炎、骨盤底筋のゆるみ - 性交トラブル
性交痛、出血
具体的な悩みについては連載・第4回からお答えしていきますが、上記のような悩みがあれば「GSM」かもしれません。対処法としては第一に女性ホルモンを補充する方法(HRT)があります。それができない場合は個々のトラブルに応じて治療法やアイテムなどがあるので、少しでも気になったら婦人科へ相談してください。
デリケートゾーンの間違ったケアに注意
女性ホルモンの分泌量の低下は、誰にでも起こるものです。そして、閉経後は、何かしらの方法で再び自然に分泌させることは不可能です。その影響で腟やデリケートゾーン、泌尿器系にさまざまなトラブルが出てきますが、トラブルに気付かないくらい軽い人がいるかと思えば、出血したり臓器脱になったりとひどい状態の方もいます。
私のクリニックにも閉経後のデリケートゾーンの変化を知らず、「痛いんです、かゆいんです」と診察に来る方がたくさんいらっしゃいます。患者さんの中には、ニオイやかゆみなどが気になるからといって、デリケートゾーンをごしごしと拭いたり、洗ったりしている方がいます。実はそれは逆効果。毎日の正しい洗浄と保湿を知っていただくことが、まず必要です。
自分のデリケートゾーンの状態を知っておこう
そもそも自分の腟やデリケートゾーンがどういう状態になっているのか、知らない人は多いのではないでしょうか。ぜひ、自分で触ったり鏡で見たりしてみましょう。1日1回でかまいません。あわせて毎日セルフケアをしていると、ちょっとした変化にも気付くけます。自分の大切な体のことです。恥ずかしがらずに、やってみてほしいです。
洗浄そして、正しい洗浄方法について知りましょう。腟やデリケートゾーンは弱酸性ですから、専用の洗浄剤で洗います。特にひだ部分には汚れがたまりがち。ニオイの元にもなるので、手指でやさしく丁寧に洗ってください。ただし、腟内まで洗う必要はありません。細菌の侵入を防ぐために腟内にいる乳酸菌を洗い流してしまうと自浄作用が弱くなり、トラブルが悪化したり炎症を引き起こすこともあります。
保湿洗浄した後はすぐに保湿します。これもスキンケアと同じですね。最近は洗浄剤同様にいろいろなタイプの保湿アイテムが揃っているので、試してみて好きなものを選んでみてはいかがでしょうか。洗浄と同じように手指でやさしく、デリケートゾーンにオイルやクリームを塗るだけで十分。また、保湿すると同時に軽くマッサージをして血流をよくするといいでしょう。
次回は、メノポーズカウンセラーの吉川千明さんにデリケートゾーンの洗い方について詳しく伺います。10月19日に更新予定です。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
50代からのフェムマナー:閉経後にしておくべき「デリケートゾーンの保湿方法」
HALMEK up / 2024年12月30日 22時50分
-
「デリケートゾーンの乾燥」対策アイテム3選 色ムラをケアできたり「深呼吸したくなるほどいい香り」の傑作も!
CREA WEB / 2024年12月30日 11時0分
-
年齢を重ねるごとに多様化する「デリケートゾーンのお悩み」に…厳選フェムケアアイテム 4選
Woman.excite / 2024年12月28日 20時0分
-
月1で膀胱炎。実は更年期が原因ってホント!?「思ったより怖い」その内容は(前編)
OTONA SALONE / 2024年12月13日 21時0分
-
50代の腟を考える。「引退腟」と「現役腟」の境界線はどこにある?更年期レスの原因にも?
オールアバウト / 2024年12月11日 22時15分
ランキング
-
1高齢の親がお年玉として「100万円」くれました。本人は「相続対策」のつもりらしいですが、贈与税が心配です。税務署から電話がかかってくることはありませんか…?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月3日 4時40分
-
2メルカリで「お届け済み」になっているけれど商品が届いていない……どうすればいいですか?
オールアバウト / 2025年1月3日 21時5分
-
3北関東をドライブ中に“地元ナンバー”の車が急接近。“あおり運転”をストップさせた夫の機転とは?
日刊SPA! / 2025年1月3日 15時53分
-
492歳女性が「葬式はしない」と決めた納得すぎる訳 お墓問題は「体力気力があるうちに決着つける」
東洋経済オンライン / 2025年1月4日 7時10分
-
5「どうしてきみに似たんだろう」「メシがまずくて働く気がしない」最低なモラハラ夫にキレた義母
オールアバウト / 2025年1月3日 22時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください