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【常温でおいしい日本酒】温度を気にせず飲める常温が最高な「喜量能 上撰 純米造り」~『伊藤家の晩酌』第二十五夜1本目~

Hanako.tokyo / 2021年6月27日 17時50分

【常温でおいしい日本酒】温度を気にせず飲める常温が最高な「喜量能 上撰 純米造り」~『伊藤家の晩酌』第二十五夜1本目~

弱冠24歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第二十五夜は、冷蔵せず、常温でおいしい日本酒をご紹介。レトロなラベルの一升瓶がグッとくる滋賀のお酒。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

今宵1本目は、一家に一本! キープしておきたい「喜量能 上撰 純米造り」から。

滋賀県東近江市にある畑酒造。地元の米と水を使った地酒は、そのおいしさで地元の人に親しまれている。「喜量能(きりょうよし) 上撰 純米造り」1800ml 2,145円(税込・ひいな購入時価格)/畑酒造有限会社



娘・ひいな(以下、ひいな)「今回は、常温で飲みたい特集です!」


父・徹也(以下、テツヤ)「おぉ。常温か。渋いねぇ」


ひいな「渋いでしょ? 渋い3本続くから、覚悟しといて」


テツヤ「(笑)常温の酒かぁ」


ひいな「常温の日本酒ってどんなイメージある?」


テツヤ「うんとね。日本酒飲み慣れてない人にとっての常温はハードル高いんじゃないかな」



ひいな「ハードル高い?」


テツヤ「でもほら、冷えたお酒よりもちょっと温度が上がると香ってくるとか味が変化するとかもさ、この2年間で勉強してきた感じだから」


ひいな「おぉ!」


テツヤ「常温、楽しみではあるよね」


ひいな「うんうん」


テツヤ「常温=火入れしてあるってことでしょ? 火入れしてないほうがいいんじゃないかっていうイメージというか、生原酒のほうがいいのかなって。日本酒買いに行っても、冷蔵庫にある日本酒に行っちゃうっていうかさ。そのイメージを覆す、いい酒があるのかな?」


ひいな「うん。今回のお酒はネットで注文したんだけど、3本とも常温で送られてきたよ」


テツヤ「でも、焼酎も常温で保存するし、ある意味エコだよね」


ひいな「冷蔵しないでいいぶんね」


テツヤ「それでおいしければなお良し」


ひいな「でも、どこで電気を使うかっていうのはあるけどね」


テツヤ「まぁそうだな(笑)。火入れしてるからね。この間酒蔵を取材したんだけど、火入れの作業が思ってたのと違ったんだよ」


ひいな「どういうの想像してた?」


テツヤ「なんか“火入れ”って言葉から激しいのかと思ってたんだけど(笑)」


ひいな「タンクのなかで湯煎する感じのところもあるし。瓶のまま湯煎したり、ホースを通す時に火を入れたり、いろいろあるよ」


テツヤ「何度で火入れっていうのかな?」


ひいな「60度くらいかな」


テツヤ「今回はラベル特集じゃないのに、このラベルヤバいね」


ひいな「いいでしょ?」


テツヤ「絵がいい。めっちゃデフォルメされてる富士山がいいね。どこのお酒?」


ひいな「滋賀県」


テツヤ「滋賀から富士山見えるのかな? これ琵琶湖かな? 何て読むの?」


ひいな「きりょうよし」


テツヤ「へぇ。いいね!」



ひいな「この片口、すごくすてき〜!」


テツヤ「〈spicy curry 魯珈〉さんのカレー本を作った時に、アシスタントで来てくれた輪笠伸好さんっていう方が陶芸家でさ。最後の打ち上げの時に、スタッフそれぞれのイメージに合うものをくれたんだけど、僕はその片口をいただいたの」


ひいな「こういうイメージだったんだ」


テツヤ「娘と連載をやってるって言ってたかもしれないけど」


ひいな「すごくかわいいの。ギリギリまでお酒を入れるとゆらゆらと揺れる感じが神秘的」


テツヤ「魯珈のスパイスカレー本も絶賛発売中です!」

すてきな片口からぐい呑みへ。

いただきます!

