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認知症に効果が!? 話題の「コグニサイズ」で体と頭を同時にエクササイズ

ハルメク365 / 2024年9月5日 17時0分

認知症に効果が!? 話題の「コグニサイズ」で体と頭を同時にエクササイズ

「コグニサイズ」という言葉を聞いたことはありますか?コグニサイズとは、認知症の発症や予防を目的に、国立研究開発法人「国立長寿医療研究センター」が開発した運動プログラムのことです。体と頭とを、同時にエクササイズします。

コグニサイズと脳トレの違いは?

コグニサイズで認知症予防

「脳トレと、何が違うの?」と疑問に思った人もいるでしょう。脳トレは頭だけ、体だけとどちらか一方に集中して行います。一方でコグニサイズは、頭を使う認知課題と、体を使う運動課題とを組み合わせて同時に行うのが特徴です。

「頭と体と、一緒に行うエクササイズなんて難しそう」と思った人も安心してください。コグニサイズの認知課題は、少し考えないといけないレベルが望ましいとされています。ですから間違えても構いません。間違えた後に考えたり、再度チャレンジすることこそが大切です。

なぜコグニサイズがいいの?

コグニサイズの目的は、運動課題で体の健康を促すと同時に、認知課題で脳を活発に動かす機会を増やし、認知症の発症を遅らせることです。

2012年に462万人と推計された認知症患者は、2025年には1.5倍の700万人を超える(※1)と言われています。認知症リスクを少しでも下げるためにも、運動は欠かせません。

何よりも体を動かすことは、気分転換やストレス解消にとても効果的です。心身ともに健康でいられれば生活の質が高まり、高齢になっても自立した生活をより長く続けられるでしょう。

コグニサイズの運動課題は、人によっては少し難しいと感じるかもしれません。しかし、それがチャレンジ精神を育みますし、適度なストレスは脳の成長を促すとも言われます(※2)。

MCI(認知機能は低下している一方、日常生活に支障が生じるほどの大幅な低下でない、認知症の一歩手前の状態)高齢者の認知機能が、コグニサイズを含む複合的運動プログラムによって、維持・向上の効果が認められたという報告もあります(※3)。

※1「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)を元に推計
※2「健康長寿ネット」(公益財団法人長寿科学振興財団ウェブサイト)内「コグニサイズ-認知症予防へ向けた運動-」より
※3国立長寿医療研究センター「コグニサイズ 認知症予防に向けた運動」パンフレットより

「運動」のレベル設定がカギ

運動レベルを設定

コグニサイズの運動レベルは、やる人にとって少し負荷のかかる程度がベストです。そのため運動するときは、目標心拍数をもとに、自分の心拍数が適正かどうかを確認しましょう。

自分の心拍数は、リラックスした状態で手首の動脈(親指側で拍動が感じられる部分)に反対の手の指を当て、1分間の脈拍を数えることでわかります。数える時間を10 秒にして、脈拍数を6 倍してもよいでしょう。

下記はあなたが目標にする心拍数の求め方です。さらに下の表から、運動強度によって適切な運動レベルかを確認しましょう。

■目標にする心拍数の求め方
<1>あなたの安静時の心拍数(10分間以上安静状態にした後の、1分間の脈拍数)
<2>あなたの最大心拍数(心拍数の上限値)=207-(年齢✕0.7)
<3>あなたの予備心拍数(最大心拍数から安静時心拍数を引いた値)=<2>-<1>
→目標にする心拍数=0.5(目標運動強度が50%の場合)×<3>+<1>

例えばあなたが65歳で、安静時の心拍数が60だとします。運動強度50%のトレーニングをしたときに、運動時脈拍数が111前後だと、目標通りの運動内容だということになります。

もし、運動時心拍数が表に記載された値以上だと、負荷がかかりすぎた運動を行った可能性があります。次の表を参考にして、正しく効果が高い運動ができるよう心がけましょう。

