今あるお金を「増やす」には?賢く選んでお金の不安を軽減したい!
ハルメク365 / 2024年9月10日 21時0分
手元のお金の目減りを減らすためには、“増やす”対策も必要です。お金の置き場所であるメインバンクの見直しや、証券口座を活用した投資の始め方について、引き続き専門家に教えてもらいます。
教えてくれた人:風呂内亜矢(ふろうち・あや)さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。CFP(R)認定者。『マンガでカンタン!NISA・iDeCoは7日間でわかります』(Gakken)をはじめ、お金に関する書籍は約30冊。YouTube「FUROUCHI vlog」も更新。
銀行選びは「より高い金利・安い手数料」がキモ
近年はネット銀行だけでなく、従来の店舗型の銀行でも比較的金利のいい口座が増えてきました。「まずはメインバンクを見直して、目減り対策を!」と話すのは、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の風呂内亜矢さん。ネット銀行のメリットや、証券口座での投資の始め方について、QA形式で教えてもらいました。
Q.よく聞く「ネット銀行」メリットは?
A.金利が高く、手数料も抑えやすい店舗型の銀行で、普通預金の金利が0.02%の場合※、100万円預けたら利子は年間200円(税引前)。ATMの時間外利用料であっという間に消えてしまう金額です。
一方、ネット銀行には、あおぞら銀行BANK支店のような普通預金金利が0.2%と高いところも。他行への振込みが一定の回数無料になったり、ATMの手数料が安いなど、各種手数料を抑えやすい傾向もあります。
Q.ネット銀行を始めたいけれど、まず何をすれば?
A.本人確認書類を準備して、ネットで申し込めばOK!口座開設は、公式サイトやアプリから。本人確認の手続きも多くはスマホで行えます。審査後に届くメールからIDなどを設定すれば、利用できます。現金の出し入れはコンビニATMから、送金などはスマホからも行えます。
ネット銀行申し込みの流れ- ホームページやアプリの「口座を開設」を押し、個人情報を入力。
- マイナンバーカードなど必要書類をスマホで撮影してアップロード。
- 口座開設後は、アプリやコンビニATMで各種取引ができます。
Q.そうは言っても、私は店舗型の銀行の方が……
A.ネットが苦手なら、店舗型でおトクなところもありますネット操作が不安なら、店舗型の銀行から、よりおトクなところを探すのも手です。年金の受取口座に指定すると金利が優遇されたり、ATM手数料が無料になるところもあります。家から近い銀行へいくつか行き、窓口で自分向けのおトクな制度がないか相談して、比較してみましょう。
まずは今、使っている銀行を整理してみましょう持っている口座を一覧にして、使っていない口座は解約しましょう。不要な「置き場所」をなくして未利用口座の手数料の節約、管理の負担軽減に。
目減り対策の大本命!家計で浮いたお金は投資に
いよいよ目減り対策の本命といえる、お金の置き場所=証券口座を活用するための準備です。投資にいくら使うか考えていきましょう。
Q.投資するほど、お金がありません……
A.月々100円、500円など少額でも始められます!投資は、資産家が行うもの、大金が必要といったイメージを持つ人が多いかもしれませんが、そんなことはありません。次回で詳しく紹介するNISAなら、100円から購入できる商品もありハードルは高くありません。家計を見直して節約すれば、誰でも投資の資金をつくることはできます。
Q.投資に使っていい金額は?
A.貯蓄の1割を目安に!投資は、生活に影響が出ない範囲で行うもの。まずは生活防衛資金として、生活費6か月分を銀行口座に残します。さらに、10年以内に使う可能性のある、家の修繕費や医療費なども銀行口座に置いて備えます。残りの貯蓄の1割程度が投資に回せる金額です。
預貯金から、投資に回せる金額を算出証券口座は、銀行口座から資産を振り分けて活用していくものなので、まずは預貯金がいくらあるか把握することが大切です。
Q.老後資金の不足分も投資で賄いたいです
A.老後資金は「投資で賄う」ではなく、預貯金で準備を!投資は、元本割れのリスクがあるものです。また、短期間で大きな儲けを狙うものでもありません。ですから、将来、有料老人ホームに入るなど決まった予定があれば、そのための資金はやはり預貯金で用意を。投資は、貯金の目減り対策が目的、ということを忘れないように。
次回は、2024年から新しくなったNISAについて詳しくお伝えします。
※金利は2024年8月20日現在のものです。
※投資は、元本および利回りが保証されたものではありません。実際の資産運用や投資の判断は、必ずご自身の責任において行ってください。
取材・文=井口桂介(ハルメク編集部)、イラストレーション=日比野尚子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年12月号を再編集しています
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