過去の浮気が許せない！フラッシュバックする怒りの解決策をアンガーマネジメントのプロが回答

50代からの女性が抱いているイライラや負の感情をクリアにする連載、コミュニケーションの問題解決のプロ・戸田久実さんの相談室。今回のイライラは「過去の浮気が許せない！いまだに怒りが込み上げてくる」です。

【B美のイライラ】過去の浮気をいまだに許せない……

何年も前ですが、パートナーに浮気されました。当時、裏切られたショックで不信感にさいなまれ、深く傷つきました。

今でも、当時のことを思い出すたびに「許せない！」と怒りが込み上げてきます。

以前の浮気のことと関係ないことでけんかをしても、いまだに浮気された当時の感情を思い出して、その感情をぶつけてしまうのもつらいです……。

【戸田さんが解決】これからどうしていきたいかを決めましょう

信じていたパートナーに浮気をされたら、心穏やかではいられませんよね。

パートナーの浮気を知ってしまったとき、深く傷つき、裏切られたショックや悲しさ、不信感にさいなまれてしまう人もいます。また、当時のことを思い出すたびに「許せない」と怒りがこみ上げてきてしまうこともあるでしょう。

傷が癒えていないときは、パートナーとけんかをしたり、嫌なことがあったりするたびに、相手の浮気やそのときの感情が掘り起こされてしまい、怒りをぶつけてしまうケースも多々あります。

でも、それを繰り返していては、自分自身も、いつまでもつらいままになってしまいますよね……。 

その状態から抜け出すためには、まず「これからの未来をどうしたいか？」を考えてみてください。

今後もそのパートナーと人生を共に歩んでいきたいと願い、その未来のために水に流すのも一つの手です。「水に流す」という言葉通り、過ぎ去ったことをとがめずに、リセットするのもいいでしょう。

【歩み寄りたいけど、許せない人へ】未来のために折り合いを

中には、これからも一緒に人生を歩んでいきたいと思っていても、うまく水に流せずに、怒りを悶々と抱えてしまっている人もいるでしょう。

このようなケースは、自分の気持ちがスッキリするように、どこかで折り合いをつけることです。

そのためには、例えば……

• 責めるのではなく、自分の気持ちを相手に伝える
• 「二度としない」という約束をしてもらう
• パートナーに代わりに家事を手伝ってもらう
• 欲しかったものを買ってもらう

自分の傷ついた気持ちを伝えたり、代わりに何かをしてもらったりすることで、気持ちが軽くなることもあるでしょう。

このように、お互いに話し合いながら「どこかで折り合いをつける」ことが、未来のためには必要な場合もあるのです。

【伝え方】相手を責めない！一度言ったら終わりに

パートナーに気持ちを伝えるとき、つい相手を責めるような言い方をしてはいませんか？

そうなってしまう気持ちはわかりますが、そうすると「だって仕方がないじゃないか」「過ぎたことをそんなに責めるなよ」というように、言い訳や相手の逆ギレを引き起こしかねません。

自分の気持ちを伝えるときには、正直に。

• 裏切られたことでつらかったことをわかってほしい
• 今後も一緒に過ごしていきたい。これからも結婚生活を歩んでいきたいから、これからはやめてほしい
• こう感じている私の気持ちを、わかってほしい

このように、自分の中ではまだ気持ちの整理が終わっていないことを正直に話して、知ってもらうことが大切です。そして、その上で今後はしないでほしいと伝えましょう。

このときに大切なのは、未来を見据えながら「こうしてほしい」という言い方をすることです。そして、「一度言ったら、それ以上は何度も言わない」ようにしましょう。これが、相手にうまく伝えるための秘訣です。

自分の判断に責任を持つことで、気持ちもスッキリ

ここまで、相手に自分の気持ちを伝えるためのお話をしてきましたが、強い怒りを感じたとき、相手にそれを伝えるのも、伝えないのも自由です。

相手との未来を考えた上で、「浮気は絶対に許せない」「今後は相手と一緒ではなく、別々の人生を歩みたい」という場合は、別れるという選択肢もあるでしょう。

ただ、ここで大切なことは、「言わない」「別れる」という選択をした際に、そう決めた自分の判断に最後まで責任を持つことです。

できるなら、つらい思いをしたからこそ、その後は、後悔しない人生を歩みたいものですよね。そのためには、自分が本心から納得できる方法を取ることが一番なのです。

未来のために、気持ちに折り合いをつけて、自分の判断を信じていきましょう。

戸田久実（とだ・くみ）さんプロフィール

アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事。
立教大学卒業後、大手企業勤務を経て研修講師に。銀行・生保・製薬・通信・総合商社などの大手民間企業や官公庁で「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施。対象は新入社員から管理職、役員まで幅広い。