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腸内の「悪玉菌」を甘く見てはいけない!増えると引き起こす7つの重大疾患とは?

ハルメク365 / 2024年10月15日 22時50分

腸内の「悪玉菌」を甘く見てはいけない!増えると引き起こす7つの重大疾患とは?

特集「腸を整える食べ方絶対ルール」の第2回。「悪玉菌」が「悪」な理由について、消化器外科の川本徹さんに引き続き伺います。「臭いおなら」は放置してしまうと重大疾患につながるので、早急な対策が必要なのだそう!

教えてくれたのは:川本徹(かわもと・とおる)さん

教えてくれたのは:川本徹(かわもと・とおる)さん

1987年、筑波大学医学専門学群卒業。専門は消化器外科。元筑波大学消化器外科講師。2010年にみなと芝クリニック院長に就任。日本テレビ「ザ・仰天ニュース」、テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」などメディア出演多数。『結局、腸が9割』(アスコム刊)など著書多数。

悪玉菌が出す毒素は放っておくと危険

悪玉菌が出す毒素は放っておくと危険

自分の腸内環境を知るための24のチェックリストを、前回ご紹介しました。6個以上チェックが入った方は要注意!とお伝えしましたが、そもそもなぜ腸内環境を整える必要があるのでしょうか?

「善玉菌」や「悪玉菌」という言葉が身近になっていますが、「悪玉菌」がなぜ「悪」なのか、ご存じですか?

悪玉菌の中には、食あたりや下痢、嘔吐など激しい症状を引き起こす「ウェルシュ菌」や「ボツリヌス菌」などがあります。これらは、人間の体に大きな害を及ぼす代表的な菌と言えます。

他にも、硫化水素やインドールといった悪臭を放つ「腐敗ガス」を発生させる悪玉菌もいます。実は、意外にこれがクセものです。

勘違いしている方が多いのですが、おならも便のニオイも、本来はそんなに臭いものではありません。ニオイが気になるということは、すでに腸内で腐敗ガスを発生させる悪玉菌が増えているサインなのです。

とはいえ、ニオイの問題程度なら、そこまで重大な悪さではないのかな?と思ってしまいそうですが、それだけではありません。 

悪玉菌は、腐敗ガスだけでなく、発がん性を持つ毒素なども産生します。実はその毒素が大腸がんの原因になっているのではないか、ということもわかりつつあります。

腸の不調は全身の不調につながる!

腸の不調は全身の不調につながる!

腸内のバランスが悪く、一部の悪玉菌と日和見菌が増えて有害なものを出し続けていたら、その毒素は血管を通って全身へ流れていきます。腸内バランスが悪くなると、どんな不調や症状を引き起こしていくのでしょう。

不調&症状1:肥満

悪玉菌の中には、エサを食べて「脂肪の元」になるものを出す種類があります。この「脂肪の元」が肝臓などに届くと、脂肪として貯めこまれてしまいます。そして脂肪肝になるなど内臓脂肪が増えていき、内臓脂肪型の肥満になっていきます。

不調&症状2:糖尿病

2型糖尿病患者の腸内フローラを健常者と比較して解析したところ、腸内細菌の総数には大きな違いはなかったものの、腸内フローラを構成する細菌の割合が異なっていることがわかりました。

糖尿病患者の腸内ではある特定の悪玉菌が優勢で、短鎖脂肪酸という体にいい物質を作る特定の腸内細菌が少ないことが明らかになっています。

不調&症状3:慢性疲労症候群

単なる疲れ、寝不足というだけでなく、普通に生活を送ることがつらいほどの疲労感が続く症状を、慢性疲労症候群と言います。

この原因の一つに、腸内細菌のアンバランスがあるということがわかってきています。腸内細菌のバランスが悪くぜん動運動もあまりスムーズでなければ、セロトニンの産生、分泌も減っていきます。

そうなると、イライラする、だるい、やる気が出ないなどの抑うつ状態になりやすく、最終的にうつ症状につながる可能性も高いのです。

不調&症状4:過敏性腸症候群

過度のストレスや緊張によって、自律神経バランスが乱れ、慢性的にお腹の調子が悪くなる症状です。下痢が続いたり、便秘と下痢を繰り返したりと症状はさまざまで、腹痛やお腹のハリを伴う場合も多くあります。

最近ではこの症状も、腸内のアンバランスによって短鎖脂肪酸が減少することと関連性があるとされています。

不調&症状5:潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜が炎症を起こし、潰瘍(かいよう)ができたり、ただれたりする症状です。その結果、下痢や血便が生じたりします。

なぜ潰瘍性大腸炎になるのかはまだはっきりしていない部分もありますが、近年では、ある特定の腸内細菌の減少が引き金となって、正常な免疫システムが機能しなくなるため、と考えられています。

不調&症状6:大腸がん

悪玉菌は、腐敗ガスだけでなく毒素も産生します。この毒素が、大腸の粘膜に直接悪さをして、炎症を起こします。これが繰り返され、慢性炎症になると、大腸がんの原因になると言われています。

不調&症状7:認知症

認知症は、脳の中でアミロイドβやタウなどの異常なタンパク質が溜まってしまい、そのせいで神経細胞が死んでしまうことが原因とされています。

腸内で悪玉菌が増え、毒素を出し続けていると、その毒素が自律神経を通じて脳に届き、アミロイドβなどに作用して認知機能を低下させるということもわかりつつあります。

悪玉菌を減らすには、善玉菌を増やすのみ!

悪玉菌を減らすには、善玉菌を増やすのみ!

こんなにいろいろな種類の病気と腸内細菌が関係しているとは、本当に驚きですね。

もし、あなたが常に便秘がちなら、そうした悪い菌が排出されず大腸内にとどまっているということ。それらの菌が腐敗ガスや毒素を出し続け、次々と仲間を増やしていくことになります。

悪い菌の比率が多くならないように、また、悪いものを出す菌が元気に活動しないようにするために、善玉菌を増やし、短鎖脂肪酸をたくさん出してもらうよう心掛けることが大切なのです。

第4回目以降、善玉菌を育てる方法や腸を元気にする食材についてご紹介します。その前に、インフルエンザなどの季節性の感染症がはやり始める前に知っておきたい、免疫力と腸の関係について詳しくお話します。

※本記事は、『結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』(アスコム/1595円・税込)より一部抜粋して構成しています。

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