膣の締まりが悪いと感じたら?【医師監修】腟圧低下をセルフチェック!原因や膣トレ方法も紹介
ハルメク365 / 2024年12月2日 20時30分
「以前よりも膣の締まりが悪い気がする」「これって膣圧が低下しているの?」とお悩みの女性は要チェック!膣圧とは何なのか、低下する原因や生じる可能性のあるデメリット、セルフチェックを紹介します。膣圧を改善する膣トレ方法やサポートグッズも!
膣圧とは
kei.channel/PIXTA
膣圧とは、膣内にかかる圧力のこと。いわゆる「膣のしまり」のことを指し、膣圧が低いと「膣がゆるい」膣圧が高いと「膣がきつい」と表現されます。
膣圧が正常かどうかは目に見えるものではないため、「自分の膣はゆるいのか」「人と比べるとどうなのだろう」と、誰にも相談することなく漠然と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
膣内の形状によっては、もともと膣圧が低い場合もありますが、膣がゆるくなったと感じる場合は「骨盤底筋のゆるみ」や「膣粘膜の衰え」によって膣圧が低下している可能性があります。
骨盤底筋とは、骨盤の底にあり膣や膀胱、直腸などを支える役割を担う重要な筋肉や靭帯の総称です。
桜 マチ/PIXTA
排尿や排便をコントロールしたり、筋肉の収縮によって膣内に圧力をかけたりする役割も担っています。
つまり、骨盤底筋が強ければ膣圧が高く、弱っていると膣圧が低くなるといえます。
膣圧が低下する原因
kei.channel/PIXTA
膣のお悩みで特に多いのが、膣圧の低下による膣のゆるみです。年齢を重ねた女性や出産経験のある女性は、膣のゆるみを感じることがあるでしょう。
ではなぜ膣圧が低下するのか、原因について解説します。
加齢加齢による筋力の低下は、膣圧が低下する大きな原因です。
年齢を重ねると、お腹や背中、脚などの筋肉が衰えやすいのと同じように、骨盤底筋も衰えていきます。すると膣や尿道を締める力も低下して、膣圧が低下したり頻尿や尿漏れが起きたりする原因になります。
また、一般的に45〜55歳頃に訪れる更年期による「女性ホルモンの減少」も、膣圧が低下する原因の一つです。
女性ホルモンの分泌量が減少するにつれて膣内の粘膜のコラーゲンが減少し、弾力や潤いが減っていくと、膣内が乾燥して硬くなり、それに伴って膣圧も低下します。
妊娠・出産妊娠や出産による骨盤底筋のダメージも、膣圧が低下する原因です。
通常、子宮は骨盤底筋に包み込むように支えられていますが、妊娠して胎児が成長するとともに、胎児の重みも支えることになるため、骨盤底筋が引き伸ばされて弱ってしまいます。
また、膣は出産時に胎児が通る産道となり、膣内が大きく広がります。産後は元の状態に戻ろうとするものの、完全に元通りになることはありません。
運動不足年齢に関係なく、運動不足になると筋力は低下します。
適度な運動は、骨盤底筋の機能維持にも欠かせません。骨盤底筋は日常生活ではあまり意識することもなく使う機会も少ないため、日頃から積極的に鍛えておくことが大切です。
ただし、インナーマッスルである骨盤底筋は、トレーニングを始めてすぐに実感できるものではありません。適切な骨盤底筋トレーニングを行えば、年齢を重ねても膣圧を高められますが、最低でも2〜3か月程度は継続して取り組む必要があります。
悪い姿勢姿勢が悪く背中が丸まっている人も、骨盤底筋の衰えによって膣圧が低下する可能性があります。
これは、背中が丸まっていることで上半身の臓器を背骨や筋肉で支えきれなくなり、骨盤まわりの臓器に負荷がかかることで、結果的に骨盤底筋への負担も大きくなるからです。
街を歩いているときにふとガラスに映った自分の姿を見て、姿勢が悪いなと思ったことがある人や、日常生活で同じ姿勢のままでいることが多い人は、特に注意しなければいけません。
背筋を伸ばしたときに足首と両ひざが付けられない場合は、骨盤底筋の筋力が低下している可能性があります。気になる人はぜひやってみてください。
肥満肥満の人は、下腹部についた脂肪によって骨盤底筋に常に圧力がかかり続けています。
すると、骨盤底筋が引き伸ばされた状態が継続することになり、筋肉がダメージを受けて膣圧が低下する可能性があるため注意が必要です。
便秘便秘の人は排便時にいきむことが多く、排便のたびに骨盤底筋に負担がかかるため、骨盤底筋がゆるんで膣圧が低下する可能性があります。
便秘と同じく腹圧がかかりやすいとされるくしゃみや咳、重いものを持ち上げるなど、日常生活の中で行いがちな動作も、腹圧がかかって骨盤底筋がゆるみ、膣圧の低下につながります。
膣圧の低下によるデメリット
さしみ/PIXTA
膣圧が低下すると、女性のQOLに関わるさまざまなデメリットが生じる可能性があります。
ここでは、膣圧の低下によるデメリットを5つ紹介します。
お湯漏れが起こるお湯漏れとは、湯船に入ったときにお湯が膣内に流れ込み、湯船から上がるとお湯が膣から勝手に流れ出てしまう現象です。
通常であれば、膣が締まることで膣内にお湯が入るのを防げますが、膣圧が低下しているとお湯が入り込みやすくなってしまいます。
湯船から立ち上がったときにお湯が流れ出てしまうため、旅行中や銭湯などで人とお風呂に入ったときに恥ずかしい思いをしたり、入浴後に着た衣類を濡らしてしまったりすることもあるでしょう。
頻尿や尿漏れなどの排尿障害のリスクが上昇する頻尿や尿漏れなどの排尿障害は、女性のQOL低下につながる大きな問題です。
腟壁がゆるんだ状態、膣圧が低下した状態になると、尿道や膀胱を支える力が弱まって頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。
女性はもともと男性と比べて尿道が短いのが特徴です。骨盤底筋や尿道を締める尿道括約筋が女性ホルモンの影響でゆるみやすいだけでなく、妊娠や出産で骨盤底筋がダメージを受けてゆるんでしまうこともあります。
骨盤臓器脱のリスクが上昇する「骨盤臓器脱」とは、何らかの原因によって子宮や膀胱、直腸などの臓器が骨盤の中から膣に下がり、膣から体外へ脱出してしまう病気です。
進行すると、股の間に何かがはさまっているような状態になり、さらに進行すると脱出した膣が下着と擦れて出血したり歩行が困難になったりなど、QOLに大きな影響を及ぼします。
骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋の筋力が低下すると、起こりやすい病気です。
特に骨盤底筋の筋力が低下し始める更年期世代からは、骨盤臓器脱のリスクが高まるとされていますが、慢性的な咳や便秘の人、重いものを持つ機会が多い人や肥満ぎみの人は更年期以前でも注意が必要です。
性交時の満足度が低下する膣圧が低下するということは、膣の締まりが悪くなるということです。膣の締まりが悪いと性交時に感じる刺激が弱くなってしまい、以前よりも満足度が低下する原因となります。
パートナーにとっても、物足りなさを感じる原因になる可能性もあるでしょう。
GSMにかかりやすくなる「GSM」とは、「閉経関連泌尿生殖器症候群」とも呼ばれる比較的新しい婦人科疾患の概念で、閉経によって起こる女性の膣や外陰部の萎縮に伴う皮膚や粘膜の乾燥や、その結果起こるさまざまな不快な症状の総称です。
女性ホルモンが閉経に伴って急激に減少することで引き起こされます。
膣が乾燥して萎縮し、かゆみやヒリヒリした痛み、性交痛や性交時の出血、頻尿や夜間頻尿、尿漏れなどが起こりやすくなるなどの症状が現れます。
萎縮性膣炎や膀胱炎も繰り返しやすくなるなど、細菌の繁殖による病気にもかかりやすくなるため、気になる症状があるときは早めに婦人科や泌尿器科を受診しましょう。
膣圧低下セルフチェック
Ushico/PIXTA
膣圧が低下しているかどうかは自分ではわかりにくいものです。以下の症状がある場合は注意しましょう。
◻️ お風呂やプールから上がったときに膣から水が出てくることがある
◻️性交時に膣に空気が入ることがある
◻️膣からおならのような音(ちなら)が出ることがある
◻️性交時に密着感を得にくくなった
