更年期以降の不眠悩み解消!「眠りの質」が上がる1日3分の深睡眠ストレッチ
ハルメク365 / 2024年6月3日 22時50分
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1日3分!ストレッチのやり方を本文でチェック↓
ぐっすりと深い睡眠をとるためには、睡眠に入った後に深部体温を下げることと自律神経を整えることが大切です。深部体温を下げ、副交感神経が優位に働くように、入眠前に体を緩める深睡眠ストレッチを行いましょう。
取材先・監修:白濱龍太郎さん
![RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長 白濱龍太郎さん](https://halmek.co.jp/media/uploads/43eaeaf412571084448b53373a88d4401620712331.5561.jpg)
RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 院長 白濱龍太郎さん
しらはま・りゅうたろう 2002年、筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大学附属病院を経て、13年にクリニックを開設。日本睡眠学会専門医。『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)をはじめ著書多数。
疲れが取れる睡眠のカギは深睡眠をとること
前回「睡眠の質を高める5つの快眠ポイント」でも紹介しましたが、ぐっすり眠る=「眠りの前半に深睡眠をしっかりとる」ためには、「深部体温」と「自律神経」を整えることが重要です。
しかし、「加齢によって自律神経の機能は弱まり、深部体温のリズムは乱れがちになります」と睡眠の専門医である白濱龍太郎さんは話します。
本来、深部体温は夕方にピークを迎えると、徐々に下がり始め、眠りに入ると急激に下がるようになっています。また、自律神経は夕方から夜になるにつれ、だんだん副交感神経が優位になり、自然と眠りやすい状態になります。ところが、年齢とともに深部体温の高低差や自律神経の切り替えがつかなくなり、深く眠れなくなる人が増えるのです。
そこで実践してほしいのが、3つのステップでできる「深睡眠ストレッチ」。意識的に深部体温を上げ下げし、副交感神経を働かせることで、深い眠りに入りやすくなります。
睡眠チェックリストで「ぐっすり眠れていない可能性が高い」という結果だった人は、さっそく試してみましょう。
まずは入浴時「1分間首もみストレッチ」
1.シャワーを首の後ろに当てて、首の筋肉と血管を温める
シャワーを固定して、ほんの少しだけ熱めのお湯を首の後ろに当てます。血管が集まっている首を温めることで、効率的に深部体温が上がります。
2.首の後ろのくぼみに親指を当て、手を上下にゆっくり動かす
シャワーを当てたまま、指を組んで親指を首の後ろのくぼみに当てます。手を上下に動かして首のコリを解消することで、血行が促され、深部体温が上がりやすくなります。
布団に入る直前に「1分間 腕回しストレッチ」
1.腕を曲げ、脇を開いてひじを上げる
手を軽く握って腕を曲げ、脇を開きながら、ゆっくりとひじを肩の高さくらいまで上げます。
2.腕を後ろに大きくゆっくり回す
腕をそのまま後ろに向かって大きくゆっくり、ぐるりと回します。左右の肩甲骨を寄せるようなイメージで。
3.手を組んで、腕を前に伸ばす
2で回したひじが体の前にきたら、両手を組み、手のひらを前に向けて腕を前にまっすぐ伸ばします。
4.組んだ手を頭の上でぐっと伸ばす
腕を頭の上に持っていき、ぐっと伸ばして2秒くらいキープし、腕を下ろします。肩甲骨や腕のまわりに多く存在する褐色脂肪細胞をストレッチで刺激することで、深部体温が上がります。
1~4を1分間に5~6回、ゆっくりと行います。
布団の中で「1分間 足首曲げ深呼吸」
最後に布団の中で「1分間 足首曲げ深呼吸」。副交感神経を優位にし、深部体温を下げます。
1.鼻からゆっくり息を吸い、足首を体側に曲げる
仰向けに寝て、3秒くらいかけて鼻からゆっくり大きく息を吸い込みながら、足首を手前にぐっと曲げます。足首を手前に曲げると、自然とふくらはぎに力が入り、コリがほぐれて血行がよくなります。
2.口からゆっくり息を吐き、足の力を抜く
口をすぼめ、3~5秒かけて口からゆっくりと息を吐き切り、足首を元の位置まで戻します。ふくらはぎの力を抜くイメージで足をだらんとさせ、元の位置に戻しましょう。足の血行をよくすることで深部体温が下がりやすくなり、眠気を誘います。
1~2を1分間、続けます。
呼吸は睡眠と深く関係しています
ぐっすり眠り、質の高い睡眠を得るためには、布団に入る時間に向けて、リラックスして副交感神経を優位にすることが大切です。
「そのために、自分でできる、最も簡単な方法は『深呼吸』です」と白濱さん。鼻からしっかりと息を吸って、口からしっかりと息を吐き出す、深くてゆっくりとした腹式呼吸は、副交感神経に強く働きかけ、脳と体をリラックスさせます。
「1分間 足首曲げ深呼吸」は、呼吸をコントロールすることで副交感神経を働かせ、リラックスした状態をつくる方法です。「習慣化することで、心地よい眠りにつきやすくなるはずです」と白濱さん。睡眠の質を上げるために、ぜひ続けてみてください。
深睡眠が取れているか確認するには?
深睡眠が取れたか、自分で確認することはできるのでしょうか?
「自覚的によく眠れたか評価をすることは難しいです。それでも深睡眠がとれたかどうか確認するには、以上のような日中の状態をもってして自己評価するといいでしょう」と白濱さん。
- 起きた際にすっきりしたか、疲れがとれたか、
- 日中に集中できるか、眠けが出ないか
- パフォーマンスが良好か
「ただし絶対的な基準ではありません。現実的なところは、以前に比べて疲れにくいか、すっきりするか過剰な眠気がこないかを確認しましょう」
客観的な睡眠の評価をしたいという方は、装着すればスマートフォンと連動して睡眠の状態を記録できるスマートウォッチ「Fit-bit」や「Apple WATCH」で睡眠を評価して確認することを白濱さんはお勧めします。
中途覚醒をしてしまったときの対処方法
「50代以上の女性95%が睡眠に不満あり!対策は?」で解説したように、50代以降となるとぐっすりと眠る力が失われてきます。睡眠習慣を改善し、深睡眠ストレッチなどを行っても中途覚醒してしまう日もあるでしょう。また、あれこれしたのに眠れないと気を張り詰めた状態になるのも本末転倒ですので、無理せず取り組むようにしましょう。
もし夜中に中途覚醒してしまった場合も、スマートフォンを見て光を浴びるのはNG。かといって眠れないことをストレスに感じるような時間を過ごすよりは、いっそ読書をしましょう。本だけを照らすスポットライトを使えるとベストです。そして選書は、挫折をしたことがある難解な本や読み終えたことがあるコミック本がおすすめ。興奮したり、面白くて続きが気になるような小説、考えさせられるような本は避けてください。
中途覚醒が続くようでしたら、睡眠外来の受診を考えましょう。
▶▷▶次回「睡眠障害での受診タイミングは?睡眠薬の服用はOK?」を読む
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