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【感染症対策】あらゆる健康法を知る医師がすすめする「最強の免疫力アップ方法」とは?

ハルメク365 / 2024年12月3日 18時50分

【感染症対策】あらゆる健康法を知る医師がすすめする「最強の免疫力アップ方法」とは?

特集「腸を整える食べ方絶対ルール」の第3回。腸内環境と免疫力について、引き続き消化器外科の川本徹さんに詳しく伺います。たくさんある健康法の中でも腸を整える「腸活」が一番おすすめ!と川本さんは話します。

教えてくれたのは:川本徹(かわもと・とおる)さん

1987年、筑波大学医学専門学群卒業。専門は消化器外科。元筑波大学消化器外科講師。2010年にみなと芝クリニック院長に就任。日本テレビ「ザ・仰天ニュース」、テレビ朝日「林修の今でしょ!講座」などメディア出演多数。『結局、腸が9割』(アスコム刊)など著書多数。

「腸活」こそ全身の健康の基本

「腸活」こそ全身の健康の基本

以前、こんな質問をされたことがあります。
「あらゆる健康法の中で、一番のおすすめは何ですか?」
私は迷うことなく答えました。
「それは、腸を整えることです。疑う余地はありません」

腸を整えることをおすすめするのには、理由があります。それは、腸が体全体の「健康の要所」だからです。

ウイルスや細菌などの「体に悪いもの」を体に入れないようにする防衛ラインが「腸」なのです。このラインが突破されると、血液を通じて全身に「体に悪いもの」が運ばれてしまいます。

そして、腸が原因になる病気や症状は、主なものだけでも、こんなにたくさんあります。

腸が原因になる病気や症状

うつ、認知症、感染症、アレルギー、花粉症、肥満、糖尿病、高血圧、動脈硬化、肌あれ、体臭、不眠、むくみ、慢性疲労、便秘、下痢、小腸炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、すい炎、大腸がん、肝臓がん

まさに、全身の健康の9割は、腸と関連していると言っても、言い過ぎではないと思います。 

免疫力を上げたければ腸の声を聞いて!

免疫力を上げたければ腸の声を聞いて!

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行してから、「免疫力」への注目が格段に高まりました。自身やご家族の免疫力を上げるために、生活習慣などに気を付けている方も多いのではないでしょうか。

免疫力が下がってしまうと、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるのはもちろんのこと、その他にも私たちの体のさまざまなところに影響が出てしまいます。

免疫力低下で起こりやすい体への影響
  • 細菌などに弱くなり、食中毒にかかりやすくなる
  • 肌荒れしやすくなる
  • ものもらいや口内炎ができやすくなる
  • 歯周病にかかりやすくなる
  • アレルギー症状が出やすくなる
  • がんを発症しやすくなる

免疫力が低下すると、この他にもさまざまな不調が起こる可能性があります。だからこそ、常に免疫力の高い状態を維持したいところですが、そのために私たちには何ができるのでしょうか。

免疫力が下がる原因として、一般には加齢やストレスなどが挙げられます。とはいえ、年をとらないようにするのは無理な話ですし、忙しい現代社会においてストレスゼロで過ごすのも至難の業です。

では、どうすればいいのかというと、腸にフォーカスすればいいのです。何よりもまず、腸を元気な状態に保つことを意識しましょう。なぜなら、小腸と大腸には体内の免疫細胞の約7割が集中しているからです。

腸内の免疫細胞がウイルスの侵入を防ぐ

腸内の免疫細胞がウイルスの侵入を防ぐ

腸の中で、実際にどうやって病原体やウイルスの侵入を防いでいるのかを、簡単にご説明しましょう。

免疫細胞のメンバーは、腸粘膜の中にいる場合もあるし、腸の壁にあり免疫システムの基地になっている「パイエル板」という場所にいる場合もあります。

このパイエル板という基地は、主に小腸の下部の回腸にたくさんあり、大腸にもある程度存在しています。大きさは平均で1.5cm程度とごく小さいのですが、その基地は、すごい数存在しているのです。

そのパイエル板には、外部から来たウイルスや異物が危険かどうかを判断する“門番”のような役割をしている「ヘルパーT細胞」や、異物に対抗するための武器(IgA)を作る指示役の「制御性T細胞」など、私たちの体を守る免疫細胞の主力メンバーが揃っています。

このようにして、免疫細胞のメンバーたちは、パイエル板という基地を起点にして常に私たちの体を守ってくれているのです。

そもそも腸の粘膜は、突然異物が入ってこようとしても入れないように強固にふさがっているのですが、それでも何かの不具合で隙間ができると、ウイルスや病原体は入ってこようとします。

でもそんなときに、この基地にいる免疫細胞たちが「こいつは異物だ」と認定し、侵入を防ぎ、IgAと呼ばれる抗体を作って動きを封じ、体外に排除してくれるのです。

パイエル板という基地は、免疫の最前線である腸の中で最も重要な場所というわけです。

パイエル板を正常にするためにも、まずは腸内環境を整えることが最も重要です。次回は、腸内環境を整えるために重要な「善玉菌」を育てる方法について伺います。

※本記事は、『結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』(アスコム/1595円・税込)より一部抜粋して構成しています。

イラストレーション=平井さくら

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