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新薬の開発が相次ぐ。認知症は治療できる病気か?

HALMEK up / 2025年2月7日 13時0分

新薬の開発が相次ぐ。認知症は治療できる病気か?

近年、医学の進歩は目覚ましいものがあり、以前は不治の病として恐れられていた病気も、徐々に治る病気に変わっています。では、認知症はどうでしょうか。

認知症は治療できる?

医療の研究はどんどん進んでいます。昔は「不治の病」と恐れられていた「がん」は早期発見によって治る可能性が高まると言われています(※1)。

一方、認知症はどうでしょうか。現在は、なぜ脳の認知機能の低下が起こるのか議論され、解明が進んでいます。

その結果、認知症を引き起こす一部の疾患では、病気の進行を抑える薬もできてきました。

現在も、世界各国で認知症治療薬の開発に向けた研究が進められています。

脳内に蓄積される、あるタンパク質が原因か

認知症の原因の60%以上を占めると言われているのがアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)です(※2)。

長い年月をかけて脳内にAβ(アミロイドベータ)やリン酸化タウといったタンパク質がたまり、神経細胞の死滅や脳の萎縮を引き起こすと言われています(※2)。

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、MCI(軽度認知障害)の原因の1つといわれます。

MCIは年齢相応の老化に伴って認知機能が低下している状態と認知症の間に位置する状態を指します。MCIでは自然な老化以上に認知機能が低下しますが、日常生活に大きな支障が出るほどではなく、認知症の一歩手前の状態です。

MCIの症状として、「何度も同じ話をしてしまう」、「約束を忘れることが何度もある」、「仕事で会議の内容が理解できなかった」などがあります。

脳の認知機能が低下し、年間10%から15%の人がMCIから認知症にいたると考えられています(※2)。

認知症の進行を抑制する薬

最近医療機関で使用され始めているのが、抗Aβ抗体薬といわれる新薬です。

投薬の対象は、アルツハイマー病がまだ軽度な時期の人です。また、アルツハイマー病を原因とするMCI(軽度認知障害)の人も対象です。さらに検査によって、脳内にAβ(アミロイドベータ)が蓄積されているかどうかを調べる必要もあります。

抗Aβ抗体薬は、中等度以上に進行したアルツハイマー病の人には効果が確認されていません。またMCI(軽度認知障害)や軽度認知症であったとしても、Aβ(アミロイドベータ)の蓄積が認められない人は対象外です(※3)。

認知症の研究と治療薬の開発は、一歩一歩着実に進んでいます。

「もしかして認知症かも」と思われる症状に気が付いたら、一人で悩まずに早めに専門医に相談しましょう。

記事監修:東京都健康長寿医療センター 副院長 / 脳神経内科部長 岩田 淳 先生

(出典)
(※1) 政府広報オンライン. 生活習慣病の予防と早期発見のために がん検診&特定健診・特定保健指導の受診を!. 2024年10月16日. (最終閲覧日2024年12月9日)

(※2)政府広報オンライン.知っておきたい認知症の基本. 2023年8月16日. (最終閲覧日2024年12月9日)

(※3)公益財団法人長寿科学振興財団.新規アルツハイマー病治療薬・抗Aβ抗体の特徴と新たな診療体制の構築について. 2024. 更新日2024年8月13日. (最終閲覧日2024年12月9日)

記事協力:Theoria technologies株式会社

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