40代~70代の女性8名に聞いた!グレイヘア移行エピソード&おしゃれヘア紹介
ハルメク365 / 2024年6月19日 11時50分
素敵なグレイヘア女性の髪型カタログです。40代・50代・60代・70代と年齢別のグレイヘア写真を紹介します。移行したのはいつ?その理由は?など、移行中の人から完成した人まで、十人十色の移行エピソードは必読です。※年齢は2019年取材時のもの
40代・山中さん「仲間に出会えたことが一番の収穫」
会計事務・山中律子さん(46歳)
グレイヘアに移行した時期は?
――42歳の夏です。
グレイヘアにした理由は?
――10代でアメリカ留学をした時のホストマザーが美容師で、オシャレ染めをしてくれたのをきっかけに、その後はずっと染め続けていました。もともと白髪が目立つ体質だったので、30歳になる前から白髪染めに。
30代は、まさに「白髪染め中心の生活」になっていましたね。何かイベントがあるたびに「逆算して3日前だから染めなきゃ」みたいな感じで(笑)。
その頃、旅行添乗員の仕事をしていたのですが、2週間のイタリア周遊ツアーでもホテルの部屋で必死に染めていたわけです。その時ふと「この間にお客様から重要な問い合わせがあったらどうしよう? 私いつまで白髪染めを続けるんだろう?」と、むなしくなりました。
その後、30代で一度白髪染めをやめようとした際は、夫の反対に遭い断念。しかし、40代に入り、白髪染めの薬剤で頭皮がかぶれてしまい、ついに念願のグレイヘアに移行したのです。
グレイヘアにしてよかったことは?
――髪と頭皮が健康になったことと、白髪染めに費やす時間やお金を節約できたことは、本当によかったですね。
また、グレイヘアへ移行のノウハウや悩みをブログで公開するなかで、どんどん仲間が集まり、「グレイヘア東京」という会を主宰するようになりました。そこで、年齢もバックボーンも多様なグレイヘア仲間に出会えたことが、一番の収穫かもしれません。
白髪にも生き方にもポジティブな女性が集まる会なので、ぜひ一度「グレイヘアTOKYO」のホームページをのぞいてみてくださいね。
50代・西尾さん「白髪姿も結構すてきじゃない?と発見」
営業職 西尾昌子さん 58歳
グレイヘアに移行した時期は?
――2017年の冬です。
グレイヘアにした理由は?
――若い時から白髪が目立つ体質でしたが、その時はロングヘアにしてブラウン系に染めるのが私の定番でした。最初はヘアマニキュアを使っていて、その後髪染めになり……。40歳を目前にショートヘアに変えた頃には、大体1.5か月に1度は美容院で染めていましたね。
2017年に親の体調が優れず、実家の大阪と東京を行き来する生活が続いていました。しばらく仕事を休んだり、自分のことに全く構っていられない時期が続いたのです。ある日鏡を見たら、白髪が増えている自分にビックリ。
でも……意外にも「グレイヘアが似合う私も結構すてきじゃない?」と新たな発見をしたわけです。
グレイヘアにしてよかったことは?
――白髪染めに費やす時間とお金を節約できることと、髪が健康になったことです!
私はショートヘアでパーマをかけているので、美容院に行く頻度はあまり変わりませんが、白髪染めをしていた頃は3時間かかっていた施術が、今は半分以下になったので、断然ラク。
また、グレイヘアは周りからも好評! 明るい色のファッションや小物が、以前より似合うようになった点もうれしいポイントです。
50代・大八木さん「今は白髪が伸びるのも楽しいです」
人形作家 大八木秀さん(50歳)
グレイヘアに移行した時期は?
――2016年頃からグレイヘアに移行したいと思っていました。本格的にグレイヘアに移行するために、美容室で白髪と黒髪をなじませためのウィービング(ハイライト)を入れ始めたのは、2018年の10月からです。
グレイヘアに移行した理由は?
