「夫の困ったクセどうしたら?」人生相談:風呂に入らず居間で寝る夫…だらしなさを改善させるには?
ハルメク365 / 2024年11月29日 18時0分
「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が回答するQ&A連載。今回は57歳女性の「だらしない夫との付き合い方に悩む」という相談に、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。
57歳女性「だらしない夫とどう付き合うか」というお悩み
夫は普段、入浴せずに居間で寝るクセがあります。
仕事がある日だけは、朝にシャワーを浴びているのですが、不衛生なので毎晩ちゃんと入浴して、ちゃんと寝床で寝てほしいです。
掃除や片付けを全然しないところにも困っています。ちょっとしたゴミも捨てないし、年に一度の大掃除さえ手伝ってくれません。
どれもこれも何度か口で伝えてはいるものの、頑固な性格なので一度「こう!」と言い出したら聞きません。
そもそも私の話に聞く耳を持たないし、なんとか約束をとりつけても守ってくれません……。
こんな夫と今後どう付き合って行けばいいのでしょうか?
(なおcさん・57歳)
岡野さんの回答:だらしない行動をとる原因を考えてみて
Jake Images / PIXTA
だらしない夫というものは、好きで一緒になった人でも、他にいいところがあっても嫌なものです。
57歳のなおcさんは結婚してからずっと、この夫のだらしなさに悩まされていたのでしょうか。それとも最初はちゃんとしていた時代があったのでしょうか。
もし最初からだらしない夫であったら、ここまで夫婦関係を保ってきたなおcさんは我慢強い性格だと思います。
いくら言っても夫が変わらないのは、 毎回同じ内容の妻の言葉に慣れきってしまい、甘えているから。もしくは、だらしない生活を続けることで何かのアピールをしているのかもしれません。
本来、長い夫婦生活では妻の言葉に迎合して、悪習も少しは改善するものです。頑として夫が変わらないのは、(1)頑固で自分の意志を曲げない性格のせい、(2)あなたに何らかの気付きを求めている、といった理由があるのではないかと思います。
心理学に「フロイトの原因論」と「アドラーの目的論」というものがあります。
フロイトの原因論とは「過去の出来事が、現在の状況を作っている」という考え方で、アドラーの目的論は「人は何かの目的があって、今の状況を作り出している」と考えます。
これらに当てはめて考えてみましょう。夫のだらしなさはフロイトの原因論、すなわち過去から原因を探る方法で直るものではなさそうです。だけどアドラーの目的論なら、「夫がだらしない行動をとる目的」を理解すれば解決できるかもしれません。
では、夫がだらしない行動をとる目的および、原因を考えてみましょう。
まず挙げられるのは忙しさ。仕事が忙し過ぎると、家に着いた途端に動けなくなる人がいます。また、帰宅後に何もしないことで、自分の均衡を保つ人もいます。なおcさんの夫は、そのような状態なのかもしれません。
なおcさんの言葉の中に、「仕事のときだけは朝にシャワーを浴びていく」とあるので、仕事のことは重要視していると思われます。
ただ、自宅でのだらしない様子を聞くと、仕事がうまくいっているとは思えません。仕事のときだけシャキッとしていても、心身が充実できていなければ、いつまでもごまかしは通用しませんから。
なおcさんの夫が自分でそのことに気付ければ、この怠惰な生活から脱出できると思います。ただ、きっかけがないのかもしれません。
もし、だらしなくなったのがここ最近のことなら、定年後のことを考えたり、人生に対して希望がなくなったことを表すための行動かもしれません。
原因の解消に寄り添い、夫自身が変わるきっかけを作る
mits / PIXTA
なおcさんがこれまで通り、夫に「このだらしなさを何とかしてくれ」と言っても、たぶん改善しないでしょう。
その理由は、片付けたり、だらしない生活から脱出したりする意欲を持つ前に、なおさんが「こうして欲しい」と伝えることを諦めて、代わりに片付けてくれたり、だらしなさを黙認してくれているからです。
この状況を作ることも、夫の目的の一つかもしれません。
何かのきっかけを夫にもたらさない限り、今の状況は変わらないと思います。
また、「会社で仕事ぶりを評価されていない」というストレスが、この結果を生み出している可能性もあります。
もし当てはまるようであれば、家族みんなで夫にねぎらいの言葉をかけることを習慣化しましょう。夫が何十年もがんばってきた仕事の評価に値する、感謝の言葉を贈るのもいいと思います。
そうすれば張り合いが出て最後の意欲が湧き、生活も改善してくるのではないでしょうか。
物事の全てに原因と結果があります。
通りいっぺんの判断で結果だけを指摘し、直してもらおうとするのでは改善にいたりません。もっと奥深い原因を究明をし、脱出のきっかけ作りを考えると、みるみる改善することがあります。
意外なところに原因があることの例で、『風が吹けば桶屋が儲かる』ということわざがあります。
風が吹くと土ぼこりがたって目に入り、盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶ、ということだそうです。
この例えのように、なおcさんの夫のだらしなさは、意外なことが原因かもしれません。
せっかく縁あってここまで歩んできた夫婦。これからもいろいろなことを、わかり合えるといいですね。
回答者プロフィール:岡野あつこさんおかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。34年間で4万件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)がある。
・離婚相談救急隊運営
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