父、一升瓶がお似合いで。



ひいな「じゃ、飲んでみようか」


テツヤ&ひいな「乾杯~!」


ひいな「どう?」


テツヤ「いや、これ、うまいねぇ。勝手なイメージだけど、船の上とか港で飲んでもいい感じだよね。漁師酒みたいな」


ひいな「若干のすっきり感があってね」


テツヤ「これはクセが何もないから」


ひいな「そうなの」


テツヤ「スーッと飲めちゃうね。好きだな」


ひいな「クセが何もなくて。いいお酒だと思う」


テツヤ「これは純米?」


ひいな「純米規格だよ。等外米(ライター注:特等、一等などの等級がつかないお米のこと)を使ってるから純米酒とはいえないんだけど」


テツヤ「これ、祭りの酒だったら最高だよね。紙コップで飲んでもうまいっていう。常温って野外な感じするからぴったり。これいくらするの?」


ひいな「一升瓶で2,145円」


テツヤ「安い! しかもうまい! これは買いだな」


ひいな「でしょ? お得だよね」


テツヤ「常温で置いておいて、夏とかは氷入れて飲めばいいんじゃない?」


ひいな「あぁ、それいいね」


テツヤ「常温でロックで飲むのめちゃくちゃいいと思うな。飲むぞ!っていう日に一升瓶抱えてさ」


ひいな「ほんとうに一升瓶が似合うねぇ」


テツヤ「いい酒だよ、これ」


ひいな「五反田に〈月。〉っていう和食のお店があるんだけど、そこはすごくいろいろな流行りのお酒とかも置いてあるなかで『とっておきの1本があります』って言われて出されたのがこれだったの」


テツヤ「おぉ。その時も常温で飲んだの?」


ひいな「そう。これをどうしても『伊藤家の晩酌』で紹介したいと思った時に、正直、ジャケット特集で紹介するか、常温特集で紹介するから迷ったくらいだったの」


テツヤ「確かに、レトロかわいいよね。いや、でもこれは常温だよ!常温でこんなにうまいんだね」


ひいな「でしょ?」


テツヤ「常温でおいしいお酒って、実は一番優秀なんじゃないの?」


ひいな「そうかもね」



テツヤ「花見できなかったけど、花見とかアウトドアとかにバッチリじゃない?」


ひいな「あぁ、確かに!」


テツヤ「冷やさなくていいって最高!」

「喜量能 上撰 純米造り」に合わせるのは「マッシュルームとくるみのリゾット」



ひいな「このお酒、どんな料理に合うと思うんだけど」


テツヤ「なんでも合うだろうね。うわ? 何これ? おかゆ?」


ひいな「マッシュルームとくるみのリゾットです」


テツヤ「米か! いただきます!」


ひいな「どう?」


テツヤ「うわ、めちゃくちゃおいしい!」



ひいな「桉田優子さんの『食べつなぐレシピ』にあった干しマッシュルームとくるみのリゾットを参考にしました」


テツヤ「日本酒と合わせてみると……うん、うまい!」


ひいな「なかなか、お米と合わせるお酒っていうのが今まで見つからないでいたんだけどね」


テツヤ「米と米だもんね」


ひいな「ね、よく見てみて。お米の粒が大きくない?」


テツヤ「うわ、ほんとだ」


ひいな「これ、祝(いわい)っていう京都産の酒米を使ってて」


テツヤ「酒米なの??」


ひいな「そう、酒米のリゾットなの」


テツヤ「え〜〜〜! だからこんなにぷっくりしてるんだ。めちゃくちゃおいしいよ!」


ひいな「そうそう」


テツヤ「これ、イタリアンで出してもいいくらいだよ」



ひいな「この酒米は希少価値もあって、なかなか出回ることが少ないの。お酒でも貴重なくらい」


テツヤ「それが酒米として売ってるんだね?」


ひいな「そう。『産地応援企画』って書いてあるから、今は飲食店に流通してなかったりとかコロナの事情もあるのかもしれない。経堂にある〈つきや酒店〉っていうところで買ったの」


