腰痛・ひざ痛予防に「スクワット」が効く!? 1日3分ゆるく続ける方法とコツ【医師が解説】
ハルメク365 / 2024年9月15日 18時50分
整形外科医の吉原潔さんによる、腰と膝の痛みの予防方法を紹介する企画の第2回目。今回は、スキマ時間でできて痛みの予防と改善が期待できる「ゆるテーブルスクワット」を教えてもらいます。これからも腰も膝も痛まないハッピーな日常を続けましょう!
体調に合わせて、無理なく続けましょう
腰や膝の筋肉は、主に殿筋群や大腿四頭筋などの筋肉で支えられています。吉原さんがすすめる「ゆるテーブルスクワット」は、これらの筋肉を無理なく強化できるため、腰痛や膝の痛みの予防・改善につながります。
「ゆるテーブルスクワット」の特長は、体調に合わせて無理なく続けられることです。すでに腰痛や膝の痛みを持っている人は、痛まない範囲で動かすことが重要です。体調に合わせて行うようにしましょう。
また、これから紹介する運動は、1回1分程度の動きを1日3セット、計3分でできます!ちょっとしたスキマ時間で、無理をせずに続けましょう。
「ゆるテーブルスクワット」を安全に行うために- 痛みがひどいときは早めに医療機関を受診。症状が治まってから、痛みが出ない範囲で少しずつ動かしましょう。
- 体力に自信がない方は、なるべくたくさんテーブルにもたれて行います。
- 疲れたらテーブルやいすに体を預け、少し休みながら無理なく取り組んでください。
【基本の動き1】腕をテーブルについて立ち上がる
まずは、ここからチャレンジしましょう!
膝くらいの高さのいすを後ろに置き、肘から先を直角に曲げてテーブルにつけ体重をかけます。足は肩幅くらいに開き、そのまま立ち上がります。
肘とつま先は、テーブルのへりに揃え、背筋は丸まらないように真っすぐになるように注意しましょう。
背中や首が丸まっていると効果が半減してしまいます。
【基本の動き2】お尻を意識してゆっくり上下
膝ではなくお尻に意識を向け、3秒ほどかけて、お尻をいすに着くぎりぎりまで下ろします。その後、3秒かけて元の位置まで戻します。10回を目安に行いましょう。
スクワットというと「膝がつま先よりも前に出ない」と思う人が多いですが、このテーブルスクワットではそれは全く気にしなくて構いません。単にお尻を上下させる運動でOKです。
このとき、内股や外股で膝を曲げると、膝に負担がかかってしまうのでNG。膝の間はあけたまま、つま先と膝の向きが揃うような状態で、膝を曲げましょう。
【慣れてきたら】いす無しにチャレンジ!
基本の動きに慣れてきたら、いすを外してより深くしゃがんでみましょう。
基本の動きと同じ姿勢で立ちます。まずは3秒かけて、できればももが床と平行になるくらいまでしゃがみます。そこから3秒かけて元の位置まで戻します。これも10回行うのが目安です。
いす無しの動きに慣れたら、さらに運動効果をUP
動きに慣れてきたら、回数制限をなしにして、タイムトライアルで挑戦してみましょう。「3分間ずっと」など時間を決め、基本の動きを繰り返します。
有酸素運動になるので、シェイプアップ効果もアップします!
運動効果を高めるためのもう一つの方法が、テーブルからつま先を少し離して行う方法です。
テーブルから少し足を離し、お尻を下ろすとき、かかとを上げると効果大!座り込まないぎりぎりまでお尻を下ろすのがポイント。背筋はまっすぐになるように注意しましょう。
楽しく続ける“ちょい工夫”も大切です
運動を習慣化するコツについても、吉原さんに聞きました。
「1日3回のうち、例えば朝は基本の動きで、昼はお尻を下ろす時間を5秒に増やし、夜はタイムトライアルなどと、可能な範囲でいろいろな動かし方を試すのがおすすめです。飽きずに続けやすく、筋肉をよりバランスよくつけることができます」(吉原さん)
短時間でスペースを使わずにできる運動なので、ちょっとしたスキマ時間で続けやすい「ゆるテーブルスクワット」。無理せずに続けて、一生痛まない腰と膝を手に入れましょう!
次回は、普段の暮らしの中で、腰と膝を守る生活習慣について、教えてもらいます。
吉原潔(よしはら・きよし)さんのプロフィール
1963(昭和38)年生まれ。医学博士。日本医科大学卒業後、同大学整形外科に入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長を経て、現在アレックス脊椎クリニック院長。日本整形外科学会専門医。日本スポーツ協会公認のスポーツドクターとして、筋力トレーニングや体重管理にも精通。著書に『らく~に1分! ゆるテーブルスクワット』(主婦と生活社刊)などがある。
取材・文=新井理紗(編集部) イラストレーション=チチチ
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年9月号を再編集、掲載しています。
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