【医師監修】まぶたのたるみはなぜ起きる?予防・改善法3つ
ハルメク365 / 2024年7月18日 22時50分
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まぶたのたるみの原因は?悪化すれば眼瞼下垂症となり「視界が狭くなる」「肩こり・頭痛」「おでこにシワができる」など健康にも美容にも悪影響が。眼瞼下垂を改善するには病院で治療するしかありませんが、たるみはエクササイズなどで予防できます。
監修者プロフィール:大慈弥裕之さん(自由が丘クリニック)
おおじみ・ひろゆき 形成外科・美容外科/医学博士。2020年より、自由が丘クリニック教授外来の診察を担当(NPO法人自由が丘アカデミー代表理事)。前福岡大学形成外科主任教授/日本美容外科学会前理事長。眼瞼下垂研究をとおして、美容外科や抗加齢医学の発展に尽力。研究成果に基づいた精度の高い眼瞼形成術を目指している。
まぶたのたるみ・眼瞼下垂の原因
気になるまぶたのたるみ。たるみがあると、しっかりと目が開き切らず、眠そうな印象に見られてしまうことがあります。まぶたのたるみや眼瞼下垂はなぜ起こるのでしょうか?原因はいくつかあります。
皮膚のたるみ上まぶたの皮膚のたるみは、上眼瞼皮膚弛緩(じょうがんけんひふしかん)といって、加齢にともなう眼瞼下垂の原因の一つです。両目に起こることが多く、加齢によってたるんだ上まぶたの皮膚が視界の妨げになります。
皮膚のたるみが主な原因となっている場合は、内部の筋肉には問題がないこともあります。
眼瞼挙筋のたるみ・ゆるみ眼瞼挙筋と瞼板の付着部分は、加齢やハードコンタクトレンズの長期使用などによって緩んでしまうことがあります。
目の周りにある眼輪筋も加齢によって衰え、薄くなっていきます。支えきれなくなった上まぶたが上がらなくなることで、眼瞼下垂が生じます。
その他の原因その他にも、生まれつき筋肉の弱い先天性眼瞼下垂の可能性も考えられます。
また、ウイルスや外傷などが原因で顔面神経が損傷し、おでこの筋肉が動かなくなることでまぶたが下がって見える「顔面神経麻痺」や「眼瞼痙攣」、「重症筋無力症」などが原因となっているケースもあります。
まぶたがたるむ眼瞼下垂の危険度チェック
加齢に伴いまぶたがたるむ眼瞼下垂は、突然症状が現れるのではなく、少しずつ進行していきます。ここからは、眼瞼下垂の危険度チェックをご紹介します。
以下のような症状が見られれば、まぶたのたるみや眼瞼下垂が起きている可能性が考えられるでしょう。
- 目を開くときに力を入れる必要がある
- 顎を上げて物を見るようになった
- 以前に比べて視界が狭くなった気がする
- まぶたが重たくなった気がする
- 目の疲れからくる肩こりや頭痛が増えた
- 目と眉の間隔が広くなってきた
- まぶたが三重、四重になってきた
- 上まぶたが凹んできた。
- 「眠そう」「目つきが悪くなった」といわれる
- 不安や気持ちの落ち込みなど心の不調を感じるようになった
「もしかしたら眼瞼下垂かもしれない」と思ったときは、早めに病院を受診して、専門医の診察を受けるのがおすすめです。
眼瞼下垂までは進行しておらず、単にまぶたのたるみが出ている場合はエクササイズやマッサージによるたるみ予防を検討してもいいでしょう。
まぶたのたるみの原因に?注意すべき習慣
普段、何気なく行っている習慣がまぶたのたるみを悪化させてしまっている可能性があります。ここからは、まぶたのたるみの原因になる習慣をご紹介しますので、注意してみてください。
目をこする癖花粉症やアレルギーの人に多いのが、目をこする癖。目元の皮膚は薄くてデリケートなため、こすることは強い刺激となり、ダメージを受けたことでたるみが生じてしまいます。
また、アイメイクを落とすときにゴシゴシ落としている人も要注意。しっかりめのアイメイクをしたときでも、なるべく目元の皮膚に刺激を与えないよう、優しくメイクをオフすることが大切です。ゴシゴシこすらないとメイクが落ちない場合は、使っているクレンジングを変えてみるのもいいでしょう。
コンタクトレンズコンタクトレンズは、想像以上にまぶたに影響を与えています。特にハードコンタクトレンズは1日に何千回もまばたきをすることになるため、まぶたを持ち上げる筋肉を司る筋肉に負担がかかってしまいます。
メガネで過ごせる日は、コンタクトレンズを外してメガネで過ごすと、目を休められるでしょう。最近では目が小さく見えないレンズなども登場しているので、お気に入りのフレームのメガネでおしゃれを楽しむのもおすすめです。
過剰なアイメイク眼瞼下垂の大きな原因が加齢ですが、その他にも生活習慣が原因で起こることもあります。
