【医師解説】更年期のポッコリお腹はの原因「内臓脂肪」の対策は?
ハルメク365 / 2024年10月11日 22時50分
最近お腹が出てきてお腹まわりが気になる…という人も多いのでは?その「ぽっこりお腹」の原因は実は内臓脂肪!そんな内臓脂肪を3週間で落としてスッキリさせる方法を各専門家に伺う企画。まずは、耳にはするけど実はよく知らない内臓脂肪についてです。
教えてくれた2人の専門家
栗原毅(くりはら・たけし)さん1951(昭和26)年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。東京女子医科大学教授、慶應義塾大学特任教授などを経て、現在は栗原クリニック東京・日本橋院長。『眠れなくなるほど面白い 図解 内臓脂肪の話』(日本文芸社刊)など著書多数。
栗原丈徳(くりはら・たけのり)さん1982(昭和57)年東京都生まれ。栗原ヘルスケア研究所所長、歯科医師。鶴見大学歯学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科中退。「予防歯科医療」「食と健康」をテーマに活動をしている。
ぽっこりお腹の正体は外から見えない「内臓脂肪」
ぽっこりお腹の原因はいろいろありますが、更年期以降の女性に多いのは、実際に見たり皮下脂肪のようにつまんだりできない「内臓脂肪」。どれだけたまっているかの目安は、腹囲やBMI値「(体重[kg])÷(身長[m]の2乗)」でだいたいわかります。腹囲90cm以上や、BMI値25以上なら要注意です。
標準的な体重でも、実は内臓脂肪が多い可能性も。内臓脂肪量が筋肉量と比べて多い、いわゆる「隠れ肥満」です。食事で糖質の割合が多い人や、運動不足の人は黄色信号です!
ここからは、内臓脂肪について「基本のき」を解説します。内臓脂肪が原因のぽっこりお腹を撃退するには、まずは敵を知ることが近道です!
内臓脂肪は、中性脂肪、皮下脂肪とは違う
お腹の断面のイメージ図
食事でとれる糖質・脂質は、体を動かすためのエネルギー源として必要不可欠です。しかし食べ過ぎや運動不足により、体内のさまざまなところに脂肪として蓄積されてしまいます。
脂肪にはそれぞれ種類や特徴があります。
- 中性脂肪
- 内臓脂肪
- 皮下脂肪
健康診断でもおなじみの「中性脂肪」は、血液中の脂肪。ここでエネルギーとして消費されず、腸や胃のまわりにたまると「内臓脂肪」に。お尻や太ももの皮膚のすぐ下にたまると「皮下脂肪」になります。どちらも体脂肪と呼ばれるものです。
内臓脂肪は、腹筋の内側からお腹をつき出してぽっこりさせます。また皮下脂肪は、腰から下半身を太らせる特徴があります。
更年期以降の女性は内臓脂肪をため込みやすい
女性の体はもともと子宮を守るために腰まわりに皮下脂肪を蓄える特徴がありますが、更年期以降はそれも変化。女性ホルモン「エストロゲン」の減少により、脂肪が燃焼しにくくなり、内臓脂肪として、お腹まわりに蓄積するようになります。
同時に、年齢とともに生きるために必要なエネルギー=基礎代謝量も低下するので、たまった内臓脂肪を効率的に燃焼できなくなってしまいます。
50代から減少する基礎代謝量出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
女性ホルモン「エストロゲン」分泌量のイメージ出典:栗原毅監修『図解 内臓脂肪の話』(日本文芸社刊)
内臓脂肪を放置すると、重篤な病気を引き起こすかも!?
内臓脂肪は命にまで関わる病気を引き起こす危険なもの。内臓脂肪が増え過ぎると、血糖値や血圧が上がったり、血液が固まりやすくなったり……健康に悪影響を及ぼすホルモンが分泌されるようになります。
そして、糖尿病や動脈硬化などの病気リスクがアップ。
また増え過ぎた中性脂肪も、血管を傷つける一因に。一方、皮下脂肪は健康にあまり悪影響を及ぼしません。
大人世代はぽっこりお腹の「内臓脂肪」を改善しやすい!
体にたまった脂肪は、ついている場所により燃焼し始めるスピードが違います。一番早く燃焼するのは中性脂肪で3日。次が内臓脂肪で3週間。皮下脂肪は最後まで残ってしまい、3か月ほど。
大人世代のぽっこりお腹は「内臓脂肪型」なので、対策を3週間続ければお腹まわりがスッキリしてきます。正しく対策を行えば、皮下脂肪がたまりやすかった若い頃よりも効果を出しやすいのです。
次回は、内臓脂肪を3週間で落とせる!という3つの方法についてです。
取材・文=井口桂介、原田浩二(ともにハルメク編集部) イラストレーション=福田玲子
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年6月号を再編集し、掲載しています。
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