出典:国立長寿医療研究センター「コグニサイズ 認知症予防に向けた運動」パンフレット

コグニサイズのメニューに挑戦してみましょう

コグニサイズ

コグニサイズは、立ったままや座ったままで行えるものもあります。体に大きな負担のかからないメニューばかりですが、個人差がありますので無理をせず、ご自身のペースで行いましょう。

■コグニステップ(3の倍数で拍手!)
まず、両足で立ちます。そして数字を数えていきます。
「1」で右足を右横に出し、「2」で右足を元の位置に戻します。
「3」で左足を左横に出して拍手、「4」で左足を元に戻します

以上の行程が1セットです。3の倍数のときには、ステップと同時に拍手をします。

(アドバイス)

  • 10分間ほど繰り返してみましょう
  • 数字は声に出して数えます。3の倍数の時は声に出さないなどすると、認知課題の難易度も上がります。
  • 拍手をする数字を変えたり、拍手を別の動作に変えるなどアレンジしても良いでしょう。

■コグニラダー
コグニラダーとは、はしごのようなマス目が開いたひも状の「ラダー」を使ったコグニサイズです。ラダーがなければ、テープなどを床に貼り横約45cm、縦約65cmのマス目を作って行いましょう。

1マス内で4歩、足を動かします。
まず1歩目は、右足をマス目に入れます。
2歩目に左足を、右足の隣に置きます。
3歩目は右足を一足前に。4歩目は、左足をその隣に置きます。
そして5歩目で次のマス目に進み、同じように足を動かしていきます。

(アドバイス)

  • 慣れてきたら、3歩目と4歩目をマスの外に置いたりするなど、マスの内と外を使っていろいろなバージョンのステップに挑戦してみましょう。

■コグニウォーク
ウォーキングしながら、しりとりや計算などの課題を解いていきます。
歩く時は上半身を起こし、腹筋をしめながら手足をしっかり動かすようにして、通常よりも大股で歩くのがポイントです。3〜5人の、複数人グループで行うのをお勧めします。

(アドバイス)

  • 例えば計算の場合なら100から3の引き算、次に5の引き算と、順番または交互に行います。

■グループで行うコグニサイズ
高さ10cmほどのステップ台を5つ用意し、5人のグループを作ります。
全員で輪になってステップ台の昇降を繰り返しながら、時計回りにリズムよくしりとりを行います。

(アドバイス)

  • 途中で間違えたり、言葉が出てこなくてもステップを続けましょう。
  • 目安は15分ですが、無理をせず、慣れるにしたがって少しずつ時間を伸ばすのもいいでしょう。
  • 野菜の名前や、お住まいの県内にある市町村名を答えていくのもおもしろいでしょう。

コグニサイズは、必ずストレッチ運動をして体をほぐしてから始めましょう。持病のある人は、前もって主治医と相談しておくと安心です。

行っている途中でどこか痛いところが出たら、無理せず休憩しましょう。また水分補給など、熱中症や脱水症状を起こさないように気をつけながら行います。

コグニサイズはどこでできる?

コグニサイズはどこでできる?

お住まいの地域によっては、コグニサイズの教室を開催している自治体があります。また、コグニバイク(自転車のようなマシンをこぎながら、モニターで認知課題ができる)を設置している保健センターもあります。各自治体のホームページをチェックしたり、問い合わせてみましょう。

コグニサイズは、短時間でもいいので毎日継続して行うことが大切です。地域の人たちと楽しく取り組んで、体も心も元気な毎日を過ごしましょう。

(参考文献)
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業)<文中の数値は当研究を元にした推計資料より引用>
「健康長寿ネット」(公益財団法人長寿科学振興財団ウェブサイト)内「コグニサイズ-認知症予防へ向けた運動-」
「コグニサイズ 認知症予防に向けた運動」パンフレット 国立長寿医療研究センター

記事協力:Theoria technologies株式会社

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