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【アートの円卓】昭和のムードを描くアーティスト・吉岡里奈さんの展示『ドラマチック!』

Hanako.tokyo / 2021年6月15日 14時28分

【アートの円卓】昭和のムードを描くアーティスト・吉岡里奈さんの展示『ドラマチック!』

毎回、編集の大池明日香さんがアーティストと会って作品のことなど四方山話をします。本誌連載『アートの円卓』よりお届け。

本日のアーティスト…吉岡里奈(よしおか・りな)

1977年神奈川県川崎市生まれ。多摩美術大学映像コース卒業、イラストレーション青山塾ドローイング科修了。2015年より昭和のムードを描いた作品を発表。

2016「真夏のエロ紳士」



吉岡:小さい頃から絵が好きで、美大を目指したのは自然な流れでした。でも予備校に入ったら、周りはめちゃくちゃ絵がうまくて、技術面で挫折したんですよね……。デッサンよりアイデア勝負できる絵コンテの方が向いているかなと思い、映像コースに入ったんです。漫画でも映画でも何でもやっていい自由な学科でしたが、卒業して10年ほどフリーターをした後、改めてイラストの学校に通いました。



大池:当時から、昭和やエロには興味があったんですか?



吉岡:それが、ぜんぜんなくて。学校でたまたま昭和をテーマにしたお祭りの絵を描いたら、先生に褒めてもらえたんです。そこで自分が持っていた厚塗りの劇画っぽいタッチと、昭和というモチーフとの相性がいいことに気づけたんですよね。それまで大好きな横尾忠則さんの影響で得体のしれない絵を描いていたんですけど、何を描いてもしっくりこなくて。方向性を発見できたことは大きかったですね。それから描くために、昔の映画のポスターを探したりするうちに、昭和って面白いと感じるようになりました。当時のスケベオヤジなんかも、キャラクターがはっきりしているから描いていて楽しいんですよね。ピンク映画とか、その時代のエロもかわいいなぁと。今は洗練された無味無臭のものがカッコいいとされる時代ですが、当時の映画やドラマにあった、エネルギッシュでギラギラとした泥臭さが恋しくなるというか。

2015「ラーメン」

2020「嫁入り」



大池:今の時代だから吉岡さんの作品に惹かれるのもありますよね。



吉岡:でも、リアルな昭和でなく、理想郷としての、現実と妄想が混じった世界を描いています。今回の個展では、突き抜けたバカバカしさをテーマに、インド映画のようにむやみやたらに高揚させられる感じというのも大事なテイストのひとつにしています。コロナ禍の今、どんな一瞬も当たり前じゃなかったんだという想いに駆られて、だからこそ、何でもない時間をもっと楽しめたらと。ミュージカル女優になった気分でほうき片手に掃除をしたり、脳内で自分の都合のいいように世界を楽しみながら、妄想した風景を描きました!

吉岡里奈 『ドラマチック!』

2021「ハイツわかば」

東京駅構内の美術雑貨店〈VINYL〉内「VINYL GALLERY」で6月16日~30日。
東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内 グランスタ東京1F
03-6269-9300
8:00~22:00(日~21:00 )無休

Navigator…大池明日香(おおち・あすか)

編集・執筆・展示など。東京の東と、酒が好き。編集を担当したタナカカツキ著『新・水草水槽のせかい』が発売中。

(Hanako1197号掲載/text : Asuka Ochi edit : Mariko Uramoto)

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