内臓脂肪がたった3週間で落ちる!? 50代からのぽっこりお腹解消3つの簡単アプローチ【医師解説】
ハルメク365 / 2024年6月16日 22時50分
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更年期以降のぽっこりお腹の主な原因、内臓脂肪。簡単な運動や食事でスッキリさせる方法を各専門家に教えてもらう企画。今回は、たった3週間で内臓脂肪が落とせる!と語る2人の医師に対策を教わります。
教えてくれた2人の専門家
栗原毅(くりはら・たけし)さん1951(昭和26)年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。東京女子医科大学教授、慶應義塾大学特任教授などを経て、現在は栗原クリニック東京・日本橋院長。『眠れなくなるほど面白い 図解 内臓脂肪の話』(日本文芸社刊)など著書多数。
栗原丈徳(くりはら・たけのり)さん1982(昭和57)年東京都生まれ。栗原ヘルスケア研究所所長、歯科医師。鶴見大学歯学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科中退。「予防歯科医療」「食と健康」をテーマに活動をしている。
内臓脂肪は3週間で落とせる!?
姿勢の悪さ、骨盤のゆがみ、便秘……など、お腹をぽっこりさせるあれこれ。「中でも一番の原因は、胃や腸のまわりにベタッとつく内臓脂肪です」と話すのは医師の栗原毅(くりはら・たけし)さん。
体にたまる脂肪のもとは、食事でとり過ぎた糖質や脂質。その脂肪は、更年期以降は内臓につきやすくなります。体重が重くても軽くても、内臓脂肪がつきやすいのは一緒です。
「50代以降の大人世代の食事は、ご飯の割合が多く糖質が高め。またタンパク質が少ないため、運動しても筋肉が付きません。筋肉が少なければ、基礎代謝量も小さく、摂取した糖質や脂質を燃やし切れません。結果的に脂肪が内臓にたまり、ぽっこりお腹になるのです」と栗原毅さん。
ぽっこりお腹がスッキリしなかった原因は……【原因1】運動だけでは内臓脂肪にきかないから
ただやみくもに運動しても、内臓脂肪は減らせません。運動は適切な食事と一緒に行うことが必須。運動すると、エネルギー源として筋肉のタンパク質も使われます。タンパク質不足の食事では筋肉量が減り、基礎代謝量はダウン。内臓脂肪を効果的に燃焼できません。
【原因2】筋肉が硬いまま運動していたから
筋肉が硬いまま運動しても、その効果はなかなか出ません。血管は硬くこわばった筋肉に圧迫され、代謝を上げたり体内の脂肪を燃やすための十分な酸素や栄養を運べないからです。硬くなった筋肉を柔らかくしてから運動するのが効率的です。
簡単ケアで、きつくなった服もラクラク!
しかし栗原毅さんは「実は燃焼しやすい内臓脂肪は、適切に対策すれば3週間で落とせます」と話します。対策は食事、運動、口腔ケアをセットで行うこと。体内に入れる糖質を減らし、筋肉を増やして、たまっている内臓脂肪を燃やしましょう。
食事はよく噛むことが重要。ゆっくり食べると、腸でタンパク質を効率よく吸収できます。またご飯を最後に食べれば、その頃にはお腹が満たされて糖質も無理なく減らせます。
運動は、太ももなどの大きな筋肉がつくものを中心に行いましょう。第4回の記事で紹介する、緊張と弛緩を繰り返すスクワットなら、血流アップの作用もあり効率よく代謝を上げられます。
「歯周病菌が筋肉の代謝機能を低下させ、筋肉の脂肪化を促進するという最新の研究があります。筋トレの効果を上げるなら、口腔ケアも必須」と歯科医師の栗原丈徳(くりはら・たけのり)さん。
「ぽっこりお腹解消で、きつくなった服がスッキリ着られるのはうれしいことですよね。でもそれ以上に、ぽっこり対策をして増やせた筋肉こそ財産です。一生歩ける体の基本になりますよ」と栗原毅さんも言います。
内臓脂肪を燃焼しやすい体質にする3つの方法- 糖質を減らしタンパク質を増やし、よく噛む食事習慣
- 基礎代謝を上げる、毎日少しの運動習慣
- 筋肉を脂肪に変えさせない、簡単1分口腔ケア習慣
内臓脂肪を放置すると大病の危険も!
体内の脂肪細胞には善玉と悪玉があります。内臓脂肪の細胞はもちろん悪玉。「放っておくと、悪さをするのが怖いところです」と栗原毅さん。
普段、善玉の脂肪細胞からは、「ご長寿ホルモン」と呼ばれる物質が分泌され、血糖値や血圧を下げてくれています。ところが増え過ぎた内臓脂肪は、これを阻害。血液はドロドロになり、血管が傷つけられ動脈硬化に。
「内臓脂肪型肥満に加え、高血圧・高血糖・脂質異常の組み合わせで起きるのがメタボリックシンドローム。内臓脂肪が増えてご長寿ホルモンが活躍できなくなれば、メタボのリスクは一気に増えます」と栗原毅さん。
心筋梗塞、糖尿病など、いろいろな病気が引き起こされる可能性が高まるのです。
「でも、ご安心を。内臓脂肪は、つきやすく落としやすいのが特徴です。食事、運動、口腔ケアのセットで生活習慣を改めれば、病気リスクはグンと減らせます」と栗原毅さんは話します。
ぽっこりお腹は5大病気のリスクも上げる!
内臓脂肪が多い人は認知機能が低下するという最新研究も。また、内臓脂肪を増やす糖質過多な食事は、認知症を誘発するアミロイドβを脳に蓄積させます。
リスク2:脳梗塞・心筋梗塞内臓脂肪が増え過ぎると、血管内の血のかたまり「血栓」を溶かす物質の働きを阻害。血栓が増え、脳内や心臓の血管が詰まるリスクが上がってしまいます。
リスク3:動脈硬化脂肪が増え過ぎると血液はドロドロになり、血管内をスムーズに流れなくなります。それにより血管が傷ついて、動脈硬化を引き起こします。
リスク4:糖尿病脂肪細胞は、血糖値を調整するインスリンの働きを邪魔するホルモンを分泌。高血糖の状態が続き、全身に合併症を引き起こします。
リスク5:骨粗鬆症(こつそしょうしょう)内臓脂肪が分泌する物質は、骨の形成を妨げます。骨密度が下がり、ちょっとした転倒でも骨折しやすくなります。
次回は実際に読者5名が内臓脂肪撃退プログラムに参加した成果をご紹介します。
取材・文=井口桂介、原田浩二(ともにハルメク編集部) イラストレーション=福田玲子
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年6月号を再編集し、掲載しています。
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