50代から急増する手指のしびれ・痛みを予防＆改善！「10秒神経マッサージ」のやり方解説

HALMEK up / 2025年2月7日 18時50分

手指の痛みやしびれが気になるからといって、動かさないでいるのは逆効果だそう。そこで今回は、手指の症状の予防・改善に役立つ「10秒神経マッサージ」を、考案者の富永ペインクリニック院長・富永先生に教えてもらいました。

痛みのスパイラルを断ち切ることがカギ

手指の症状に悩んで病院を受診すると、指を動かさないように指導されるため、「きつくテーピングをして痛みをしのいでいる人が少なくない」と富永ペインクリニック院長の富永さん。

結果的に血流が悪化し、関節や筋肉が硬直して症状が悪化したり、指で細かい作業ができなくなったりする人が多いと言います。

そこで長年の診療経験をもとに富永さんが考案したのが「10秒神経マッサージ」。手指にある神経ポイントを刺激する方法です。

「ヘバーデン結節の患者さん53名にやってもらった結果、4週間で痛みが半減することが科学的に証明されました」と富永さん。手指の痛みやしびれ、変形の改善にぜひ実践してください。

手指の痛み、しびれを予防・改善する「10秒神経マッサージ」

【マッサージ1】指の関節の両脇を刺激

＜神経ポイント＞
指の第１関節、第２関節の両脇

第1関節に痛みやしびれのある人は、第1関節の両脇を、反対の手の親指の爪を立てて、1cmの範囲で強めに縦方向に10秒こすります。同じことを5指のすべてに行います。

※第2関節に痛みやしびれのある人は、第2関節で同じことを行います。
※指全体に痛みやしびれがある場合は、第1関節と第2関節の両方をマッサージしましょう。

【マッサージ2】人差し指の付け根を刺激

＜神経ポイント＞
人差し指の付け根の骨のきわ
コリコリしていて、強めに刺激するとピリッと痛みが走る場所です。

人差し指の付け根の骨のきわに、反対の手の親指の爪を立てて強めに押します。ピリッと痛気持ちいい感じのするポイントが見つかったら、親指の爪にグッと力を入れ、1cmの範囲で10秒、上下にしごくように刺激します。

【マッサージ3】指の関節の両脇を刺激

＜神経ポイント＞
親指と人差し指の軸が交わる角度の中央を、まっすぐ手首の方に伸ばした延長線上で、手首のしわから約3cmのところ
刺激するとグリグリとした感覚があります。ここには「橈骨神経浅枝（とうこつしんけいせんし）」の神経ポイントがあります。

上で示したポイントを、反対の手の親指の爪を立てて、3cmの範囲で上下に強めにしごきます。

10秒神経マッサージのポイント

●爪を立て「痛気持ちいい」強さで刺激
手指の痛みやしびれに効く神経ポイントに適正な刺激を与えるため、指の腹ではなく爪で刺激します。爪の跡が残るくらい「少し痛い」程度の感覚で刺激するのがコツです。

●1回10秒、1日2回を目安に
神経ポイントに刺激を与え過ぎると逆効果になる可能性も。痛みのある側の手指のみに、1回10秒を守りましょう。痛みが強いときに行なうと効果的ですが、慢性的に痛みがある場合は、朝と晩の1日2回行います。

10秒神経マッサージと合わせて行うと効果的！「僧帽筋のストレッチ」

首の後ろから肩、背中に広がる僧帽筋を伸ばし、肩甲骨を動かすことで、血管が広がって手指の先まで血流が巡るようになります。10秒神経マッサージと合わせて行ってみましょう。

1．足を肩幅に開いて立ち、肩の力を抜いて正面を向く。手を軽く握り、ひじを曲げて肩と水平になるように構えます。

2．顔と腰は正面を向いたまま、肩を右にひねり、次に左にひねります。呼吸を止めずに30回程度行います。

＜ポイント＞
・視点を固定して首を動かさない
・骨盤は固定する
・リズミカルに左右交互にひじを引く

※手指の痛みや腫れが強く、熱を持っているときはマッサージを控えてください。また途中で強い痛みが出た場合は中止しましょう。

次回はもう一つのセルフケア、1回1分からできる簡単な指の体操を紹介します。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

富永喜代（とみなが・きよ）さんのプロフィール

富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会認定指導医。93年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務。2万人の臨床麻酔実績をもつ。2008年、愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業、手指の痛みに特化したヘバーデン結節外来を開設。オンライン診療を利用し全国から患者が殺到。『女性のつらい指先の変形・痛みは自分で防ぐ！改善する！』（PHP研究所刊）など著書累計80万部。

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