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【大人の恋愛事情1】70代で再婚同士!最後の恋、新しい思い出を作る

ハルメク365 / 2024年7月21日 21時2分

【大人の恋愛事情1】70代で再婚同士!最後の恋、新しい思い出を作る

人生100年時代といわれる昨今。最期まで豊かで楽しい人生を送るのに、恋愛は必要でしょうか。60代、70代で恋愛を経験している方々に話を伺いました。みなさん前向きな気持ちで人生を楽しもうとされています。

前田 吟さんと箱崎幸子さんのプロフィール

前田 吟さんと箱崎幸子さんのプロフィール

普段から衣裳は自前で用意するというお二人。「おしゃれをすると生活にハリが出て楽しいでしょう」と前田さん

俳優 前田吟さん(79歳)

まえだ・ぎん
1944(昭和19)年、山口県生まれ。劇団俳優座養成所15期生となり、64年に俳優デビュー。映画「男はつらいよ」、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」シリーズなど出演作多数。
※年齢は取材時。

歌手 箱崎幸子さん(75歳)

はこざき・さちこ
1948(昭和23)年、福島県生まれ。演歌歌手の箱崎晋一郎(はこざき・しんいちろう)さんと結婚し子どもをもうけるが、88年に晋一郎さんが他界。その後、歌手を志し、94年、晋一郎さんの名曲「東京運河」を自費発売しデビュー。
※年齢は取材時。

出会いは…なじみの飲食店で偶然に

出会いは…なじみの飲食店で偶然に

映画やテレビ番組で活躍する俳優の前田吟さんは、2021年に妻を亡くしました。

「15年間、看病をしてきて。最期の半年はステージ4のすい臓がんで、コロナ禍中でもあり、大変でした」。その半年後、喪が明けて気分転換に出掛けたなじみの飲食店で偶然、箱崎幸子さんと出会いました。

「きちんと看病して見送ったごほうびに、神様が巡り合わせてくれたのかなと思いました」

演歌歌手の夫を亡くし46歳で歌手デビュー

演歌歌手の夫を亡くし46歳で歌手デビュー

幸子さんは、演歌歌手・箱崎晋一郎さんと結婚。1男2女を授かるも、一番下の子が2歳のときに晋一郎さんを肝臓がんで亡くしました。

「それまで普通の主婦でしたが、周りの後押しもあり、彼の歌を歌い継いでいこうと決めました。歌を習いに行き、デビューしたのは46歳のときでした」

子どもたちが大きくなるまでがむしゃらに働いて、「私の人生に恋も結婚もない。ずっと一人で生きていくかも」と思っていた幸子さん。前田さんから 連絡が来たのは出会って1か月後でした。

「最後の恋」と言われ、希望が湧いた

「最後の恋」と言われ、希望が湧いた

「付き合うなら結婚を前提にと思っていた」という前田さん。最初に電話をした際、そう伝えたそうですが、幸子さんは素直に受け入れられなかったと言います。

「何度か話しているうちに“最後の恋だから”と言われて、私の人生にも希望があるのかな、夢見てもいいのかなと思いました」(幸子さん)

「死に別れより生き別れの方がいいっていうでしょ。伴侶と死に別れるとイメージが美化されて、いい思い出として大きくなっていく。お互い死に別れた伴侶の思い出を背負って一緒になるのは大変なことですよ。それでも、死ぬまで過去の思い出に浸るよりも、新しい思い出をつくっていく方が楽しいじゃないですか」(前田さん)

今は二人の思い出作りが楽しい

今は二人の思い出作りが楽しい

前田さんと幸子さんは2023年3月にデュエットソング「凪の風景」をリリースしました。「作詞は僕のことを昔からよく知っている女優の烏丸(からすま)せつこさんが担当してくれて。本当にいい歌です」

――巡りくる季節の花のように 咲いては散りゆく人生よ なんでもない毎日に ふと隣には君がいる それだけでいい(「凪の風景」サチコ&前田吟)

「今は二人で買い物をしたり、旅行に行ったりするのが楽しい」と前田さん。二人の新たな思い出づくりは始まったばかりです。

次回は、映画監督・作家の松井久子さんの話をお伝えします。

取材・文=三橋桃子、五十嵐香奈(ともにハルメク編集部)、撮影=中西裕人

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年10月号を再編集しています。

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