テツヤ「ほんとにうまい!」


ひいな「わ、ぺろっと食べちゃったね(笑)。このお酒だったら、お米も受け止めてくれるかなと思って」


テツヤ「くるみとの相性もいいね」


ひいな「おいしいよね」


テツヤ「いやぁ、常温のお酒っていいね。味が一定で変わらないってすごいことじゃない? 冷酒とか燗酒だとだんだんとぬるくなって味が変わっちゃったりするから」


ひいな「そうだね。常温だと味がずっと一緒だもんね」


テツヤ「よく考えたら、それってすごいことだよね」

毎日飲める手頃な価格の日常酒が、日々の暮らしにあるしあわせ。



ひいな「『喜量能』は畑酒造の蔵のある東近江市でひっそりと販売されてるんだって」


テツヤ「へぇ、そうなんだ」


ひいな「でも〈君嶋屋〉のネットショップでも買えたから探せばみつかると思う。この蔵で有名なお酒は『大治郎』っていうお酒なんだけど飲んだことある?」


テツヤ「焼酎?」


ひいな「ううん。だいじろう(笑)。鈴鹿山系の伏流水を地下100mから汲みあげて酒造りに使ってるらしくて。名前の由来は、『量(はかり)が能(よい)のは嬉(うれしい)もの』と漢語みたいにつけたらしい」


テツヤ「ほほう」



ひいな「もともと酒造は、量り売りしたり、“つぼいり”っていう言われる立ち飲みで賑わう『受け酒屋』が前身だったらしいよ」


テツヤ「めっちゃいい酒だね。確かに好感度がめちゃくちゃ高いわ」


ひいな「そうなの!」


テツヤ「手が届く値段帯で安くてさ、なんの嫌味もなく、すっと入っていく日常酒っていうかさ」


ひいな「でしょう?」


テツヤ「このお酒の杜氏さん、会いたいね」


ひいな「会ってみたいよね」


テツヤ「どういう思いでこのお酒を造ってるのか聞いてみたいね。常温で飲んでくださいってお酒ってあんまりないもんね」


ひいな「そうだね」


テツヤ「よほど自身があるとしか思えないよね。逆に」


ひいな「『大治郎』はもう少し味にインパクトがあったイメージなんだよね。それに比べて『喜量能』はインパクトはあるけど、落ち着いてるかな」


テツヤ「たしかに、名前からして、どこに出しても恥ずかしくないという自信を感じるね」


ひいな「うん」


テツヤ「久々にいい酒だなって思った」


ひいな「これね、一升瓶でしか売ってないの」



テツヤ「そうなんだ」


ひいな「それもいいなと思って。このお酒を時間かけてちびちび飲んでほしい!」


テツヤ「常温でいいんだもんね」


ひいな「そうそう」


テツヤ「ちなみに、常温ってそもそも何度くらいのことを言うの?」


ひいな「うーん、20度とか? 季節にもよるだろうけど」


テツヤ「今はきっと高いよね。常温ってどこに置いておけばいいの?」


ひいな「日陰、冷暗所だね。日の当たらないところに保管してください」


テツヤ「キッチンの下とか?」


ひいな「そうだね。室温で温度変化の少ないところで日が当たらないところがいいかな」


テツヤ「冷やしてもいい?」


ひいな「冷やしてもいいけど、冷やさなくてもおいしい3本を今回はご紹介します!」


テツヤ「いいよね。実家帰ったら、お父さんが『喜量能』飲んでるとかさ」


ひいな「ここ、実家だけどね(笑)」


テツヤ「いやぁ、ものすごく好感度のいい酒だった!」

【ひいなのつぶやき】
一本持っておくと、日々の生活にちょっとした幸せが訪れるようなお酒です!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

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