尿漏れ・頻尿悩みさん集合~!改善率80%超え・1日5分「骨盤バウンド体操」のやり方【医師解説】
ハルメク365 / 2024年10月19日 22時50分
多くの女性が悩む、尿漏れや頻尿。医師で尿トラブルに詳しい武田淳也さんに原因や対策方法を伺う企画の2回目。今回は、過活動膀胱の患者約80%が効果を実感したという「骨盤バウンド体操」のやり方についてです。1日5分程度なので無理なく続けられます。
改善率が80%超え!「骨盤バウンド体操」
骨盤バウンド体操は、アメリカの泌尿器科医であるブルース・クロフォード氏が2009年に考案し、日本では尿トラブルに詳しい整形外科医の武田淳也(たけだ・じゅんや)さんが初めて導入しました。
バウンドとは、ボールが床を跳ねるイメージで上下に跳ね上げることをいいます。
「最大の特徴は、腰を跳ね上げる動きです。筋肉が素早く収縮することで、骨盤底筋にかかる力はケーゲル体操(よく知られている骨盤底筋体操)に比べて最大約41倍にもなります。
続けた結果、過活動膀胱の患者のうち80%以上の症状が改善し、手術が必要だった腹圧性尿失禁の患者の70%が手術を回避できるまでに回復したという成果も出ています」と武田さん。
骨盤バウンド体操はこんな悩みも改善!
骨盤バウンド体操は姿勢を支える筋肉を強化できるため、続ければ猫背改善が見込めます。結果、関節にかかる負荷が減り、肩こりやひざ痛、腰痛の軽減も期待できます。内臓を支える力もつき、ぽっこりお腹や便秘改善にも効果が期待できると言います。
骨盤バウンド運動が効く理由
「弾む動き」で骨盤底筋を強化出典:Neurourol.Urodyn.;31,2,210-289,2012
筋電計測器を使い、スキップ・ジャンプ・ランニングがそれぞれ骨盤底筋に与える刺激を計測したところ、骨盤バウンド体操と同じ“弾む動き”のスキップが最も効果的という結果が。
骨盤底筋と一緒に動く筋肉も自然に強化骨盤バウンド体操では骨盤底筋だけでなく、その働きを補佐する腹横筋・大殿筋・内転筋等も一緒に動くため、より効率的に骨盤底筋に力をつけられ、尿トラブルの改善効果も高まります。
骨盤バウンド体操1:ひざ曲げバウンド
所要時間:1分
骨盤底筋に入る力:最大18倍(※)
※一般的な骨盤底筋体操と比べて
【留意点】
・変形性膝関節症などの疾患がある人は医師の許可を得てから行ってください。行う場合も状態によって加減してください。
・またひざや腰に不安のある方は、「寝たままバウンド」がおすすめです。
1.両足を肩幅より少し広く開いて立ち、2のようにひざが足先の方を向くように曲げてゆっくり腰を落とし、元に戻る。これを3回繰り返す。
【ポイント】
骨盤を立てる意識で
つま先は少し開く
2.4回目に腰を落とした姿勢のまま3秒間キープ。ゆっくり息を吸い、ぐっと力をためる。できれば骨盤底筋を意識するよう心掛けて。
3.息を「ハッ、ハッ、ハッ」と短く勢いよく吐きながら、3回腰を上下にバウンドさせ、3回目で動きを止める。これを3回繰り返す。
【ポイント】
上下にバウンド
骨盤バウンド体操2:ひざ立ちバウンド
所要時間:1分
骨盤底筋に入る力:最大28倍(※)
※一般的な骨盤底筋体操と比べて
【留意点】
・変形性膝関節症などの疾患がある人は医師の許可を得てから行ってください。行う場合も状態によって加減してください。
・またひざや腰に不安のある方は、「寝たままバウンド」がおすすめです。
1.両ひざを肩幅より少し広く開いてひざをつき、両手は腰に。2のように姿勢を保ったままゆっくり腰を落とし、元に戻る。これを3回繰り返す。
【ポイント】
骨盤を立てる意識で
両足の親指の端をくっつける
2.4回目に腰を落とした姿勢のまま3秒間キープ。ゆっくり息を吸い、ぐっと力をためる。できれば骨盤底筋を意識するよう心掛けて。
【ポイント】
ゆっくり腰を落とす
3.息を「ハッ、ハッ、ハッ」と短く勢いよく吐きながら、斜め上方向に3回腰をバウンドさせ、3回目で動きを止める。これを3回繰り返す。
【ポイント】
斜め上にバウンド
骨盤バウンド体操3:踏み出しバウンド
所要時間:3分
骨盤底筋に入る力:最大 41.4倍(※)
※一般的な骨盤底筋体操と比べて
【留意点】
・変形性膝関節症などの疾患がある人は医師の許可を得てから行ってください。行う場合も状態によって加減してください。
・またひざや腰に不安のある方は、「寝たままバウンド」がおすすめです。
1.両足をこぶし一つ分開いて立ち、両手を腰にあてる。2のように片足をできるだけ大きく踏み出し、元に戻る。これを3回繰り返す。
【ポイント】
骨盤を立てる意識で
両足をこぶし一つ分開ける
2.4回目に踏み出した姿勢のまま3秒間キープ。ゆっくり息を吸い、ぐっと力をためる。できれば骨盤底筋を意識するよう心掛けて。
【ポイント】
ひざはできるだけ伸ばす
ひざはつま先より前に出さない
3.息を「ハッ、ハッ、ハッ」と短く勢いよく吐きながら、3回腰を上下にバウンドさせ、3回目で動きを止める。これを3回繰り返す(もう片方の脚でも同様に行う)。
【ポイント】
上下にバウンド
骨盤バウンド体操4:寝たままバウンド
ひざ・腰に不安のある方におすすめ!
1.横向きに寝て、ひざを軽く曲げたまま片脚を少し持ち上げる。息を吐きつつ、2のようにさらに脚を持ち上げ、元に戻る。これを3回繰り返す。
【ポイント】
腕を枕にして頭をのせる
2.4回目に脚を上げた体勢のまま3秒間キープ。ゆっくり息を吸い、ぐっと力をためる。できれば骨盤底筋を意識するよう心掛けて。
3.息を「ハッ、ハッ、ハッ」と短く勢いよく吐きながら、3回ひざをバウンドさせて、3回目で動きを止める。これを3回繰り返す(もう片方の脚でも同様に行う)。
※前に紹介した3つの動きの代わりに、この運動だけ行ってもOK。
【ポイント】
上下にバウンド
続けることが重要なので、無理のない範囲でできるものから挑戦してみましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
次回は、尿トラブルを撃退するための日常生活のコツを教えてもらいます。
武田淳也(たけだ・じゅんや)さんプロフィール
整形外科 スポーツ・栄養クリニック理事長。日本整形外科学会認定専門医。福岡大学医学部卒業。スポーツドクターとしてオリンピック、ワールドカップ等に携わる。ピフィラティス(骨盤バウンド体操)を日本へ初導入し、自らもマスタートレーナーの資格を持つ。近著に『頻尿・尿もれ 米国式最新自力克服法 骨盤バウンド体操』(わかさ出版刊)などがある。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部) イラストレーション=イオクサツキ
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年3月号を再編集し、掲載しています。
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