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【確定申告】払い過ぎを取り戻す!「医療費」で確認すべき4つのポイント

HALMEK up / 2025年1月23日 11時50分

【確定申告】払い過ぎを取り戻す!「医療費」で確認すべき4つのポイント

年金生活、確定申告は関係ないと思っていませんか? 最も取り戻せる機会の多いのが医療費!「医療費を年間10万円以上支払った人は、医療費の控除申請で払いすぎた税金が返ってくる可能性がある」と税理士で認定FPの山本さん。4つのケースを解説します。

教えてくれたのは:山本 宏(やまもと・ひろし)さん

教えてくれたのは:山本 宏(やまもと・ひろし)さん

1968(昭和43)年東京生まれ。税理士。CFP(認定ファイナンシャルプランナー)。2004年に税理士事務所を開業。『年金生活者・定年退職者のための確定申告』(技術評論社刊)など、確定申告に関する書籍を多数監修。

医療費次第で払い過ぎを取り戻そう!4つのケース

医療費次第で払い過ぎを取り戻せる4つのケース

「年金生活だから関係ない」と見過ごしがちの“確定申告”。実はトクする方も多く、しかも“ネット申告”なら紙の申告より手軽に、払い過ぎた税金を取り戻せる場合もあるのだとか。

まずは最も取り戻せる機会の多い医療費について、詳しく解説します。取り戻せるケースは4つ。

取り戻せるケース1:年間に支払った医療費が10万円を超えた

「医療費控除」を受けられる可能性があります。所得次第では10万円以下で対象になることも。 

取り戻せるケース2:市販薬の購入額が年間1万2000円を超えた

対象医薬品の購入額が基準額を超えた場合、「セルフメディケーション税制」が利用可能です。

取り戻せるケース3:配偶者と死別した

配偶者と死別した場合、年間所得が500万円以下で単身者なら、「寡婦控除」が受けられる可能性も。その場合、27万円×所得税率分が還付されます。

取り戻せるケース4:株の配当金を受け取った

株の配当金がある場合、「配当控除」を受けられる可能性があります。申告では「住民税・事業税に関する事項」の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部」について、必ず「住民税で申告しない(申告不要)」を選択することが大事。これは紙での申告でも、ネット申告でも同様です。

通院の交通費や市販薬の代金も控除対象!

通院の交通費や市販薬の代金も控除対象!

医療費に関する控除は、主に以下の2パターンがあります。両方に該当しても、申告できるのは一方だけなので注意!

パターンA:控除対象の医薬品を一定額買っているなら……

「セルフメディケーション税制」
健康維持の取り組みを推奨する目的で、2017年に始まった制度。該当する医薬品の購入額が年間1万2000円を超えた分(最大8万8000円)が控除対象に。

【詳しい条件】

  • 申告者が予防接種や定期健康診断を受けるなど、健康維持のための取り組みをしている
  • 控除対象の医薬品(OTC医薬品)の購入額が、年間1万2000円を超える

【控除対象】
治療を目的とした、薬局等で購入する医薬品の代金(税込額)。商品に付いているマークで判別でき、レシートでは*マーク等で対象商品が明示されています(下図参照)。

1-4_セルフメディケーション税制

パターンB:医療費が年間10万円を超えているなら……

「医療費控除」

【詳しい条件】

  • 医療費が年間10万円を超えている(総所得金額が200万円以上の場合)
  • 医療費が総所得金額×5%(円)を超えている(総所得金額が200万円以下の場合)

【控除対象の例】

  • 医師に支払った診察・治療費(歯科含む)
  • 治療のために購入した市販の薬代(セルフメディケーション税制の控除対象のOTC医薬品含む)
  • 治療目的のマッサージ代病院までの交通費(公共交通の運賃)

【控除対象外の例】

  • 予防接種や健康診断などの費用
  • 栄養ドリンクやビタミン剤
  • 疲労回復のためのマッサージ代
  • 病院までの交通費(自家用車のガソリン代)

医療費通知(右)や領収書(左)の支払合計額を合算します。条件に合う場合、最高200万円まで控除の対象になり、申告すれば所得に応じて還付金が受け取れます。

例えば課税所得が195万円未満の場合、所得税率は5%なので、医療費控除額が20万円なら1万円が返ってきます。

1-5_医療費控除

AとBいずれも当てはまる場合は……
  • 医療費の合計が18万8000円以下の場合……
    ネットでの確定申告画面で試算して、有利な方で申告する
  • 医療費の合計が18万8000円を超える場合……
    医療費控除の方が有利!

※いずれも所得金額が200万円以上の場合

医療費の控除申告のコツ

医療費の控除申告のコツ

コツ1:医療費は同一家計なら別居家族の分も合算できる

「親の介護施設の入居費を払っている」「別居の子どもに仕送り中」などの場合、その家族分の医療費も合算して申告できます。

コツ2:所得が多い人が申請した方が還付金の額がアップ

所得が多い人ほど所得税率が高く、還付金も多くなるため、家族の中でより所得の多い人が控除申告をする方が有利です。

コツ3:医療費から保険による補てん分を「引き過ぎない」

控除申告の際、かかった医療費から「保険で給付された全額」を引いてしまうと損をすることも。

医療費以外も申告対象!見落としがちな「配当控除」

医療費以外も申告対象!見落としがちな「配当控除」

「医療費以外でも、確定申告で取り戻せるケースは多い」と山本さんは言います。

「特に見落とされがちなのが『配当控除』です。株取引には、自動で源泉徴収される特定口座を選ぶ場合がほとんどですが、振り込まれる配当金は法人税等の徴収後の利益から出ているため、実は二重課税状態。

つまり配当金が税額控除の対象になります。株を相続後そのままにしている方など、確認をおすすめします」と山本さん。

次回は、実際に医療費の控除申告を「ネット申告」で行う方法を、詳しく教えてもらいます。

取材・文=新井理紗(ハルメク編集部) イラストレーション=阿部千香子
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年3月号を再編集し、掲載しています。

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