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梅雨時期に抑えたい!家のカビ対策ポイント6つ

ハルメク365 / 2024年7月17日 11時50分

梅雨時期に抑えたい!家のカビ対策ポイント6つ

前回はカビの発生条件と、カビが原因の気を付けたい病気について、カビの専門家、真菌医学研究センターの矢口貴志さんに伺いました。今回は家の中のカビや、カビの栄養分になるホコリを減らすポイントを教えてもらいます。

夏前に気を付けたい「家のカビ」

2-01家のカビ

第1回目では、家の中で繁殖するカビについてと、カビが原因で起こる病気について解説しました。

「温度が20〜30℃、湿度が60%以上」というカビの繁殖条件に、まさに当てはまる梅雨のシーズン。ここからは、カビの繁殖を抑えるための、効果的な掃除方法や掃除のタイミングなど、6つのポイントを解説します。お風呂、台所、エアコン、布団など、掃除の方法があっているか、確認してみてください。

ポイント1:お風呂掃除は天井から始める

2-02_お風呂掃除は天井から始める

 

湿気の多い浴室は、家の中で一番カビが発生しやすい場所です。浴室のカビ対策は、まず使用後の乾燥を徹底すること。

それでもカビが発生したら、塩素系のカビ取り剤で除去します。

「天井にカビが繁殖していると、浴室中に胞子を降らせ、いくら床や壁を掃除しても、またすぐカビが生えてきてしまいます。長い柄がついたワイパーなどを使って、天井から掃除しましょう」と矢口さん。

ポイント2:台所は冷蔵庫と水道口に注意する

2-03_台所で要注意は冷蔵庫と水道口

台所は、カビにとっても栄養の宝庫。まず注意すべきは冷蔵庫です。

「カビは低温でも死滅せず、冷蔵庫内で繁殖します。特に野菜に付いた土や野菜くずはカビの栄養源なので、野菜室は掃除をこまめにしましょう」と矢口さんは冷蔵庫内でのカビの繁殖にも注意を促します。

シンクは、皿洗いのついでに掃除する習慣をつけるといいでしょう。カビが発生しやすい水道口も忘れずに!

ポイント3:換気はこまめに、網戸はきれいに

2-04_換気はこまめに、網戸はきれいに

風通しの悪い環境はカビが発生しやすいので、ときどき窓を開けて換気しましょう。そのとき、気を付けたいのが網戸です。

「網戸に付着した土ボコリには、カビが多く含まれています。窓を開けたとき、網戸のカビが風によって部屋の中に入ってしまうので、雑巾で拭くか、水をかけて洗いましょう」と矢口さん。

ポイント4:部屋の掃除は朝するのが一番

2-05_部屋の掃除は朝するのが一番

一日の中で掃除をするのに最適なタイミングは、朝です。

「夜、寝ている間に、空中に浮遊していたカビの胞子は床に沈みます。歩き回ると、また舞い上がってしまうので、朝のうち、できれば起きた直後に掃除することをおすすめします」と矢口さんはタイミングの重要性を訴えます。

ここで大事なのが、床の“拭き掃除”から始めること。

「今は高性能な掃除機もありますが、一般的な掃除機だとカビを巻き上げてしまいます。フローリングや畳はハンディーモップなどでまず拭き掃除から。じゅうたんなら念入りに掃除機をかけてください」と矢口さん。

ポイント5:エアコンのフィルターを清潔に

2-06_エアコンのフィルターを清潔に

「エアコンにカビを含んだホコリがたまっていると、使用するたびに部屋中にカビをまき散らすことになります。冷房を使い始める前に、必ずフィルターの掃除をしましょう」と矢口さんは、エアコンを使い始める今のタイミングでの掃除が大切と言います。

エアコンには除湿機能がついていて、内部が湿りやすくなっています。使い終わったら、すぐに電源を切らず、20分ほど送風にして内部を乾燥させるとカビ対策になります。

「闘病中の人や高齢者は免疫力が落ち、カビによる感染で肺炎を起こすこともあります。在宅介護をされているご家族は、特にエアコンのカビに気を付けてください」と矢口さんは注意を呼びかけています。

ポイント6:布団やクローゼットに風を通す

2-07_布団やクローゼットに風を通す

「私たちは寝ている間にコップ1〜2杯分の汗をかくといわれています。湿気がたまる布団は、カビにとって居心地のいい環境です」と矢口さん。

朝起きたら、掛け布団をめくって風を通すことを習慣にしましょう。カバーやシーツはこまめに洗うのがベストです。

クローゼットは詰め込み過ぎず、ときどき扉を開けて空気の入れ替えを。一度着た服を洗わずしまう場合は、クローゼットの外に一晩かけて湿気をとってからにしましょう。

カビの生えた食品、どうしたらいい?

2-08カビの生えた食品、どうしたらいい

「昔は、おもちにカビが生えても、その部分を取り除いて食べたものですが、今は食べない方がいいとわかっています」と矢口さん。

パンやおもちに発生する青や黒のカビは胞子で、実は無色透明なカビの菌糸が全体に広がっている可能性があるといいます。

「焼けば大丈夫と思っている人もいますが、加熱によりカビが死んでも、カビの毒は残ります。カビ毒がどこまで広がっているかわからないので、食べない方がいいです」と矢口さんは注意します。

雨の日が続き、湿度がどんどん高くなるこれからの時期。しっかり対策をしてカビの繁殖を予防して、少しでも快適に過ごしましょう。

矢口貴志(やぐち・たかし)さんのプロフィール

2-9_矢口貴志先生

千葉大学真菌医学研究センター准教授。1961(昭和36)年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。食料品メーカー勤務を経て、2003年より現職。生活環境のカビ、特に病原性のカビを専門に研究している。わかりやすい解説に定評があり、「世界一受けたい授業」「あさイチ」などテレビ番組にも出演。

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) イラストレーション=古村燿子


※この記事は雑誌「ハルメク」2019年7月号を再編集し、掲載しています。
 

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