更年期からの女性ホルモンとの付き合い方!閉経後に困らないために今からできる対策は?
ハルメク365 / 2024年6月24日 18時50分
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これから更年期を迎える人もまっただ中の人も、今までとは違う心と体の変化に戸惑っていることでしょう。なぜ更年期障害につながるような不調や症状が引き起こされるのか、女性ホルモンの基本的なメカニズムを知り、備えましょう。
女性を支える2つの女性ホルモン
私たちの体には約100種類以上のホルモンが存在し、全身のさまざまな機能をコントロールしています。女性ホルモンもその一つで、数あるホルモンのなかでも「命を守るホルモン」と呼ばれるほど重要な存在です。
というのも、女性の体には命を育み、出産するという役割があるからです。妊娠・出産はときに命の危険もあるほど、非常に大きな負担がかかります。そこで、女性の体を守るために女性ホルモンが働いているのです。
女性ホルモンに守られているのは、子宮や卵巣、乳房など妊娠・出産にかかわる臓器だけではありません。脳や心臓、血管、骨、皮膚など、あらゆる臓器が女性ホルモンに守られています。女性ホルモンが十分に分泌されている間は、男性よりも心臓発作や脳卒中を起こす危険が少ないのはこのためです。
このように女性の体を守ってくれる女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの種類があります。
更年期に影響するのはエストロゲンの分泌量
エストロゲンとプロゲステロンはどちらも卵巣から分泌されており、基本的には妊娠を助ける働きがあります。
女性は思春期になると初経を迎え、月経が始まるようになりますが、この月経の周期をつくっているがエストロゲンとプロゲステロンです。
エストロゲンは卵巣内の卵胞から分泌され、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるほか、脳や血管、臓器、皮膚など全身に作用します。楽しく、明るい気分にさせるのもこのホルモンの特徴です。
一方、プロゲステロンは排卵後の黄体(排卵後の卵胞が変化したもの)から分泌され、子宮内膜をやわらかくして妊娠しやすい状態に整える働きがあります。そして、妊娠しなかった場合は子宮内膜を剝がして月経を起こさせます。月経前に、敏感で内向的な、やや沈んだ気分になったり、体調が乱れたりするのはプロゲステロンの影響です。
このエストロゲンとプロゲステロンが生涯ずっと順調に分泌されれば、更年期障害が起こる心配もないのですが、だいたい40歳前後になると、この2つの女性ホルモンの分泌が徐々に減少します。まずプロゲステロンの分泌が悪くなり、次にエストロゲンが減少します。更年期の症状には、エストロゲンの減少が深く影響しています。
エストロゲンの減少の原因は、卵巣の働きの低下
では、なぜ、エストロゲンの分泌が減ってしまうのでしょう?
その理由は、女性が生まれたときから卵巣内にもっている卵胞(原始卵胞)の数が次第に減ってくるため。卵胞は、卵子の元になる細胞です。女性は生まれたときには卵巣内に約200万個もの卵胞を蓄えています。しかし、思春期頃までには10分の1から40分の1の量に自然に減る上に、月経が起こるたびほぼ300個もの卵胞が消滅していきます。
男性の場合、精子は生涯つくられますが、女性は違います。生まれつき卵巣内にもっている卵胞の数は、減ることはあっても増えることはありません。
そして排卵をしなくなると、プロゲステロンも出なくなります。
しかも現代の女性は、昔と比べて出産する子どもの数が少なく、生涯の月経回数が約10倍と非常に多くなっています。つまり、そのぶんだけ卵巣も酷使されているということです。
そして40歳前後のいわゆる「プレ更年期」が始まる頃になると、卵胞は約1万個を下回るまでに減少しています。さらに年齢を重ねると、1000個を割る頃には閉経になると言われています。
このようにエストロゲンを分泌する卵胞そのものが減るわけですから、当然エストロゲンの分泌量は激減します。これが更年期のさまざまな不調や症状の元になるのです。
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