モデル梨花が語る。51歳の「今」だから得られた自信と、60代に向け目指す美しさ
HALMEK up / 2025年1月28日 11時0分
10代後半でファッションモデルとしてデビューをして以降、ずっと時代のアイコンとしてトレンドを牽引し続けている梨花さん。そんな彼女だからこそたどり着いた「私らしさ」の見つけ方、そしてこれからの「梨花」とは――。
「自分らしく」より「なりたい自分」を考えるとシンプルに楽しい
――梨花、51歳。22歳で初めて雑誌のカバーガールを務め、以来30年近くカバーガールを続けている稀有なモデルだ。
梨花さんが表紙を務めた雑誌の一部(「RINKA NO.22」 SDP出版より)
私にとってカバーガールは何年たっても夢の場所です。ここがあるから、私がいられるというか。なりたかったカバーガールに抜擢されたばかりの頃は達成感で満たされ、その後は自分なりのメッセージを発信しようともしてきました。
でも、続けていくうちに、自分との戦いになったんです。
長く表に出ていれば、見ている人たちが“梨花”に飽きてくるでしょう、でも何より、私自身が“梨花”に飽きないために。そして、自分がどうありたいかを問うために。私らしいって何だろう、って。
特に40代に入る前あたりから、ものすごく自分と向き合ってきました。はじめのうちは「私らしく」を考えようとすると、その言葉に気負ってしまって(笑)。本来の「自分らしさ」は、ありのままの自分を受け入れることでもあるのに、ありのままから離れて「私らしく」なくなっちゃって。
そうやって行きついたのが、「自分がどうなりたいか(ありたいか)」でした。「なりたい自分」を考えることは、具体的で楽しくてハッピーです。いろいろ考えこんでしまった時期から抜けて、今はシンプルになってきています。
年齢は噛みしめるもの。鏡の自分に自信が持てるようになります
――40代の頃の梨花さんは、50代を迎えることが怖かった、と振り返る。「おばさんになっちゃうのかな、やだな」と思ったことも。それが今、年齢は誇りだと言う。
「年齢なんて、ただの数字」と励ましのように使われることがあるけれど、私はキレイ事のように聞こえて好きじゃないんです。自分と向き合って長いこと考えてきた時間を経て、「年齢は生きてきた人生の証だから、噛みしめていきたい」と思うようになりました。
いいことも悪いこともいろいろあった一年一年を積み重ねて、51歳の今の私が出来上がっている。あのとき、がんばったなあ、あれはうれしかったなあ、悩んだなあ、泣いたなあ、そんな51年間を噛みしめると、自分の年齢は愛しくも誇らしくも思えます。
例えば、毎日鏡を見るとき。見たままを見てると、がっかり感じちゃうことがありませんか。でも、「51歳になったんだね」と年齢を噛みしめた上で見ると、51歳なりのいい顔になってるって、自信が持てます。
――ここからは、梨花さんが年齢を重ねながら、美しさも諦めない、その秘密に迫ります。
美に関しては微調整という名の抗い方と努力を
――「年齢」は噛みしめるもの、自分を誇らしく思える大事なもの、という梨花さん。一方で、年を重ねることで、顔やボディに年齢サインが出てくるのも事実。さあ、どうする?
美に関しては、少々抗います(笑)。年齢ゆえに出てきた変化は事実としていったん受け入れて、「さて、それで自分はどうありたい?」と考えるのが私は好き。
見た目に限ったことではありませんが、年齢を重ねたことで失ったものは多いかもしれませんけど、得るものだって少なからずありますよね。そちらにフォーカスすると感謝の気持ちが生まれて、肩の力が抜けて穏やかな気持ちになれます。
だから「抗う」も戦う感じではなくて、「なりたい自分」に向かってほどよく微調整していこう、というような感覚です。自分が気持ちいいか楽しいかが一つの指標なので、普段のお手入れに時間をかけますし、このシミはよろしくないな、と思えば、美容医療でシミ取りをします。
なんて言ってますが、実は私、しょっちゅう、くじけそうになってるんです(笑)。食べることが大好きだから、先日もちょっと太っちゃって。若い頃のようには、なかなか痩せないわけですよ。で、「この年齢なりのよさってことで、このままでも、もういいか~」と頭をよぎる。
そのときは、好きなあの洋服を着るならもうちょっと絞ってる方が似合うから、と気持ちを立て直しましたけど。以前のようにストイックにはできませんが、軽く体を動かしたり、食べるものをちょっと意識したり、フェイスパックの回数を増やしたり、鏡を見る回数も増やしたり、そんな努力をしています。
もし、「もういいか~」と揺れている女子がいたら、否定はしません。でも、「自分が本当にそれでいいんならね」と、圧をかけて言うかな、自分の経験から(笑)
年を重ねるほど「勝てないな」という味が出せる
40代の頃、私の理想像は「60歳でかっこよくデニムを着こなす凛とした女性」でした。今もそれは変わっていません。
ある海外のファッション誌で、20代から60代までの女性たちがトレンチコートを着て一堂に登場する写真を見たのだけど、60代の女性が圧巻だったんです。20代30代は言うに及ばず、40代50代でも出せない味が出ていて、「勝てないな」って。
それを見て、私、すごくうれしかったんですよね。年を重ねて出てくる味。“この年だからこそ得られたもの”って絶対にあるし、にじみ出るものなんだなあ、と。
トレンチコートの60代女性があんなふうにかっこよかったのは、自分がどうありたいかを知っている潔さと、センスの磨き方にあるんじゃないかな。生き方も、ファッションもメイクも、暮らしも。例えばトレンドを追ってあれこれ着るというよりは、自分がこれぞと決めたものを長く着て自分になじませていくようなこと。センスは有る無しではなくて磨けるものですしね。
――最近、梨花さんは、この先の生き方を考えていく上で、大きな変化が訪れた。それが、「死」を意識した残りの人生だと言う。
私はこれまで、10年先のことを想像しながら生きてきました。30代のときは、40歳になった自分を、40代では50歳になった自分を。今は50代なので、どうしたら、自分好みの楽しい生き方をする素敵な60歳になれているだろうかと、シミュレーションしながら生きてるんです。
それがね、最近、死というfinishから逆算して残りの人生を考えるようになってきまして。これまでは10年先の60歳までしか考えていなかったんだけれど、そこから先の生き方を考える、というフェーズに入ったんです。最後に濃厚に自分の記憶に残っているのは、死の10年から20年前のことなのじゃないか、と。
まだ新しい景色を噛みしめているところなので、うまく言葉にできないのですが、そうやって“finishの手前の人生”を思うことで、今の生き方も変わろうとしているのを感じています。例えば、以前はイライラしていたことも、引っかかるのはそこじゃないだろう、とわかったり。
「私は、残された時間をどう生きるの?」と思いめぐらすと、見ていたものの景色が変わって、大事なことのプライオリティが変わりました。とても心地よく、気持ちが軽くなっています。そんな自分がフレッシュで、楽しいですね。
取材・文=前田まき(HALMEK up編集部) 写真=岡本隆史 ヘア=西村浩一(VOW-VOW) メイク=菊地美香子(TRON management) 企画・構成=橘美波(HALMEK up編集部)
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