仕事、結婚…生き方を選ぶ。#2/会社員・堀井玲子さん『40代で始めた就活、フリーランスから正社員へ。』
Hanako.tokyo / 2020年11月20日 18時0分
働き方に結婚、出産や自分の体について…、日々は選択の連続。突きつけられる選択肢に迷ったり、間違ったり、軌道修正をしながらも、自分の道を歩み続ける、わたしたちの話。「どこで」「誰と」「何をして」働くのが自分にとって心地よいのか。理想を追い求め、動き続けている人々の話。今回は、会社員・堀井玲子さんにお話を伺いました。
出産、病気を経験し、これまでの働き方に迷いが。
デザインやカルチャーの分野でフリーのとして活躍していた堀井玲子さん。出産を経て、彼女が進んだ道はなんとベンチャー企業の正社員だった。これまでキャリアを築いてきた業種とはまったく違う世界に飛び込み、一つの会社に属する。その決断の背景には何があったのか。「出産後、の仕事に復帰して1年くらい経った頃に癌になってしまったんですね。一旦休業し、治療に専念した後は育児に追われ、どう仕事に戻っていいかわからなくなってしまって。人と会う時間も少なくなり、情報収集力も落ちた気がしたし、自分にも自信がなくなって。でも、仕事は好きだったから何かしたいと」
一度手放してしまったら、昔の自分には戻れなかった。
その後、ある財団法人でアルバイトとして働いていたが〝正社員でなければ〞と強く意識する出来事が。「当時、別居を考え始めていて、子どもと2人で再出発するために、家を借りようとしましたが、〝アルバイトの人には貸せない〞って。1年分の家賃を前払いすると言っても断られて、落ち込みました」アルバイトや契約社員、フリーランスは、正規雇用者に比べて社会的な信用が低いのだと思い知った。「以前のようにフリーのPRとしてバリバリ働くにしても、子どもが熱を出して迎えに行かないといけないとか緊急事態が起こった時に、リスクヘッジが効きづらい。年金や保険のことも考えると、子どもが小さいうちは企業の正社員として働くことが私の中でベストだと思いました」
〝子どもが小学校へ入学するタイミングで正社員になる〞という目標を立てたが、道は想像以上に厳しかった。そこで、向かったのが女性の復職を応援するリカレントスクール。「ファイナンスやITリテラシーなどの授業のほかプレゼンの練習も。当時は社会から隔絶された状態だったので、最初は何を話していいのか、どんな服を着ればいいのかもわからなくて、勘を取り戻すいい機会になりました。また、キャリアカウンセラーと話しながら、自分のビジョンをクリアにし、強みを再確認することができたのもよかったですね」仕事を一度ストップした人、転職やキャリアアップのために通う女性も多く、刺激を受けたという。「授業は半年間、月曜から金曜まで。午後早くに終わるので、夕方には学童に子どもを迎えに行けるし、授業料が安いという面も魅力でした
40代で始めた就活。 異業種への興味が広がった。
そして、スクール経由で知った企業とのミートアップイベントで現在の会社のCFOに出会い、ビジネスに可能性を感じた。採用面接を受け、正社員に。「正直、不慣れなことも多いですが、今の会社は女性の再就職に対して理解があったり、仕事に必要な技術や知識習得のため、さまざまな社内勉強会を開いてくれたりと、社員のスキルアップを楽しむカルチャーがあり、とても救われています」
また、ベンチャー企業ならではの面白さもあるという。「会社の成長の過程を一緒に体験できるワクワク感があります。また、人数が少ないので、社内はとてもアットホーム。その分、セールスはインサイドもフィールドも行うなど、しないといけないことはたくさんありますが(笑)、広報の仕事などこれまでの経験を生かすことができ、やりがいもあります」学ばないといけないことはまだたくさんある。大変ではないと言ったら嘘になるが、堀井さんの口から出てくるのはいつも前向きな言葉ばかりだ。「今年の夏に最後の癌検診が終わり、私の中でやっと喪が明けた感じ。子どもが成長して中学生になる頃には、もう少し仕事の時間が取れるようになっているはず。そのためにも着実にキャリアアップしていたいです」
迷った時の支え…『3年の星占い 2018-2020』 石井ゆかり
占星術師の石井ゆかりが2018年から2020年までの星の動きを解説。豊かな言葉で未来を照らす。「この本を手に取った2018年は“人生のトンネル”にいたような時期で。この3年間、何かあるとこの本をめくって自分を癒し、励ましてきました。お守りのような存在です」(文響社/630円)
My decision
・経済的自立と社会の信用を得るために働き方を見直す
・キャリアのプロに相談し、自分の強みを再確認する。
・未知の業界でも、可能性を感じたら飛び込む
Biography
・2000-2008:アパレル企業やPR会社に勤務し、広報、マーケティング業務に従事。フリーのPRとして独立。
・2009:PR施策のプランニングやディレクション等を行う。
・2012:第1子出産。その2年後、癌が発覚。治療と育児に専念する。
・2018:知人の紹介で、教育関連の財団法人でアルバイトとして勤務。
・2019:明治大学の、女性のための短期集中ビジネスプログラムを履修。
・2020:試用期間を経て、4月に〈aiforce solutions〉の正社員に。
堀井玲子(ほりい・りょうこ)
フリーのPRとして活躍。出産等を経て、明治大学のリカレントスクールへ。今年〈aiforce solutions〉の正社員に。AIの民主化を目指し、企業への提案やマーケティングなどを行う。
(Hanako1190号掲載/photo:MEGUMI, Tomo Ishiwatari, Andy Jackson, Keiko Nakajima, Naoto Date illustration:Manako Kuroneko text:Rie Hayashi, Mariko Uramoto, Makoto Tozuka, Miho Oashi, Rio Hirai edit:Rio Hirai)
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