【恋愛ルポ5】50代から恋に落ちて ～想いが高まりホテルでの一夜～

56歳サトミの恋愛ルポ第5話。結婚していても恋に落ちることがある。高校の同窓会で当時好きだったツチダ君と再開。思い出の曲で想いが高まった二人はキスをし、ついにホテルへ……。

前回までのあらすじ

サトミ（56歳）の恋愛談を紹介しよう。バブル時代に社会人になり、結婚後専業主婦になり28年すでに成人した二人の子がいる。ふと参加した高校の同窓会で当時好きだった「ツチダくん」と再会。初デートで懐メロからカラオケに行き、好きな気持ちを再確認。二人はホテルへと向かうのか？

• 【前回の記事】4 初デートでタイムスリップ
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このまま帰したら、一生後悔する

「カラオケボックスを出て、ふたりとも黙って歩きました。しばらく歩いたところで、彼が不意に『いいの？』と。顔を上げるとホテルの灯りが見えた。『わからない』と答えました。

すると彼は黙って私の 腕をつかんでホテルに入りました。

部屋を決めてエレベーターに乗ったとき、『オレだってわからないよ。だけどサトミちゃんを離したくない。このまま帰したら、オレ、一生後悔すると思ったんだ』って。私も、とつぶやきました。今日は離れたくない。そう思ってた」

ずっと好きだったんだ……。あらがえない想い

部屋に入るなり、彼はサトミさんを抱きしめた。じっと抱きしめ続ける。少し苦しくなって彼の顔を見ると、目が潤んでいた。

「サトミちゃんが好きだよ。高校時代からずっと好きだったって。嘘、私がツチダくんのことを好きだったんだよと言ったら、嘘って彼が言って。二人で笑ってしまいました。もう35年も前なんだねとしみじみ。

お互い、それぞれまったく別の道を歩んできて、また出会ったんだねと言い合ったら涙が出てきてしまいました。でも好きな気持ちは変わらない。彼がそう言ってくれて、やっと一つになれました」

サトミさんはそう言ってうつむいた。耳が真っ赤になっている。やっと一つになれたところから、新たな苦悩が生まれていった。

「不倫」と言われる関係になって

サトミさんは「自分の恋する気持ち」に気付いたところから苦しくなったという。だがツチダくんは浮かれていたそうだ。

「家族にバレたらどうしよう。そう思うと、いてもたってもいられない。だけど彼には会いたい。誘われれば行ってしまう。パートの仲間と飲みに行くとか、残業があるとか、言い訳はいくらでもありました。そもそも夫は平日はほとんど家で食事もしなかったから、帰宅して私がいなかったとしても問題はない。だけど妻が不倫していると知ったら別。きっと激怒するはず。だから不安でたまらなかった。でもツチダくんは、本当にサトミのことが好きだよと言うだけなんです。ちっとも危機感がない（笑）」

当初、罪悪感にさいなまれていたサトミさんの気持ちは、日を追うごとに変化していったのだった。

■第六話「恋する苦しみ」に続く…＞＞