50代からの新習慣!賢者2人に学ぶ理想の健康法とは
HALMEK up / 2024年12月13日 21時0分
88歳の現役医師・帯津良一先生と、禅の高僧・横田南嶺管長。その道の賢者は、実は健康賢者でもありました。お二人の共著『心とからだを磨く生き方』から、心身ともに長く健康でいるために実践している健康法を3回に分けて紹介します。
2人の賢者が考える、理想の「呼吸法」
ゆこゆこ / PIXTA
「心身の元気を保つ秘訣は『呼吸法』である」と、88歳の現役医師・帯津良一先生と、禅の高僧・横田南嶺管長は語ります。
30代の頃から呼吸法を実践してきたという帯津先生。ただし、帯津先生は「呼吸法は一つの手段である」とも言います。
「私が長年実践してきた“調和道丹田呼吸”ですと、三呼一吸法でハー、ハー、ハーと息を吐き、スーと一度吸います。これはあくまで一つの方法であり、身についたら別段それを意識しなくても、ちゃんと呼吸が整っていくのが理想ではないかと思うのです」(帯津先生)
polkadot / PIXTA
横田管長も同じくいろいろな呼吸法を長年実践してきたそう。その上で「こだわり過ぎも良くない」と話します。
「例えば、人によっては『何分間、息を吐かないといけないのかな』と一生懸命になり過ぎて、苦しくてしようがないと。何も苦しくなるまでやらなくてもいいんじゃないかと思います(笑)」(横田管長)
お二人とも、呼吸法は一つの手段であるため、いろいろなこだわりを捨てて「体が本来持っている呼吸が素晴らしいというところまで行くのが理想」だと話します。
吐く息に気持ちを込めれば、体が整う
kei.channel / PIXTA
帯津先生いわく、気功の一種である呼吸法は「調身・調息・調心」が基本になっているとのこと。
「調身」「調身」は身を整えること。上半身の力が抜けて下半身に気が張っている「上虚下実」(じょうきょかじつ)の状態を目指すもの。
「調息」「調息」は吐く息に気持ちを込め、体の中で増えようとしているエントロピー(吐く息、汗、涙、大便小便などの不要なもの)を外に捨てること。
「調心」「調心」は「不動智」(ふどうち)、すなわちどんな誘惑にも負けない心。一か所に固まっているのではなく、四方八方にゆらゆらと動きながらも、何かあればさっとそこへ行く心のこと。
「調息の『エントロピーを外に出す』というのは、体の中の汚れたものを吐き出し、清らかなものを吸い込むことです。これは江戸時代に健康で長寿を保つ具体的な養生法が紹介されている貝原益軒(かいばらえきけん)の『養生訓』にも書かれています。
吐く息に気持ちを込めるだけで、体の中の秩序が失われずに済む。だから健康維持にも良いんです」(帯津先生)
体の中の汚れたものを吐き出すのが大事
Fast&Slow / PIXTA
賢者2人は、呼吸法においても「入れるより出す方が大事」と言います。
「人間、出すものを出せないほど苦しいことはありません。大便でも小便でもね。私は幸いそういう病気をしたことはありませんが、経験のある方は必ず言います。『出せないほど苦しいことはない』と。出せることは幸せなのです。呼吸も同じ。出せば、自ずときれいな息が入ってきますから」(横田管長)
「生きていく中で体の中に溜まった不要なものは吐く息や大便、小便、汗、涙などで体外に捨てて行くのだけれど、のべつまくなしに汗をかいたり大小便を出したりすることはできません。でも呼吸なら何回でも繰り返せます。そういう意味でも、呼吸法には大きな意味があると思っているんです」(帯津先生)
次回は、お二人が実践している健康法の一つ、柔らかい体と感性を取り戻す健康体操「真向法(まっこうほう)」のポイントとやり方を紹介していきます。
※本記事は、書籍『心とからだを磨く生き方』(インターブックス刊)より一部引用・抜粋して構成しています。
教えてくれたのは……
■帯津良一(おびつ・りょういち)
医師、帯津三敬病院 名誉院長
1936年埼玉県川越市生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。都立駒込病院外科医長などを経て、82年、埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長。著書に『帯津三敬病院「がん治療」最前線: からだとこころに優しい治療のすべて』(佼成出版社)など多数。
■横田南嶺(よこた・なんれい)
臨済宗円覚寺派 管長/花園大学 総長
1964年和歌山県生まれ。大学在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。91年より円覚寺僧堂で修行し、99年、円覚寺僧堂師家に就任。2010年、同管長に就任。17年、花園大学総長に就任。著書に『自分を創る禅の教え』『禅が教える人生の大道』(以上、致知出版社)などがある。
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