最近では若い世代の眼瞼下垂も目立ってきており、これはまつげエクステ(マツエク)やつけまつげ、アイプチなどの過剰なアイメイクが原因となっていると考えられています。
専用ののりを使ってまぶたを接着し、人工的に二重をつくるアイプチは、毎日続けて使用することでまぶたがの皮膚が伸びてしまうリスクも生じるため、注意が必要です。
まぶたのたるみを取る・予防する3つの方法
ここからは、まぶたのたるみを取る・予防する方法をご紹介します。
- クリニックでの治療
- マッサージやエクササイズ
- アイテムを使ったケア
マッサージやエクササイズ、アイテムを使ったケアでできるのは、主にまぶたのたるみの予防です。既にたるんでしまったまぶたを大きく改善することはできません。
まぶたのたるみがひどい場合や、眼瞼下垂となっている場合は、クリニックでの形成・美容外科手術などによってたるみを取ることができます。美容面だけではなく健康面でも悪影響を感じている場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。
方法1:クリニックでの治療
自力でのケアが難しい場合や、思っていたような効果が感じられない場合は、クリニックでの治療を検討するのも一つの方法です。
特に、眼瞼下垂の場合は、マッサージやエクササイズなどのセルフケアで治すことはできません。眼瞼下垂は視界が悪くなる、眼が疲れやすくなる、肩こりや頭痛など健康面でも悪影響が起こってしまうため、体の負担になります。
単なるまぶたのたるみではなく「眼瞼下垂」の基準を満たす症状であれば、保険診療での治療が可能です。
具体的には「瞳孔の中央から上まぶたのフチ」の距離を測ることで、眼瞼下垂かどうかを診断します。人によって目の大きさや形には大きな違いがあるため自己判断は難しく、病院で医師にしっかりと診てもらう必要があるでしょう。
眼瞼皮膚切除眼瞼皮膚切除は、まぶたの皮膚のたるみが原因の場合に選ばれる方法で、二重のラインで切開し、余分な皮膚を切除します。
まぶたの皮膚が薄い人、くっきりした二重にしたい人に向いた方法です。ただし、切除する皮膚が大きい場合や、厚みがあるまぶたの場合は不自然な二重となる可能性もあるため、医師とよく相談する必要があります。
眉毛下皮膚切除眉毛下皮膚切除は、まぶたの皮膚のたるみが原因の場合に選ばれる方法です。メスで切ったの傷跡が目立たないよう、眉毛の下のラインに沿って切開し、余分な皮膚を切除します。
まぶたを切開しないため自然な仕上がりになりやすいことが特徴で、自然な仕上がりにしたい人、まぶたの皮膚が厚い人に推奨される方法です。
挙筋前転術挙筋前転術は、眼瞼挙筋と瞼板の付着部が緩んだことでまぶたが開けにくくなっている人に適した方法です。
二重のラインで切開し、眼瞼挙筋を瞼板上方に糸で固定することでまぶたを開けられるようにします。もしも皮膚のたるみがある場合は、同時に余分な皮膚の切除を行うこともあります。
方法2:マッサージやエクササイズマッサージやエクササイズを続けることで、まぶたのたるみを予防する効果が期待できます。なお、強い力でのマッサージは悪化の危険もあるため、無理に引っ張ったり、力を入れすぎたりしないように注意が必要です。
まぶたのたるみ予防マッサージまずは、まぶたのたるみを予防するマッサージをご紹介します。
- 目のまわりにアイクリームを馴染ませる
- 目の下側の目頭から目尻に向かって指先を滑らせていく。これを6回繰り返す
- 指先を使い、目尻部分からこめかみに向かって、らせんを描く。これを3回繰り返す
- 目頭の下を軽く押し、骨に沿って眉の下を通り、目の周囲を囲むように指を滑らせていく。これを3回繰り返す
- 最後にこめかみを押して完了
マッサージを行うときは、アイクリームなどを使用して滑りを良くし、皮膚を引っ張り過ぎてしまうことを防ぎましょう。
まぶたのたるみ予防エクササイズ次は、まぶたのたるみを予防するエクササイズです。
- 目を大きく見開き、そのまま5秒キープする
- ゆっくりと薄目をして、5秒キープする
- 1、2を3回繰り返す
簡単にできるので、ぜひ実践してみてください。
方法3:アイテムを使ったケアまぶたのたるみの悪化を防ぐためには、目をこする癖など、日常生活に気をつけることも大切です。
また、マッサージやエクササイズとあわせて、毎日のスキンケアに、アイケアができるアイテムを取り入れるのもおすすめ。
アイクリームを使ったスキンケアでは、まぶたのたるみ予防効果も期待できます。早め早めのケアを行っていきましょう。
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