――染めてもすぐに白髪が伸びて、次はいつ染めようかと考えなくてはいけないのが嫌でした。染め続けていると髪は細くなるし、量は減るわで、地肌が目立つようになってきたし、とにかく嫌になったんです。当時は、白髪よ伸びるな~~!と念じていました(笑)。
グレイヘアにしてよかったことは?
――今は、もっと白髪が伸びてほしいし、伸びるのも楽しいです。自分の生理現象を喜べるってすごい健康的なことですよね。白髪を恨むこと自体が、自分自身を否定することだからストレスもかかってたと思います。
今はストレスから解放されたからか、元気な髪が生えるし、よく伸びるようになった気がします。
50代・山本さん「自分に手をかけるようになった」
主婦 山本ゆかりさん(51歳)
グレイヘアに移行した時期は?
――2018年12月です。
グレイヘアに移行した理由は?
――20歳から白髪染めを始めて以来、月に2回自宅で白髪染めをしていました。40代に入り、頭皮にぴりぴりした違和感が出てくるようになって、何度も“断染”を決意しては諦め、ということを繰り返していました。懲りずに今度こそは、と。
グレイヘアにしてよかったこと
――白髪染めの手間がなくなったことですね。自宅染めをするとき、どんなに気を付けていても、鏡や床、シンク、浴室に溶剤がはねてしまうんです。それを見つけたときの落胆っぷりと言ったら……。そして、「落ちてーー!」と祈りながらのお掃除の時間がなくなったことに尽きます。
私、今まで自分のことにも、美容のことにも全然興味がなかったんです。でも、グレイヘアに移行してからは、元気に、清潔に、気分よく過ごせるように自分にも手をかけ、これまで躊躇していたようなことにも前向きな気持ちで取り組んでいます。
50代・松橋さん「グレイヘアが視野を広げてくれました」
会社員 松橋ゆかりさん(54歳)
白髪染めをやめたのはいつ?
――2016年4月です。病気になったことがきっかけでした。
グレイヘアにした理由は?
――3年前、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群という全身に痛みが生じる病気を発症しました。
30代から白髪を染めていたのですが、全身の痛みがひどくて美容室にも行けないし、ましてや自分で染めることもできない。病気の影響で化学物質にも敏感になって、やむを得ずグレイヘアになっていったというのが正直なところです。
グレイヘアに移行中はベリーショートにして、少しでも中途半端な髪色が目立たないように心掛けました。
グレイヘアにしてよかったことは?
――毎月1回白髪を染めていたストレスから解放され、気持ちがラクになりました。自分の白髪の生え方が面白いな、なんて客観視できるようにもなって。「これでいいんだ」と自分を肯定できるようになったことで「人と違う要素も個性の1つ」「多様性を理解しよう」という気持ちが芽生えて、グレイヘアへの一歩は私の視野を広げてくれました。
面白いのが、白髪染めをやめると頭皮が健康になるのか、生え際が黒くなってきたんです。髪の毛も健康になって薄毛も解消してきたように思います。
60代・町田さん「自分の女性らしさをもっと楽しみたい」
主婦 町田きららさん(65歳)
グレイヘアに移行した時期は?
――60代になってからずっと白髪染めをやめたかったのですが、周囲の反対もあり、タイミングがつかめず4年。2018年7月に行った、9日間のクルーズ旅を機にやめました。クルーズではドレスアップをしたパーティーもありますし、旅中はどうしても白髪のことを気にせず楽しみたくて。この旅行が終わったら、もう染めないと決めていました。
グレイヘアにした理由は?
