仕事、結婚…生き方を選ぶ。 #1/食養生研究家・塚本紗代子さん『自分や大切な人を守るために、家庭の食卓でできることがたくさんある。』
Hanako.tokyo / 2020年11月12日 17時40分
働き方に結婚、出産や自分の体について…、日々は選択の連続。突きつけられる選択肢に迷ったり、間違ったり、軌道修正をしながらも、自分の道を歩み続ける、わたしたちの話。「どこで」「誰と」「何をして」働くのが自分にとって心地よいのか。理想を追い求め、動き続けている人々の話。今回は、食養生研究家・塚本紗代子さんにお話を伺いました。10月28日(水)発売 Hanako1190号「気持ちいい生活の、選びかた。」よりお届けします。
「家庭のお医者さん」を増やすことがライフワーク。
「私の目標は家庭のお医者さんを増やすこと」。食養生研究家・薬膳士の塚本紗代子さんの信念は、一貫してブレない。聞きなれない肩書だが、現在、マクロビオティックや薬膳、中医学の知識をベースとして日々の食事で健康をつくる料理教室の開催や、食を軸としたコミュニティ形成など、独自の活動を続けている。健やかに生きるため、食にできることがたくさんある。塚本さんがその考えに至るには、ある実体験が関係していた。
「高校時代、過度なダイエットで拒食症に、上京後はストレスで過食気味になって、長い間摂食障害だったんです。そんな時、マクロビに出会って。当時は食事=カロリー摂取と捉えていたので、その考えに衝撃を受けたんです。自分自身の体験と重ね合わせて、自分や大切な人を守るために家庭の食卓でできることがたくさんある。医者ではない私にできるのは、それを多くの人に伝えていくことだと確信したんです」
そこから塚本さんの「食養生」を研究する旅が始まった。ちょうど就活の時期だったこともあり、「いつかは独立して料理研究家になる」と、その時に将来の目標を定めた。
目標を実現するために必要なことを学び続ける。
そうして彼女が始めたのは、目標達成に必要な事柄を一つ一つ学び取ることだった。会社に所属せず自分で経営・発信する未来を見据えた上で、会社で営業のインターンを経験し、苦手だった人前で話すことを克服。大学卒業後はベンチャー企業に就職した。その後、オーガニックコスメの会社に転職し、知識を溜めながら、マクロビ料理教室のアシスタントに。25歳で師匠が出店した飲食店の店長に抜擢され、お店を一からつくる経験もした。
「目標設定とそのために必要なプロセスの踏み方は、イギリス留学の際に出会った海外の学生たちから学びました。だから、飲食店の運営は私の定めた目標とは少し違う道だったけれど、今後料理教室を開く上でその経験も必要だと思い、激務の中で技術力を磨いたんです」
そうして27歳の時に独立。必要な経験を逆算し、自ら選び学んだことで、自分が本当に伝えたいメッセージを伝える、やりたい仕事を自らつくっていく準備はすでに整っていた。
「食べること=生きること」を 体感する共同体づくりへ。
そんな塚本さんが始めた新しい取り組みが、日々の食卓を軸とするコミュニティ〈TSUMUGI〉だ。「一般的な料理教室では、食材を買ってからお皿に盛るまでの技術や知恵しか伝えられない。人間の健康を追求すると、結局、地球の健康に行き着くけれど、食べ物がどこから来るのか?食べることで地球にどんな影響があるのか?ということは、本を読み話を聞くだけではなく、生活者個人が自分ごととして実感しないと何も変わらないんですよね」塚本さんには現在、その思いに共感して集まった仲間がいる。彼女たちが目指すのは、食を通じた主体的な共同体=ライフラインの形成だ。「育てて収穫して料理をして食べて、それをまた循環させるサイクルも、1人では難しいけれど、みんなでならできる。自給自足ならぬ〝供給供足〞の仕組みをつくりたいんです」現在、チームを率いる彼女のスタンスは、メンバーとも対話を続けて、みんなで成長すること。「リーダーだとしても私の意見がすべてではない。だけど、リーダーだからこそ、新しい世界を思い描き続ける必要がある。だから、まずは私自身が、夢を与えられる人にならなきゃいけないですね」そう語る塚本さんが見つめる先は、人と地球が健やかに循環する未来。そのブレずに努力を続ける真摯な姿勢に心を打たれ、同じ夢を見る人たちが増えていくからこそ、彼女もその道を邁進できるのかもしれない。
迷った時の支え…森戸神社のおみくじ
「運試しというか、自分の感覚を違う角度から確かめるというか…(笑)。ただ悩んでいても行動しなければ結局答えは出ないから、遊び感覚でおみくじを引いて、決断する!結果が良くても悪くても、また自分を信じて走り出すしかないんですけどね」。
森戸神社神奈川県三浦郡葉山町堀内1025
My decision
・迷ったら、より人間らしくいられる方を選ぶ。
・軸をブラさず先々を見据えて、必要なことを学び取る。
・ダメな部分や、自分が絶対ではないことも認める。
塚本紗代子(つかもと・さよこ)
食養生研究家。薬膳士。〈TSUMUGI〉代表取締役。コミュニティの運営や料理教室、ワークショップなどで食を通した原体験を提供している。
Instagram:@tsumugi_kitchen
(Hanako1190号掲載/photo:MEGUMI, Tomo Ishiwatari, Andy Jackson, Keiko Nakajima, Naoto Date illustration:Manako Kuroneko text:Rie Hayashi, Mariko Uramoto, Makoto Tozuka, Miho Oashi, Rio Hirai edit:Rio Hirai)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「乾燥の秋」に食べるべき意外なものとは?まず「肺」、そして呼吸のパートナー「腎」のケアを【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】
OTONA SALONE / 2024年9月22日 13時30分
-
坐禅とマクロビ料理で心と体を整える“養生ごはん講座” 北鎌倉の円覚寺山内『佛日庵』で9月28日(土)に開催!
@Press / 2024年9月18日 10時30分
-
地球にも人にもやさしい「地球飯」の特別企画開催
PR TIMES / 2024年9月3日 16時45分
-
「80点とれたらゲームを買ってあげる」は逆効果…小中学生4万人調査で判明した子どもを伸ばす声かけ
プレジデントオンライン / 2024年9月1日 9時15分
-
今からでも遅くない! 冬の冷えを 防ぐため取り入れたい夏の養生法と エネルギーをつける食材まとめ
CREA WEB / 2024年8月28日 11時0分
ランキング
-
1内臓脂肪に悩む人、やめるべき「お酒の飲み方」5つ 日本人の3人に1人は「脂肪肝」だといわれている
東洋経済オンライン / 2024年9月24日 15時0分
-
2和田アキ子の限界「アッコにおまかせ!」に終了説 強面キャラが本物の権力者として批判されるように
東洋経済オンライン / 2024年9月24日 12時0分
-
3小さいカバンにペットボトル入らない問題が100円で解決!ぶっちゃけ耐久性は?
女子SPA! / 2024年9月24日 15時45分
-
4「不倫はどうせバレる」は間違い?“バレない不倫”をする姑息な男女が回避している2つの行動
日刊SPA! / 2024年9月24日 15時51分
-
5「撤退するヤツも容赦なし!」“異形の戦車”主体のロシア軍部隊 ウ軍陣地に突撃するも返り討ちに
乗りものニュース / 2024年9月24日 11時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください