50代デリケートゾーンのかゆみ・たるみ、ちょい漏れに。症状をケアする正しい方法とは?
ハルメク365 / 2024年12月2日 20時30分
デリケートゾーンケアは50代から始めても遅くありません。年齢を重ねると、ホルモンバランスの変化によるトラブルに見舞われがち。気になっていても誰かに相談できず、どうケアしたらよいのか悩んでいる人、おすすめケアアイテムが知りたい人は必見です!
50代前後からデリケートゾーンに起こる変化とは
星野スウ/PIXTA
年齢を重ねるにつれて気になり始めるのが、デリケートゾーンに起こる変化です。以前は起こらなかったトラブルが気になるようになり、人知れず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
デリケートゾーンとは、女性器そのものとその周辺のことを指す言葉です。ひと昔前までケアする人は少なかったですが、近年ではセルフケアを行う人が増えています。
そんなデリケートゾーンの変化を実感し始めるのが、50代前後の更年期世代。肌や髪、筋力などさまざまな部分が若い頃と変わってくるように、デリケートゾーンにも変化が起こります。
50代前後の女性のデリケートゾーンに変化が起こるのは、ホルモンバランスが急激に減少するからです。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、それぞれに女性の体の健康や美しさを保つ重要な役割を担っています。
koti/PIXTA
特にエストロゲンには女性らしい体づくりや自律神経の安定、肌の健康維持など女性の体に関わる働きがあるため、40歳を過ぎてエストロゲンが急激に減少すると体の見える部分だけでなく、精神面やデリケートゾーンまでさまざまな症状が現れます。
50代前後のデリケートゾーンに起こりやすい症状
しろみず/PIXTA
デリケートゾーンに変化が起こる50代前後は、いわゆる「更年期」と呼ばれる時期。
人によって年齢や期間、症状に違いはありますが、閉経を迎える前後10年、一般的には45〜55歳頃であることが多いです。
この更年期には、女性ホルモンの減少によってデリケートゾーンにもさまざまな症状が現れます。
ここでは、50歳前後のデリケートゾーンに起こりやすい症状について詳しく紹介します。
乾燥50代前後になると、女性ホルモン・エストロゲンが急激に減少し、コラーゲンやヒアルロン酸も減少して肌の潤いが不足しがちになります。
それに伴ってデリケートゾーンの皮膚や膣内の粘膜の潤いも不足するため、外陰部や膣が乾燥しやすくなります。
更年期以前まではデリケートゾーンのムレが気になっていた人でも、乾燥していると感じるほど、50代前後の女性にとって身近な変化です。
乾燥によって細菌が繁殖してニオイも出やすく、汗で蒸れるとさらに独特のニオイが生じることもあります。
かゆみやひりつきエストロゲンの急激な減少により、デリケートゾーンの乾燥が進むと、膣内の潤いが失われるとともに自浄作用も低下します。
自浄作用とは、膣内を常にpH4前後の酸性に保ち、外部からの雑菌の侵入や繁殖を防ぐ作用のことです。
女性ホルモンのバランスが崩れると、自浄作用が低下してかゆみやひりつきが生じたり、炎症が起こったりすることがあります。
頻尿・尿漏れ50代前後の女性のデリケートゾーンに関するお悩みで多いのが、頻尿や尿漏れの症状です。
年齢を重ねて女性ホルモン・エストロゲンが減少すると、膀胱を支えている「骨盤底筋」が弱まり、尿道がゆるむことで頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。
骨盤底筋とは、膣や子宮、膀胱などを正しい位置に保持し、排尿や排便をコントロールする役割を担っている筋肉と靭帯の総称です。ハンモックのように臓器を下から支えているため、骨盤底筋がゆるむと排泄が正常に行われなくなってしまいます。
かぶれデリケートゾーンが乾燥して肌のバリア機能が弱まると、これまではなんともなかったような刺激にも敏感に反応して、肌がかぶれてしまうことがあります。
例えば、デリケートゾーンに使っているソープが合わない、おりものシートや尿漏れパッドを常につけている、下着の締め付けやカミソリでのムダ毛の処理などで肌がかぶれてしまうこともあるでしょう。
50代前後になると尿漏れパッドを付ける人も増えてきますが、通気性が悪くデリケートゾーンが擦れてしまい、かぶれがひどくなってしまうこともあるため注意が必要です。
たるみデリケートゾーンのたるみも、50代前後の女性に起こりやすいトラブルの一つです。
年齢を重ねると顔や体の皮膚にシワができたりたるんだりしますが、外陰部にも同じようにたるみが現れることがあります。
大陰唇(※1)や小陰唇(※2)がたるむと、左右さが生じたりシワができたりして見た目にもわかりやすく年齢を感じやすいため、気にする人が多いです。
また、下着や陰毛との摩擦が長期間起こることでメラニン色素が増えて黒ずみが発生し、悩んでいる人もいます。
(※1)太ももの付け根と小陰唇の間にあり、脂肪が豊富で尿道口や膣の内部を保護している部分
(※2)尿道や膣口付近にあるヒダでいわゆるびらびらと呼ばれる部分
膣のゆるみ膣のゆるみも、50代前後の女性のデリケートゾーンに起こりやすい症状の一つです。
お風呂やプールなどに入って上がった後に膣内に入った水が漏れてしまう場合や、性交時の快感が得にくくなった場合などは、膣にゆるみが生じている可能性があります。
膣のゆるみが生じる主な原因は、「骨盤底筋」の衰えです。加齢や出産、運動不足、女性ホルモンの減少によって骨盤底筋が衰えると、膣を締める力が弱まってゆるみにつながります。
性交痛性交痛とは、性交時に痛みを感じたり出血したりする症状のことです。膣の粘膜が弱まって分泌物が減少することで起こります。
50代前後になると、女性ホルモンの分泌量が減少して膣内の潤いが不足するため、性交時に十分な潤滑液が分泌されにくくなります。
痛みを我慢して性交を続けると、出血したり傷口から感染したりする可能性があるだけでなく、「痛いかも」「また濡れないかも」などと不安に思うことで、さらに潤滑液が不足して痛みが増すという悪循環に陥ることもあるでしょう。
50代前後からはデリケートゾーンの正しいケアが重要
ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA
女性のデリケートゾーンをケアすることを「フェムケア」といいます。フェムケアはデリケートゾーンのトラブルで悩む女性の心身の健康をサポートするものです。
女性ホルモンが急激に減少し、体にさまざまな変化が現れる50代前後の女性ですが、積極的にケアしたことがない人も多いかもしれません。
50代前後の女性は、デリケートゾーンにトラブルが起こりやすいため、日常的に正しいケアを行いましょう。
ここでは、50代前後の女性が習慣にすべき正しいデリケートゾーンのケア方法について紹介します。 50代と同じくデリケートゾーンに不快感を覚えやすい60代の女性にもおすすめです。
丁寧に洗う体を洗うボディーソープでそのままデリケートゾーンを洗う人も多いですが、洗浄成分が合わないと逆にかゆみやニオイなどのトラブルを悪化させる可能性があります。
しかしデリケートゾーン用のソープで丁寧に洗えば、膣の自浄作用を弱めることなく、清潔を保つことにつながります。
洗うときは、しゃがんでデリケートゾーンをぬるま湯で濡らし、十分に泡立てたソープを手に取って前から後ろに向かって洗いましょう。
ヒダの部分は汚れがたまりやすいため、特に丁寧に洗うことを心がけます。
ただし、トラブルの原因にならないよう、擦らずやさしくなでるように洗い、しっかりと洗い流すようにしてください。
たっぷり保湿するデリケートゾーンが乾燥しやすい50代前後の女性は、せっかくきれいに洗っても、乾燥したままにしてしまうとかゆみや炎症の原因となることもあるため、保湿が特に重要です。
ソープと同じく、デリケートゾーン用のオイルやクリームを使い、洗浄後はしっかりと保湿しましょう。
保湿する際、膣まわりのマッサージを同時に行えば、血行が促進されてホルモンバランスが整う効果も期待できます。
骨盤底筋を鍛える参照:骨盤底筋トレーニングで尿漏れ・ぽっこりお腹を改善!
デリケートゾーンの直接触れられる部分をケアするだけでなく、膣や子宮、尿道などを支える骨盤底筋を鍛えることも、50代前後の女性の体にとって大切です。
特に頻尿や尿漏れなどの排尿に関するお悩みがある場合は、骨盤底筋トレーニングで骨盤底筋を積極的に鍛えましょう。
やり方は簡単です。仰向けに寝ながら行えるため、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。
- 仰向けに横になり、足を肩幅に開いて両ひざを軽く曲げて立てる
- 息を吐きながら膣・尿道・肛門全体を引き上げる感じで5〜10秒ほど締める
- 力を抜いて体をリラックスさせる
- ここまでを10回1セットとして、1日3〜5セットほど行う
横になって足とひざをセットしたら、体をリラックスさせるのがポイントです。
骨盤底筋トレーニングは、仰向けに寝た状態や立ったまま、座ったまま、四つん這いなどさまざまな体勢で行えるため、自分がやりやすい方法を見つけてまずは5秒から、徐々に回数や時間を増やしていきましょう。
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