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パティシエ経験者が手掛ける本格ベーカリー4選。「お菓子に果てしなく近い食パン」とは?

Hanako.tokyo / 2021年5月29日 12時0分

パティシエ経験者が手掛ける本格ベーカリー4選。「お菓子に果てしなく近い食パン」とは?

最近密かに注目を集めているのがパティシエ経験者の手掛けるパン屋。お菓子作りで磨かれた技術がパン作りにも遺憾なく発揮されています。まさにいいとこどりなベーカリーです。

1.〈Mont St. Clair〉/自由ヶ丘

パティスリー生食パン1,000円。贅沢に材料を使った、お菓子に果てしなく近い食パン。いちばんのこだわりは、乳脂肪分47%の生クリームをたっぷりと使用すること。

上・ケーキのように華麗なパン。左上から時計回りに、フォカッチャ「夏野菜カレー」480円、フォカッチャ「まるごとトマト」480円、キャラメルフランス290円(各税込)、パティスリー生食パン。

入場制限やソーシャルディスタンスをとるなどコロナウイルス対策万全。

高級食パンシーンに、実力者たちが続々参入してきた。コロナ禍で、〈モンサンクレール〉に近所の人たちの来店が目立ちはじめた月。「パンを増やしてもっとよろこんでもらえるように」という辻口博啓シェフの思いからパンへの挑戦がはじまった。「パティシエの僕らだからできることを」とスーシェフの大井博司さん。「パティスリー生食パン」は、乳製品のリッチさを、りんご種の隠れた酸味で際立たせる。「ハニーバター」のかりかりの表面はフロランタンを焼く技術で。「キャラメルフランス」のクランチチョコも、キャラメルソースも、ケーキのパーツの応用。パンをおいしくする術は、厨房に、そしてパティシエの頭脳にすでにあった。

先頭を走り続ける辻口博啓シェフのパティスリーでパンが本格始動。従来あったクロワッサンやデニッシュに加え、トレトゥールのようなフォカッチャ、サンドイッチ、パティスリー生食パンを使用したハニーバター…晴れの日だけではなく、日常使いできるお店へと進化。

池田浩明 いけだ・ひろあき/パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。

〈Mont St. Clair〉
東京都目黒区自由が丘2-22-4
03-3718-5200
11:00〜18:00 水休(臨時休業あり)
4席/禁煙

(Hanako1187号掲載/photo:Kenya Abe)

2.〈ジュウニブン ベーカリー〉/三軒茶屋

水分量から名付けた食パン3種。粉に対し120%もの水が入るジュウニブン食パン460円は、もちもちの食感。ニブン食パン520円は超リッチ。

「風船パン」

人気ベーカリー〈365日〉の杉窪章匡(すぎくぼあきまさ)シェフが放つ新しいパン屋には、花屋も併設されている。それはどのように誕生したか?お菓子を作るスタッフが元花屋であることを知った杉窪さんはこう言ったという。「パン屋が花屋さんといっしょだったら素敵じゃない?」そんなふうに、杉窪シェフは、自分の夢=みんなの夢をやすやすと実現していくように見える。

そして、直営店では5店舗目となる〈ジュウニブンベーカリー〉が、5月にオープン。2階の〈二足歩行 coffee roasters〉と合わせ130坪の大箱だ。パンにサンドイッチ、花、生菓子に焼き菓子、2階では、ハイクオリティな料理、エチオピアから取り寄せた豆を杉窪シェフ自ら焙煎…なんて多才なんだ!

〈ジュウニブン ベーカリー〉
東京都世田谷区三軒茶屋1-30-9 三軒茶屋ターミナルビル 1F
03-6450-9660
9:00〜19:00 不定休

(Hanako1188号掲載/photo:Kenya Abe)

3.〈Boulangerie BONNET D’ANE〉/三軒茶屋

荻原浩さん/パティシエとして渡ったパリでパンと邂逅を果たし、ブーランジェに転身。五反田〈パン オ フゥ〉 のシェフを経て、〈ボネダンヌ〉を開店。

顔は日本人だが、精神はフランス人。荻原浩さんはそういう人である。「フランス人は香りを重視する人たち。フランスのパンの特徴って香りがあること」。バゲットの皮にあるフランス産小麦の甘い香り。中身からは穀物的ないい風味が鼻へと抜けていく。

これは荻原さんが修業したパリのパン屋のバゲット・トラディションを再現したもの。パリの端っこにあったその店を「パリでいちばんおいしい」と言い、いまだに深く愛している。

Boulangerie BONNET D’ANE

東京都世田谷区三宿1-28-1Phone: 03-6805-58488:00〜19:00月火休

(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Akiko Mizuno,Youichiro Kikuchi)

4.〈Pittoresque〉/保谷

パン屋でプリン?でも食べればわかる

パン屋さんなのにおいしいプリンを提供できるその理由は、店主がパティシエ出身だから。砂糖大根から作られる、独特な風味の「ヴェルジョワーズ ブリュン」という砂糖を使い、その風味を際立たせるよう、他の材料をセレクトしているとか。卵は卵黄のみを使うことで、なめらかで柔らかな口溶けに。プリンの上の生クリームをカラメルと混ぜていただくと、絶妙なバランスにうっとり。

〈Pittoresque〉
西武線保谷駅徒歩9分。
東京都西東京市東町2-16-24〈ハイツマキシム〉1F
042-439-6947
10:00〜19:00(土〜17:00)日月休
イートインなし

(Hanako1182号掲載/photo:Jun Nakagawa text:Kumiko Okazaki edit:Yoshie Chokki)

※掲載しているパンはすべて取材時のものです。

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