――ライフワークとして、自然食を提供するレストランに携わってきました。できれば、オーガニックなものを中心に生活したいのに、月に1回は刺激が強く化学的な白髪染めをしないといけないことに矛盾を感じていました。
そのうち頭皮がピリピリして痛いと感じるようになってからは、自宅でヘナやハルメク(当時:いきいき)の「つや髪」で染めたり、美容室でのハーブ染めに変えました。
でも、染めてもすぐに白いところが目立っちゃって、そこを人にじっと見られているような気がして嫌だったんです。
そのうち伸びた部分を隠す作業にも、違和感を覚えるようになりました。そして65歳を目前にして、もういいやと(笑)。友人や家族に染めるのをやめる宣言をしました。
グレイヘアにしてよかったことは?
――顔のしわもシミも当然と受け入れられるようになったのは、グレイヘアにしてからですね。あと、ファッションの好みも変わりました。私は身長が大きいですし、染めていた頃はかっこいい服を中心に選ぶことが多かったのですが、最近は華やかな色やかわいいスカートを選ぶことが増えました。
これからは自分の女性らしさをもっと楽しんでもいいかな、と思っています。
60代・宮尾さん「グレイヘアは一つの冒険だと思う」
詩人 宮尾節子さん (60代)
白髪染めをやめたのはいつ?
――2000年。白髪が全体の3分の1ほどの量になった頃です。
グレイヘアにした理由は?
――高校生から白髪が目立つようになって、ずっとコンプレックスに感じていました。「人より早く白髪になる人は、年をとってから髪が黒くなるんだよ」なんて言われたけど、そんなの大ウソでしたね(笑)。
年々白髪が増えていくのを見ているうちに「白髪もがんばって生きているから、今度は黒髪じゃなくて白髪に合わせてみよう」と思うようになりました。変わりゆく人生にエールを送るつもりで、思い切って白髪染めをやめました。
グレイヘアにしてよかったことは?
――白髪染めをしている時は、2週間くらいで生え際にちらりと見えてくる白髪にがっくりしていました。でも、グレイヘアへ移行してからは、ちらりと見えてくるのが白髪じゃなくて黒髪! 悪い気はしませんよ(笑)。
ニューヨークに行った時、美術館の受付の方に「なんてゴージャスな髪なの!」って褒められたんです。今まで自分にとって“マイナス”だと思っていた白髪が褒められる日が来るなんて!
「“マイナスのもの・こと”を受け入れて、どうプラスに変換して生きていくか……」。グレイヘアにすることって、年齢を重ねる中での一つの冒険のようにも感じています。
70代・安久井さん「おしゃれがもっと楽しくなった」
主婦 安久井千穂子さん(71歳)
白髪染めをやめたのはいつ?
――白髪になり始めたのは50代で、周りの人より遅かったんです。60代になってだんだんと増えてきて、2018年9月から染めるのをやめました。
グレイヘアにした理由は?
――ファッションスタイルを変えることが、そもそもの目的でした。小さい頃から母が私におしゃれをさせてくれていたこともあり、おしゃれが好きなんです。
おしゃれの印象って、髪から足元までトータルで決まるものでしょう? 髪型はこれまで「モヒカン以外は全部制覇した」っていうくらいコロコロ変えてきていて。あと変えるなら色しかないな、っていう感じで。白髪染めをやめてみました。
グレイヘアにしてよかったことは?
――似合う服に変化が生まれて、今までと違う自分を楽しめるようになったのが一番うれしいですね。夫にも「いいね」って褒めてもらっていい気分です。
でも、私にとって髪色を変えることは、あくまでおしゃれを楽しむためのひとつの方法。今は、ショートのグレイヘア×着物でおしゃれを楽しんでいますが、また数年後には黒髪に染めているかもしれないですね(笑)。
「白髪は染めるもの」という概念が崩されつつある今のグレイヘアブームは、「ありのままでいいんだ」「年を重ねることって怖くないんだ」という一種の自信を与えてくれているな、と思います。
取材・文=小林美香、鳥居史、竹上久恵(ハルメクWEB編集部)、撮影=中村彰男、ヘアメイク=木村三喜
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