「もったいない!」の想いからスタート。天然石をアップサイクルして人と地球に優しいジュエリーを作り上げる〈mi luna〉
Hanako.tokyo / 2021年7月20日 12時0分
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第33回は、エディター、ライターとして活躍する大場桃果さんが、サステナブルジュエリーブランド〈mi luna(ミ・ルーナ)〉を取材。プロデューサーの石田恵利花さんに、ブランドを始めた経緯やアイテムに込めた想いについて聞きました。
頑張る女性の毎日を元気づけるようなジュエリーを。
〈mi luna〉を立ち上げた石田恵利花さん。
ーーまずは、ブランドのコンセプトを教えてください。
「“地球に優しいサステナブルジュエリー”をコンセプトに、天然石を使ったジュエリーを販売しています。私自身もそうなのですが、手元や顔まわりがキラッと華やかだと、仕事中にも元気をもらえると思うんです。『ジュエリーの持つパワーを届けて、 頑張る女性を応援したい』という想いで活動しています」。
ーー天然石はそれぞれいろんな意味が込められていて、願掛けのように身につけている方も多いですよね。
「そうですね。〈mi luna〉はスペイン語で“私の月”という意味なんです。女性にとってのお守りのような存在になってくれたらいいなと思い名付けました」。
ーーサステナブルなジュエリーにもさまざまな種類があると思うのですが、〈mi luna〉ではどのようにSDGsにアプローチしていますか。
「私たちはリユースデパートの〈KOMEHYO〉さんとパートナシップを組んで、リングやブローチなど、何らかのジュエリーについていた天然石を新たな商品に生まれ変わらせています。もともと私たちの親会社が〈KOMEHYO〉さんのオウンドメディアを作らせていただいていて、そのご縁でいろいろお話をする中で、天然石が余っているということを知ったんです」。
ーーそれは、商品となった状態でどこかに余ってしまっているということですか?
「そうです。〈KOMEHYO〉さんで取り引きされているジュエリーの中には、石の質はいいけれど、デザインが少し時代遅れだという理由で売れ残ってしまっているものがたくさんあるそうで…。『倉庫に眠っているなんてもったいない!』と思い、これを活用したジュエリーブランドを立ち上げようと決めました」。
ーーなるほど。
「ジュエリーが欲しいけれど20〜30万円するものはなかなか簡単に手に入れられないという方が多い中、眠っているジュエリーを再活用すれば3〜5万円ほどで天然石や10金・18金のアイテムを販売できると考えました。当時はD2Cというビジネスモデルが広がり始めた頃だったので、店舗を持たずに中間コストを抑えることで、より低価格を実現できるのではという期待も大きかったですね。そんなアイデアを〈KOMEHYO〉さんに提案したところ、『すごく良いですね』とすぐに賛同してくださいました」。
倉庫に眠っていたものが、多くの人に愛されるジュエリーに変身。
ーー実際に生まれ変わった商品を見て、〈KOMEHYO〉の方々はどんな反応でしたか?
「最初のポップアップストアを〈KOMEHYO〉さんの店舗でやらせてもらったのですが、たくさんの方々に来店してもらえて、こんなに若い世代に気に入ってもらえるんだということをまず驚かれてしました。リユースデパート業界ではダイアモンドやパールが人気なので、私たちがメインで扱っている色石はどうなんだろう…と少し不安に思っていた部分もあったそうなんです」。
同じ石でも、形やカットによって印象が変わる。
ーーデザインも石田さんが手がけているんですか?
「そうです。天然石をリカットせず、そのままの個性や魅力を引き出すシンプルなデザインにこだわって作っています。石の形を変えない方が、工賃がかからない分コストも抑えることができますし、天然石の個性を楽しめると思うんです。あとは、純粋に自分があったらいいなと思うもの。それを多くの方々に気に入ってもらえるとうれしいですね」。
ーー手の届きやすい価格も魅力的です。
「一般的な天然石ジュエリーが高価なのは、市場で取り引きされている天然石の値段が高く、中間コストがかかってしまっているから。でも、私たちはもともとジュエリーにあしらわれていた天然石をアップサイクルしているので、その分安く提供できています。今年でブランドが始まって2周年を迎えましたが『必要以上に高く売るようなことはしたくない』と常に思っています」。
人気のドロップピアス。リモートワークが増えた今、オンライン会議の際に顔まわりを華やかに見せてくれると好評なのだそう。
ーー人気商品はどれですか?
「ドロップピアスと、大ぶりの石がついたリングが人気です。毎月〈KOMEHYO〉さんから石をいただくのですが、その時々で入ってくるものがまったく違うため、いただいた石を大きさ・形・色ごとに並べて、どれをどの商品にしよう…と考えながら作っていて。レアな石が届くと『ラッキー!』と喜んでいます(笑)。ポップアップショップでは、何も手を加えていない石の状態で並べて、どの石をどんな商品にするかお客さまからオーダーを受け付けることもあります」。
ーーそれはいいですね! 自分だけの一点ものって気分が上がります。
「一点ものだといっそう大事にしようっていう気持ちになりますもんね。アクセサリーを失くしてしまった経験のある方も多いと思うのですが、せっかく巡り巡ってきた天然石なので、長く大切にしてほしいなと思います」。
ーーシンプルなデザインなので、世代を問わずに愛用できそうです。
「以前、百貨店でポップアップイベントをした時は、宝石好きのマダムの方々もたくさん買ってくださいました。みなさん『なんでこんなに安いの?』と驚かれていましたね(笑)。母から娘へと、受け継いで使ってもらえたら本望です。『おばあちゃんが身につけていたジュエリーが家に眠っているのですが、それをリメイクしてくれませんか?』という声もいただくので、ゆくゆくはそういうサービスもできたらと計画中です」。
この日、石田さんが身につけていたリングも〈mi luna〉のもの。右はアメジストとシトリンが混ざった珍しい天然石なのだそう。
煌びやかな天然石の背景にある問題もしっかり伝えていきたい。
ーー〈mi luna〉はInstagramを通じてSDGsの情報発信にも力を入れていますね。
「お客さまと直接会う機会がある時は、どういう天然石を使っているのか、なぜ安価で販売できるのか…などをしっかり説明するようにしています。最近はSDGsが広まってきているからか、『どこがサステナブルなんですか?』とお客さまから聞かれることも多くなりました。Instagramでは〈mi luna〉の活動がSDGsのどれに当てはまるのかなどを発信しています」。
ーー商品の背景を知ることで、手に入れたアイテムへの愛着も増しそうです。今後チャレンジしたいと考えていることは何かありますか?
「今後は利益の一部をどこかへドネーションするなどして、循環の輪をもう一段階増やしたいと考えています。それから、〈mi luna〉のウェブマガジンを近々スタート予定です。宝石や金を取るために環境が破壊されていることや、そのために児童労働が行われていることなど、いま世界が抱えている問題をしっかり伝えつつ、私たちが身近でできるアクションについても発信していけたらと思っています」。
ーーただ美しいものとしてジュエリーを身につけるのではなく、背景にある課題もしっかり知る必要がありますね。
「そうなんです。まずはジュエリーでおしゃれを楽しみながら、地球に優しいアクションをしたいと思ったり、些細なことからライフスタイルを変えていくきっかけを〈mi luna〉が作れたらうれしいなと思います」。
〈mi luna〉
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