確定申告シーズン到来!! 年金世代がネット申告で「医療費控除」を受けるには?【税理士解説】
HALMEK up / 2025年1月27日 22時50分
年金世代に確定申告は関係ない? 実は見逃しがちなのが「医療費」の控除申請。近年ネット申告の操作が格段にわかりやすくなり、年金生活世代にとっても利点が増えています。税理士が「ネット申告」の方法について、画像付きで詳しく解説します。
ネット申請は難しい?IDとパスワードを登録すればOK!
10万円以上の医療費を1年間で支払っている人は、医療費の控除申請で払いすぎた税金が返ってくる可能性がある!という話は、前回詳しく解説しました。今回は、実際の申請方法について伺います。
確定申告に詳しい税理士の山本宏さんは「近年ネット申告の操作が格段にわかりやすくなり、年金生活世代にとっても利点が多いです」と言います。
「国税庁のホームページ上で、家からいつでも申告できます。必要書類等も内容を入力するだけでよく、金額も自動計算してくれます」と山本さんは、ネット申告をすすめます。
ここからは、具体的にネットでの医療費の控除申告に必要な準備をご紹介。一度ID・パスワードを入手さえすれば、あとは簡単にできます!
【ネット申告】主に必要になるもの
申告に使うパソコン・スマホ機種等によってはネット申告に対応していない端末もあるため、念のため確認を。対応機種は、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーでチェックできます。
税務署で発行するID・パスワード、もしくはマイナンバーカード個人情報を照合するものとして、税務署で発行されるID・パスワードか、マイナンバーカードが必要です。ID・パスワードは免許証など本人確認のできるものを持参すれば、即日税務署で発行でき、来年以降もそのまま使えます。
2023年(令和5年)現在、確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成した場合、モニター上に表示される二次元バーコードを読み取ることで、スマホからマイナンバーカード方式による申請が可能になりました。
還付金を振り込む口座情報戻ってくるお金の振込先は、名義が申告者本人の口座に限ります。
ここがポイント!現状はマイナンバーカードよりID・パスワードでの申告が簡単
マイナンバーカードでの申告は複数の暗証番号が必要で、ログインに苦戦しがち。現状はIC・パスワードでの申告が簡単です。
【ネット申告】主に必要になる書類
公的年金等の源泉徴収票(年金をもらっている場合)確定申告で控除を受けるには、所得の申告が必要です。年金受給中の場合、毎年1月頃に日本年金機構などから送られてくる源泉徴収票を準備。
給与所得の源泉徴収票(会社員の場合)会社員の場合、会社から配布される「給与所得の源泉徴収票」を。「支払金額」や「源泉徴収額」などを入力します。
医療費通知書や医療費の領収書(医療費控除を申請する場合)医療費控除の申告には、支払額が記載された書類が必要です。加入している健康保険組合から送られる医療費通知書や、通院等の領収書を準備。
ここがポイント!わからない点は気軽に電話窓口で相談できます
確定申告で本当にトクするか等、疑問に答える電話窓口も。各地域の税務署に電話すれば、音声案内でつないでくれます。
【ネット申告】入力は簡単!たった4ステップ
山本さんがおすすめする「パソコンを使ったID・パスワード方式」での申告方法を、実際の画面を交えて解説します。
入力を始める前に、控除対象になる医療費の領収書類は、家族の分を合算する場合、「人ごとに」まとめておくと入力がスムーズ。
手順1:国税庁ホームページから確定申告書等作成コーナーにアクセス「確定申告書等作成コーナー」のトップページにある「作成開始」をクリック。
次に、ID・パスワード方式を選択します。
手順2:所得税の確定申告画面から医療費控除を選択IDとパスワードを入力後、「所得税」の申告書作成を選び、年金等の所得情報を入力します。
その後「医療費控除」を選択。
手順3:控除申告の種類を選んで医療費明細を入力1.自動試算で控除方法を決める
ここをクリックして控除対象の医療費を入力すると、医療費控除かセルフメディケーション税制どちらが有利か試算できます。
2.具体的な金額を入力
この画面では、年内に支払った医療費(B)と、そのうち生命保険などで補てんされた金額(C)を入力します。例えば医療費が15万円かかり、保険金が20万円給付された場合、(C)にはかかった医療費分の15万円と入力。保険金全額を入力すると、超過分が他の医療費と相殺され控除額が減ってしまいます。
(C)には保険からの補てん分(かかった医療費分)のみ入力
(C)に保険からもらった給付金を全額入力しては損になる!
3.家族ごとに入力
今回は医療費控除を選択。医療費通知が複数あれば合計額を入力。領収書は1枚ずつ、人ごとに支払額を入力。
4.交通費などを入力
診察にかかった金額だけでなく、病院への交通費なども入力していき、明細が完成したら「次へ進む」をクリック。
手順4:還付金額を確認し、振込口座を設定する控除額を確認後、他の控除申告などがあれば入力。最終的な還付金額が表示され、振込口座等を入力して申告完了。
これで、登録完了です!いつでもできる「ネット申告」に、ぜひ挑戦してみてください。
教えてくれたのは:山本 宏(やまもと・ひろし)さん
1968(昭和43)年東京生まれ。税理士。CFP(認定ファイナンシャルプランナー)。2004年に税理士事務所を開業。『年金生活者・定年退職者のための確定申告』(技術評論社刊)など、確定申告に関する書籍を多数監修。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年3月号を再編集し、掲載しています。
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