認知症は人それぞれ。不安をなくすには?
ハルメク365 / 2024年9月20日 10時0分
「認知症」や「アルツハイマー」という言葉は、今や耳慣れたものになりました。ところで皆さんは、9月の「世界アルツハイマー月間」や「世界アルツハイマーデー」をご存じでしょうか。これは認知症へのより深い理解を促す、世界的なイベントです。
ご存じですか?「世界アルツハイマー月間」
毎年9月21日の「世界アルツハイマーデー」は、1994年に「国際アルツハイマー病協会(ADI)」と「世界保健機関(WHO)」が定めたもので、一般に広くアルツハイマー病を知ってもらい、認知症のご本人とそのご家族らに援助と希望をもたらすことを目的にしています。
また2012年からは9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、さまざまなイベントが開催されます。
日本でも政府や自治体を中心に、さまざまな取り組みが行われています。
日本も取り組んでいる認知症の啓もう活動
日本では2023年6月に成立した「認知症基本法」によって、世界アルツハイマーデーである9月21日を「認知症の日」に、また9月を「認知症月間」に定めています。認知症のご本人への偏見や差別をなくし、認知症のご本人とそのご家族が安心して暮らせる社会の実現のために、この期間は各地でリーフレットの配布や講演会などが開催されています。
また9月21日前後は、東京・霞が関にある厚生労働省をはじめ、内閣府や金融庁など関係省庁の建物の窓ガラスを使って、オレンジ色の輪が形作られます。
「オレンジリングドレスアップ」といい、認知症サポーターのシンボルであるオレンジ色のリングで、建物がドレスアップされるのです。さらに各地のお城やランドマーク、タワーなどもオレンジ色にライトアップされます。
なぜ啓もう活動が必要なの?
国内における65歳以上の認知症当事者の数は、増えつつあります。2012(平成24)年の時点で462万人と推計されていますが、2025(令和7)年には約700万人。つまり約5人に1人に達すると見込まれています。(※厚生労働省参考資料)
また65歳未満で認知症を発症する「若年性認知症」の当事者の数も、全国に4万人近くいると言われていて、今や認知症は身近な病といっていいでしょう。
認知症に対するイメージを調査したところ、4割の人が「認知症になると、身の回りのことができなくなり、介護施設に入ってサポートを利用することが必要になる」と答えています。
しかし、認知症は人によって進行度合いも症状も違い、多様性があります。例えば、認知症になってからも働く人もいれば、何年も自宅で暮らし続けている人もいます。長く活躍し生き生きと暮らすための取り組みが全国各地で広がってきています。(※参考資料「認知症の人の『はらたく』のススメ」)
このように認知症への正しい理解は、認知症のご本人やご家族、関わる人々の不安を取り除く第一歩になります。地域の人たちの理解が進めば、認知症当事者のご家族も、住み慣れた土地で安心して暮らせるでしょう。
認知症になっても安心な社会づくりのために
こうした取り組みへの参加は、認知症への不安や疑問を払拭する良い機会です。もし近くでイベントや講演会があれば、ぜひ足を運んでみましょう。認知症のご本人 やそのご家族の思い、また認知症のご本人への接し方など、意外に知らないことが多いものです。そうして知ったことをご家族で話し合ったり、またSNSへ投稿するなどして知り合いと情報をシェアをするのもお勧めです。
私たちが認知症を正しく理解すること。そして認知症になっても尊厳と希望を持って生き続けられるよう支えあうること。これらは認知症のご本人やそのご家族はもちろん、私たちも安心して暮らせる社会作りにつながります。
記事協力:Theoria technologies株式会社
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