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憧れベーカリー〈ブーランジェリーヤマシタ〉は、海の近くの森の中に…?テイクアウトとイートインの欲張りコース。

Hanako.tokyo / 2020年11月5日 18時0分

憧れベーカリー〈ブーランジェリーヤマシタ〉は、海の近くの森の中に…?テイクアウトとイートインの欲張りコース。

ずっと憧れていたお店。でも立地的に遠い存在だったお店。なのに先日、引き寄せられるようにして訪問が叶ったのです。ふとあのときMAPを開いてみた私よ、グッジョブ。森の中に迷い込んだような素敵なパン屋さんは、想像よりずっと海の近くにありました。

憧れだけで終わらせたらもったいない!!

緑に包まれたお店は、カフェとテイクアウトが別々の棟に分かれています(中でつながっています)。

ビニール越しにパンを選ぶ。早くそれが笑い話になる日を願います。

ビニール越しでも伝わってくるパンの魅力。

カフェへの入り口。

楽しめなかった夏を取り返そうと、女子旅で〈大磯プリンスホテル〉へ行ったときのこと。ふと私の行きたいお店MAPを開いてみたら、〈ブーランジェリーヤマシタ〉さんがお隣の駅にあるではありませんか!しかも駅から歩けなくもない(という距離感)。これは呼ばれている!と勘違いしやすい私は、友人たちを引き連れて行ってきました。せっかくなので、テイクアウトと朝パンイートインの欲張りコース。

「フレンチトースト」。

断面からもホワホワ感が伝わります。

イートインメニューのフレンチトースト。舌にのせた瞬間、バターで焼いたことが伝わってくるくらい、その塩気と旨味がダイレクトにまずやってきます。そこから、ふんわり感をしっかり残しつつ、卵液をたっぷり抱えこんだパン生地部分が柔らかい甘さをじんわりと届けにやってきます。でも甘く優しいだけじゃなくって、ベースとなるカンパーニュのキリッとした爽やかさが冴えて、香ばしさが華やぐから一口の奥が深いのです。みんなで分けあって食べたのですが、みな一口目で目を丸くしていたのは印象的な思い出の1ページ。

上から時計まわりに「クーロンヌ」、「プティ オリーブとチーズのパン」、「バジルとトマトのパン」。

「クーロンヌ」は、半分にカットしてもらった残りを翌日の朝パンへ。

さっくり歯切れの良い生地。外周と内周とで硬さに違いがあり、外周はカリカリ、内側は少し厚みがある分どっしりとしています。ソーセージはこの薄さだからか、焼かれてサラミとソーセージの間のようなセミドライになっていて、コクも肉汁も香りもぎゅっと濃縮されています。そこにケシの実がプチプチと弾けて香ばしさと深みと楽しさをプラス。どうりで食べ進めてものぺっと平坦な印象にならないわけだ!

「バジルとトマトのパン」。

オイル漬けのトマトが輝かしい。焼き色がついているから、このセミドライトマトも自家製なのかな?一見すると、あおさのりのパンと見間違うくらい(あぁ悲しきかな私日本人)、乾燥バジルがたっぷり練り込まれた緑色の生地からはバジルの香りに加えてオレガノの香りもして、ハーブの苦味がさわさわと揺れています。けれど、それに負けない強さでトマトもサムソーチーズもしっかりキャラクターの主張があるから、どこをかじっても味わいにパンチあり。ガーリックもどこからかやってきて、濃いトマトとがっちり握手。きっと一切れでも味にパワーがあるだろうセミドライトマトが何個も載っているんですもの。甘さも果実味もぎゅっとぎゅっと。旨みがてんこもりです。

「プティ オリーブとチーズのパン」。

グリーンオリーブの塩気がもちもちのチャバタっぽい生地を支配して、爽やかな香味が続きます。小麦の香りとグリーンオリーブの塩気が呼応して、それぞれの特徴を呼び覚ますように引き立てあう両者。あぁ、なんて美しい関係なのでしょうか(感嘆)!

「シナモンロール」。

透明感のあるグレーズド。

表面のシュガーコーティングは、質感も甘さ加減もとても繊細で上品。生地からはシナモンがそよーっと香るのと同じくらい、オレンジピールの抜群な果実味も春の便りみたいに風にのっかるような軽さでそよーっと吹き抜けます。それらを透かして浮き上がらせる、絶妙な塩梅のシュガーコーティング。その包容力のある眼差しは、マザーアースならぬマザーシュガーです(意味不明)。
そして生地。はじめはしっかりした噛み心地かなという印象なのに、どんどん柔らかい部分が露わになるのです。人見知りの人のようにはじめは少し殻があるけど、知れば知るほど優しい人だと知る、みたいな。ぜひあなたにも感じてほしい、彼女の優しさを(意味不明2回目)。

「パン・ド・ミルティユ」。イモ虫のようなバナナはなぜ添えてしまったのか…自分でも謎。

みんなうれしいたっぷりクリームチーズ!

ブルーベリーの果実がパン全体を少し控えめで愛らしい甘酸っぱさで満たします。小麦を感じられるしっかりしたバゲットタイプの生地と一緒になるとまるで森の味。クリームチーズが塊でドーンと入っているから、ねっとりと口に絡み合い広がっていきます。そんなコクを引き立てるように、ブルーベリーは強調し過ぎずいたってナチュラルに存在しています。あたかもクリームチーズの横はいつの時代も永年私なのよと言いたげな、余裕のある風格で。愛らしいのにこの余裕とは、お主、実は相当したたかだな(ひがみ)。

「クーペ オ パタトゥ」。

ぽったり、さつまいもボディ。

一口食べて、わ!焼き芋だ!!ってテンションが爆上がりしています。胸の動悸が激しい(無類の芋好き)。紫芋パウダーを練り込んだバゲット生地はほのかに紫芋色をしていて、形もぽったりさつまいもシェイプをしています。まず一口目、鼻に届いた香りも舌を介して脳に伝わった情報も、焼き芋!さつま芋じゃなく焼き芋ね。さつまいもがごろごろ入っているのではなく練り込まれているってことはそんなに風味は強くないんだろうなって思っていたので、いい意味で驚きでした。でもその驚きはその後も続きます。

きれいな紫色がこんにちは!

焼き芋といったら、のバターON!

ファーストインプレッションは焼き芋だけど、その後ぐんぐん小麦が頭角を現し、バゲットのような顔をするんです。そう、これからの季節ならグラタンやシチューにだって合わせられそうな、お食事バゲットな一面も。第二形態を持っていたなんて、と2度目の驚き。
でもふとしたときにどこからともなく焼き芋が顔を出すから、かくれんぼをしているようで楽しくってついつい舌と脳で追ってしまう私がいます(これぞさつまいも狂)。ハッと我にかえって慌ててやったのがバターON。これ、大好きな“サツマイモにバター”がパンのクロスオーバー版で出来るじゃないかと。こうするとサツマイモ感は少し薄まりますが(きっと私がバターを多くのせすぎるせい)。時折、ちゃんとあの“サツマイモにバター”がピタっとはまる瞬間があり、いつまでもそれを追いかけてしまいます。この子から、さつまいも×パンの新しい姿を見た気がしました。

「歩けなくもない」という距離を歩くため、日焼けを気にして急遽持っていた長袖を巻き付ける私たち。そんな道すがらも、パンにまつわる楽しい思い出になりました。

食べたいパンはあるのに、そのために旅をするとなるとなかなかハードルがあがってしまう。白状すると、行きたいお店リスト(パンだけじゃなく)はすでに5,750件にものぼっているのです。毎日そのリストを消化したとしても15年はかかるというえげつない数字。でもこのコロナ禍で、ある日突然全てが沈黙しその影響でお店がなくなってしまうことを身をもって知った今だからこそ、前よりもずっと行きたいと思っているお店にはちゃんと足を運びたいって思うようになりました。
憧れは絶対叶えなくっちゃ。今回ふいに訪れる夢が叶ったけど、憧れは憧れだけで終わらせたらもったいないと強く感じた、〈ブーランジェリー ヤマシタ〉さんとの出会いでした。秋の行楽シーズン。少し足をのばして、憧れのお店へ訪ねてみませんか?

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