五輪選手のサポート医が伝授!体のゆがみを整える全身エクササイズ
ハルメク365 / 2024年8月3日 18時50分
![五輪選手のサポート医が伝授!体のゆがみを整える全身エクササイズ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/halmek/halmek_article_2888_0-small.jpg)
体のゆがみを整える!全身エクササイズ
今回のテーマは「体のゆがみ」。大人のための、健康と美を兼ねた体作りのやり方をスポーツドクターや整形外科医としても活躍する医師の中村格子さんに教えてもらいましょう。
「体のゆがみ」を整えて、健康的な美をキープ!
“大人のラジオ体操”でおなじみのスポーツドクター・中村格子さんに健康と美しさを兼ね備えた体作りを教えていただく連載の2回目。今回のテーマは「体のゆがみ」。ゆがみを整える全身のエクササイズを毎日の習慣にすれば、美しい姿勢とブレない軸が手に入り、気になる痛みやつまずきの予防につながります。毎朝、体のバランスをリセットしましょう。
体の不調は「ゆがみ」が原因の場合も!
肩がこる、腰が痛い、ひざが痛い……。病気ではないのにこうした痛みや違和感が起こるのは、ゆがみを起こしている証拠。ゆがみは普段の体使いや行動によって、知らないうちに蓄積していきます。
例えばいつも同じ側の肩にかばんを提げている、電車待ちなどで片脚ばかりに体重をのせてしまう……。こんな方は生活習慣の改善も必要。ゆがみが起こると脚の長さや眉の高さに違いや変化が表れることもあります。
腰やひざに痛みが出るとまず、湿布やマッサージなどを思い浮かべる人も多いでしょう。ところが、根本原因であるゆがみを改善せず、こうした対処療法だけでは一時的に痛みがとれても、また痛みが出るという悪循環にも。
ゆがみを改善する基本は姿勢を保つ筋力(抗重力筋)をつけること。そのためには、毎日体のバランスを整えることが大切です。毎朝のエクササイズで体のバランスをリセットしながら、ゆがみを解消していきましょう。
毎日、コンディションを整えることが大切
体は動かせば、それだけバランスも変化していきます。バランスの変化をそのまま放っておけば、体はどんどんゆがみを生じます。そこでおすすめなのがコンディショニングという考え方。
コンディショニングとは、今の力を最大限発揮できるように体のバランスをベストな状態に整えること。アスリートが大会前に行うものとして耳にした方も多いかと思いますが、コンディショニングが必要なのは何もアスリートに限ったことではありません。コンディショニングはいわば、日々変化してしまう体のバランスをこまめにリセットすることなのです。普段からコンディショニングを意識した生活を送ることがゆがみの解消につながります。
よく腰痛は骨盤のゆがみに原因があるといわれ、骨盤を整えるエクササイズが紹介されていますが、体の一部だけを整える方法に、私は疑問を感じます。なぜなら、骨格はすべてつながっているから。骨盤は頭とつながる頸椎、胸椎、腰椎からつながり、重力を支える股関節へとつながります。胸椎からは鎖骨を通して肩甲骨へつながるため、肩を動かせば、骨盤にも影響を与えるのです。
中でも体の軸となる骨盤、腕と背中をつなぐ肩甲骨、そして骨盤と脚をつなぐ股関節の3つが体のバランスを整えるポイント。つまり、この3つのポイントすべてを整えていくことが、全身のゆがみ解消には欠かせません。
正しい姿勢もゆがみの解消も体のバランスが大切。毎朝、1分程度のエクササイズを行えば、体のゆがみがリセットできます。日中は気になるときに何度でも行って、ゆがみをこまめに整えましょう。
肩甲骨・骨盤・股関節の3か所を整えよう!
肩甲骨・骨盤・股関節の3つをセットで整え、一日の体のゆがみをリセットしましょう。
※エクササイズは痛みのない範囲で行ってください。
背中や肩のこりを防ぎ、動きやすくします。肩甲骨を意識しながら行いましょう。
写真のように肩に手を当て、ひじで大きく円を描くようにゆっくりと前後に回す。
2骨盤骨盤回りのこりをほぐします。 体幹を意識しながら行います。
腰に手を当て、腰をゆっくり大きく回して。ひざは曲げず、前から後ろ、後ろから前と回す。
3股関節骨盤のキープには股関節の柔軟性が大切。股関節の伸びを意識しましょう。
【股関節1】
安全のため椅子や壁などに手をつき、片足のつま先を立てたまま、脚を股関節から外側に開く。左右行う。
こんな姿勢はダメ!ゆがみを整えるには、美しい姿勢で行うのが基本。体が斜めになっていないか注意しましょう。
【股関節2】
脚を前後に開き、股関節から太ももの前部分が伸びるのを感じながら前に腰を落とす。左右行う。
※ひざに痛みがある場合は曲げる角度を浅めに。股関節の伸びが大切です。
【股関節3】もっとできる!という方は脚を上げて行えば、股関節の可動域が広がり、より効果的に。安全のため、椅子や壁に必ず手をついて。
【番外編】重心を意識することで、ふらつきや転倒を予防!
前後のゆがみを解消し、重心を整えましょう。全身の筋肉を伸ばして、乱れた体のバランスを整え、重心の位置を整えます。
肩幅より少し広めに脚を開き、上半身を倒す。そのまま中央、右、左と順番に体を動かす。
体の安定感を保てばゆがみも改善されます
ゆがみを考えるうえでもう一つ気を付けたいのが、体の重心の位置です。重心とは前後左右の体のバランスを保っているところ。この重心の位置が体の中心軸上にあるかないかで安定感が大きく異なってくるのです。
例えば電車の中を想像してみてください。車体が少し揺れると、それに合わせて足元がふらふらとおぼつかなくなっている人を見掛けたことはありませんか。反対に、発車や停車のときなど、大きな揺れがあってもまったく足元がふらつかない人もいますよね。この違いが重心の位置です。
重心が中心軸上にないのは、不安定な状態。少し力を加えただけで体はバランスを崩し、ゆがみを生じることになります。安定感もないので、ふらついて転倒しやすくなるのもこの状態。反対に重心が中心軸上にあれば、バランスのとれたやじろべえのように外部から多少の力が加わっても倒れない安定感が生まれます。この安定感がふらつきをなくし、転倒の予防になります。
重心が安定すれば軸がブレにくくなるため、おのずと美しい姿勢が保て、ゆがみの解消にもつながります。また、重心が安定することで、体の軸がブレるために使われていた無駄な力がなくなり、筋肉の緊張が解消され、痛みやこり、疲れも軽減します。
エクササイズをしながら動かしている部分を意識することで、より効果は高まります。なんとなく体を動かすのではなく、ゆがみの箇所や重心の位置などを確認しながら、行ってみてください。
「大人のための美からだ学」を教えてくれたのは?中村格子(なかむら・かくこ)
整形外科医 医学博士 スポーツドクター
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長
1966年生まれ。整形外科医、医学博士、スポーツドクター。「Dr.KAKUKOスポーツクリニック」院長。トップアスリートへの指導・治療もあり、テレビ出演や著書多数。オリンピックイヤーの2024年は、オリンピック選手のサポートなどでも大忙し。
取材・文=中嶋信次(編集部) ヘアメイク=木村三喜(マスキュラン) 撮影=中西裕人(編集部) 衣装協力=チャコット
※この記事は雑誌「ハルメク」2013年3月号に掲載した記事を再編集しています。
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