◻️性交時に膣を締める感覚がわからなくなった
◻️性交時にパートナーのコンドームが外れた、もしくは外れそうになった
◻️おしっこを途中で止められなくなった
なお、医療機関で行える膣圧測定器による検査ほど正確ではありませんが、具体的に膣圧が低下しているか知りたい場合は、以下のように自分の指を使って簡易的に測定することもできます。
- 中指と人差し指を第二関節まで膣内に入れる
- 指を45度くらいに開いて膣に力を入れる
指に力を入れない状態で閉じるようであれば、膣圧は平均的です。指に力を入れた状態でも閉じるようであれば膣圧は高いといえます。
しかし膣に力を入れたときに収縮するのは感じられても指は閉じない場合や、収縮しているかすらわからない場合は、膣圧が低下しているといえるでしょう。
膣圧は自宅での膣トレで改善できる可能性がある
出典:骨盤底筋を鍛えるコツも!自宅でできる骨盤底筋体操
膣圧は自宅での「膣トレ」で改善できる可能性があります。
膣トレとは、膣圧が低下する主な原因である骨盤底筋を鍛えるトレーニングのこと。医療機関でも指導が行われている「骨盤底筋体操」が一般的です。
膣の収縮や締め付けの改善だけでなく、ヒップアップ効果も期待できるため、日常生活に積極的に取り入れることをおすすめします。
骨盤底筋体操にはさまざまなやり方がありますが、今回は骨盤底筋が開放されやすい四つん這いで行うやり方を紹介します。
以下は、骨盤底筋体操のやり方です。
- 手を床について四つん這いの姿勢になる。このとき、骨盤底筋が開放されてお尻が開き気味になる。
- おへそを引き上げるように、尿道から膣、肛門の順番に締めていくような感じで徐々に力を入れ、一番力を入れたところでゆっくり5つ数える。
- 1日を通して、ここまでの動きをトータルで5〜10セットくらい行うのがおすすめ。
四つん這いの姿勢になると、お尻に力が入りにくくなるため、尿道と膣、肛門が締めやすくなります。
上記の体操以外にも、外出や散歩のときに大股で歩くと、骨盤底筋のストレッチや弾力を取り戻すサポートになります。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
50代デリケートゾーンのかゆみ・たるみ、ちょい漏れに。症状をケアする正しい方法とは?
ハルメク365 / 2024年12月2日 20時30分
-
【デリケートゾーンのたるみ・ゆるみ】の原因4つ!改善するには?簡単なトレーニングも紹介!
ハルメク365 / 2024年11月30日 11時30分
-
【膣の老化度チェック】出産経験0でも尿漏れする原因は?
ハルメク365 / 2024年11月29日 11時50分
-
【トイレの回数】私って多い?一般的な排尿の回数は?頻尿になる原因、正常に戻すための対策3つ
ハルメク365 / 2024年11月19日 20時50分
-
更年期以降に急増する【尿漏れ・頻尿】を自分で治す!骨盤底ケア習慣とは【医師解説】
ハルメク365 / 2024年11月14日 22時50分
ランキング
-
1「ハンカチで拭く」はNG!眼鏡の寿命を縮めるダメなお手入れ法と長持ちさせるコツ
ハルメク365 / 2024年12月2日 10時0分
-
2「殺さないで」クマ殺処分の秋田市などに抗議の電話殺到 獣医師立ち合いで麻酔後に電気殺
産経ニュース / 2024年12月2日 19時1分
-
3若い女性店員にばかり質問してくる“高齢の男性客”。「結局買わないんですよ」と悩む店側の対応が斬新すぎた
日刊SPA! / 2024年12月2日 8時52分
-
4緊急性低い救急搬送には「特別料金」、茨城県が徴収開始…「微熱のみ」「擦り傷」など医師が判断
読売新聞 / 2024年12月2日 15時0分
-
5スシローが急拡大「デジタル回転レーン」の"凄さ" 消費者にも歓迎されるDX化の好例になっている
東洋経済オンライン / 2024年12月2日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください