杉本博司と榊田倫之の新素材研究所が改修し、究極の栗スイーツが楽しめる丹波篠山の新名所
Hanako.tokyo / 2021年6月13日 9時0分
古い商家が並ぶ兵庫県・丹波篠山。丹波黒大豆や丹波栗などをはじめ、上質な食材に恵まれた「食の聖地」としられる場所だ。日本料理で欠かせない黒豆で有名なのが1734年から続く<小田垣商店>。同店には江戸後期から大正時代にかけて建てられた建物があり、そのうち5棟が杉本博司と榊田倫之が主宰する新素材研究所が改修を手がけてこのほど完成した。併設されるカフェは丹波産の極上の栗を使っているとあって注目だ。
建築で歴史を今につなぐ。
カフェの名前「小田垣豆堂」は杉本博司が命名。
ショップで販売されているバック。豆を入れる袋をアレンジ。
小田垣商店の創業は1734年、最初は鋳物商としてスタートした。その後、種物商、黒豆や小豆問屋として商いを広げた。日本のお正月には欠かせない黒豆は特に有名だ。「丹波黒」とよばれるしっこくで大粒の黒豆は、煮ても皮が破れずふっくらとするのが特徴で、やわらかい口当たりで特上の食材として知られている。そんな歴史ある同店の敷地内には、江戸後期から大正初期にたてられた10棟の建物があり、国の有形文化財に登録されている。杉本博司と榊田倫之の「新素材研究所」がそのうちの5棟の改修を担当、4月にリニューアルオープンとなった。建物は長い年月の間に改修がほどこされたこともあったが、その都度、建物本来の姿も変化した部分もあった。この度の改修にあたっては耐震補強をほどこしつつ「古い時代」に戻すことを念頭においたという。店内に敷き詰められた石は京都の町家で使われていた町家石、入り口には杉本が見つけたアンティークの看板を用いるなど、さまざまな工夫が施され、まるで以前からそこにあったような、古くて新しい空間が誕生している。
特別な製法で作った丹波栗のペーストを使ってモンブラン。通年、食べられる。撮影:鈴木勝
こちらは丹波栗の渋皮の栗のクリームをトッピング。
杉本の書が掛けられているカフェ「小田垣豆堂」のメニューも注目だ。食事は丹波牛ローストビーフのサンドイッチのほかに、カフェで黒豆を焙煎したお茶も用意されている。特に栗好きなら「一度は食べたい」と思わせるメニューが目を引く。特に注目なのがODAGAKIモンブラン(1200円)で、一番、おいしい時期の丹波栗のペーストで作ったモンブランで一年中食べられるという。ほかにも渋皮栗甘露煮のクリームをトッピングした、丹波栗のソフトクリームパフェもある。素材が丹波産なのだから、おいしさは保証済みだ。
丹波篠山にて自然の中の名建築に触れ、日本一の食材を用いた上質なスイーツを堪能する。贅沢な時間を過ごせそうだ。
〈小田垣豆堂/本店ショップ〉
兵庫県丹波篠山市立町19番地
079-552-0011
10:00〜16:00(15:30 LO 小田垣豆堂)9:30〜17:30(本店ショップ)
木曜休(カフェのみ)
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