内向型が強みを発揮するために…やってはいけない5つのNG習慣【内向型人間のトリセツ4】
ハルメク365 / 2024年10月31日 21時0分
内向型は苦手な場面に直面すると、自己肯定感が下がる傾向があります。特集第4回では、内向型カウンセラー井上ゆかりさんの著書『世界一やさしい内向型の教科書』から一部抜粋し、内向型の人が避けたいシチュエーションと、対策を紹介していきます。
静かな時間と同じくらい大事!避けるべきシチュエーションとは
ここまで、内向型とはどんな人のことを指すのかをお伝えしてきました。内向型は「静かな時間を求める人」。そして「静かな時間を取る」ことで、元気を回復します。
ただ、静かな時間を十分に取れるようになったとしても、苦手意識を感じて自己肯定感が下がるような場面が増えてしまっては、内向型を生かすのが難しくなってしまいます。
特集の最終回となる今回は、「内向型が避けたい5つの落とし穴」をお伝えします。
落とし穴1:余白なしスケジュール
タカス / PIXTA(ピクスタ)
お出掛けや人との約束など、予定があるほど刺激が増えて疲れてしまうので、予定を詰め込み過ぎないように気を付けましょう。休日の予定は1日1つ、多くても2つくらいがちょうどいいです。
予定と予定の間には十分な時間の余裕を取るようにしましょう。合間の時間で頭の中を整理することができますし、移動や準備に焦ることもなくなります。
ある程度時間にゆとりを持てるのは、予定外のことが起きると余裕がなくなる傾向がある内向型にとってうれしいポイントです。
もし、仕事などで余白なしスケジュールを余儀なくされる場合は、予定と予定の間の移動時間や数分の休憩時間でリフレッシュする方法をいくつか決めておくといいでしょう。
お気に入りの飲み物を飲む、深呼吸や軽いマッサージなどで体をゆるめるなど、場所を選ばずできることを用意しておくのがおすすめです。
また、連日予定が入っている状態にもストレスを感じやすいので、気が進まないお誘いは断るなど、できるだけ予定を厳選するよう工夫してみましょう。
落とし穴2:余白なしコミュニケーション
jessie / PIXTA(ピクスタ)
内向型は情報整理〈入力→処理→出力〉の一連の作業に時間がかかります。聞かれたことにとっさに答えたり、アドリブで対応したりするのが苦手なので、質問と回答の間、あるいは発言と発言の間に余白がないと、相手に十分に伝えることができません。
仕事や地域活動など複数人で一緒に物事を進める場面では、コミュニケーションに余白をつくれないか、「一度、整理して考えたいので、お時間いただいてもいいですか?」などと相手に相談してみましょう。
大切なのは、この後きちんと熟考した内容を伝えること。
「少し時間はかかるけれど頼んだことを期待以上にやってくれる」「タイムラグはあるけれど必ず自分の意見を伝えてくれる」といった、ポジティブな評価が得られれば「考えていないわけではなく、考える時間が必要なだけなんだ」と周囲に理解してもらいやすくなります。
対面や電話でなくても問題なさそうなときは、コミュニケーションに時差をつくれるメールやチャットでやりとりができないか、提案してみるのも一つの手です。
落とし穴3:自己犠牲からくる相手ファースト
kouta / PIXTA(ピクスタ)
内向型のうち、「慎重さ」を強みに持つ人は特に、相手の気持ちを優先し過ぎてしまう傾向があります。相手を気遣って尊重する姿勢は素敵なのですが、相手を優先するばかりに自分の気持ちを置いてきぼりにしていませんか?
相手を大切にすることと、自分を粗末に扱うことは違います。相手と自分を天秤にかけて「私はいいから」と自分を犠牲にするのがクセになると「私が我慢すればいい」「常に相手を優先しなければ」という偏った価値観が育ってしまうことがあります。
相手の気持ちも尊重しながら、 自分の気持ちにも寄り添ってあげましょう。まずは友達とのちょっとした会話の中で挑戦してみてください。
例えば「ランチ何にする?」と聞かれたとき、今までだったら「なんでもいいよ。あなたが食べたいもので」と相手にゆだねていたかもしれません。ですが、「私はパスタが食べたい気分だけど、あなたはどう?」など、自分の要望も伝えるようにしてみましょう。
落とし穴4:「静かな時間」にネガティブループにハマる
ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA(ピクスタ)
疲れているときやうまくいかないことがあったときは、思考のスイッチがネガティブモードに入りやすいもの。そんなときは、自分をケアするための「ひとりで考える時間」(第2回参照)に、ネガティブ思考の沼にハマって自分を傷つけてしまう可能性があります。
「私は今、ネガティブモードかもしれない」と感じたら、意識して「自分を癒やす時間」(第2回参照)を取りましょう。内省しない時間で、頭を休ませてあげるのです。
別のことに集中して「悩む余裕がない状態」を意図的につくるのもおすすめです。得意なこと、慣れていることだと考える余裕ができてしまうので、あまり経験がないことや、ほどよい緊張のあること、自分が没頭できるものを選ぶのがポイントです。
例
- 本棚や食器棚などを整理整頓する
- 筆ペンで文字を書く練習をする
- ダンス動画などで体を動かす
- ファンタジー映画を見る
自分だけで解決しようとせず、人の力を借りるのもいいでしょう。
自分の思考を客観視するには、他人の視点や誰かからの問いかけが大きな助けになります。一人でいいので、友人・恋人・家族など悩みを打ち明けられる人や、ぼやきを聞いてくれる人に、ゆっくり時間をかけながら話をしてみましょう。
身近にそういう人がいない場合は、オンライン通話やメッセージで話を聞いてくれるサービスを利用してみるのも一つの手です。
落とし穴5:情報収集ばかりで行動できなくなる
Ran&Ran / PIXTA(ピクスタ)
内向型の特徴として、学ぶことを好む傾向があります。
しかし、いつまでも学び続けて次のアクションに進まないままだと、フットワークが重くなり、「何かをしたい」「変わりたい」と思っても動き出しにくくなってしまいます。
また、知識を増やすだけで満足して、自分事に落とし込まないでいると、せっかくの学びを生かせません。
学びは本来、「自分の人生をよりよくしたい」「自分や他人を理解したい」「仕事に役立てたい」といった目的を叶えるための手段の一つです。
そのことを忘れないためにも、学び始める前に「私は何を知りたくてこれを読むのか?」「これを学んで何がしたいのか?」と自分に問いかけて、「学ぶ目的」を明らかにしておきましょう。
学んだ後には「学びを生かすためのファーストステップは、何をする?」と自問して、次にやることをメモしたり、スケジュールに入れたりして、学んだ知識を栄養として吸収するのです。それが、学びを生かして進む活力になります。
「時間の余白」が、内向型を生かすキーワード。余裕のないときは、落とし穴にハマっていないか確認しましょう!
もっと読みたい■内向型を知る1「2人に1人?あなたの「内向型度」をセルフチェック」
内向型を知る2「内向型さんと同じ?繊細さん(HSP)の特徴」
内向型を知る3「人疲れしやすい内向型が「静かな時間を求める」理由」
内向型を知る4「内向型が避けたい5つの落とし穴とその対策」
いのうえ・ゆかり 内向型カウンセラー。自身が20年間コンプレックスを感じていた内向性を受け入れられるようになった経験と独自の分析力をもとに、2018年からSNSなどで「内向型を直さず活かす生き方」を発信。これまでに内向型コミュニティの主宰や講演、カウンセリングセッションなどを行う。
監修:本橋へいすけさんもとはし・へいすけ ライフコーチ。Mindset Coaching School 卒業。個人、法人、延べ3000 人以上を対象に認知科学をベースにした講座やコーチングを行う。本書では、脳と心のしくみの解説部分において監修を担当する。
※本記事は『世界一やさしい内向型の教科書 「静かな人」の悩みがちな気質を直さず活かす3ステップ(世界文化社刊)』より一部抜粋して構成しています。
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