自然のBGMを聴きながらゆったり。駒場東大前〈うつわとカフェ Lim.〉で夏にぴったりの1杯をいただく
Hanako.tokyo / 2021年7月27日 15時0分
みなさまこんにちは。木村ミサです。梅雨空も晴れて、一気に夏全開になってきましたね。この時期は照り照りの太陽の中、キンキンに冷えたお茶をいただくのが醍醐味です。煎茶だけではなく、期間限定が増えるのもまた楽しいところ。ということで、今回は駒場東大前にある、〈うつわとカフェ Lim.〉へ行ってきました。それでは、まいりましょう。
駒場東大前駅西口から線路沿いを歩いていくと、ガラス張りのお店が。向かいには〈駒場野公園〉があり、渋谷からすぐ近くなのに、とっても穏やか空気が流れます。そんな場所にある〈うつわとカフェ Lim.〉。うつわ好きのオーナーが、カフェでお茶やコーヒーを楽しみながら、一緒にうつわも楽しめるようなお店を作りたいと思ったのがきっかけなのだそう。茶室の躙口のような少し低めの入り口が、非日常的な空間に足を踏み入れたような特別感を感じます。
【本日の1杯目】「抹茶トニック」
「抹茶トニック」700円
夏といえば!な抹茶トニックの季節になりました。こちらは期間限定のメニューです。連載では何度かお茶と炭酸の相性がいいことを提唱してきましたが、家でも炭酸で割っていただくくらい、私もとっても大好きな組み合わせ。抹茶と炭酸のきらきらとした透明感が増す素敵なグラスは、作家のおおやぶみよさんの作品。店内で取り扱っている作家さんの作品を実際に手に取りながら楽しめるのも、Lim.の好きなところ。
Lim.の抹茶は京都宇治の〈製茶 辻喜〉の抹茶を使用。オーダーから一煎ずつ、丁寧に点てていきます。ふわっと抹茶の香りが鼻先をくすぐりつつ、夏のおいしいと言えばなしゅわしゅわのトニックウォーターのプールに抹茶の鮮やかな緑が弾けながらぷかぷかと浮かぶ。グラスの中で混ざり合う緑と氷の音って、なんだか風鈴みたいで癒やされます。涼しさを感じながらいただきましょう。
抹茶の旨味の後に優しい苦味が追いかける。トニックと合わせることによって抹茶本来の甘みが感じられるのがおもしろい。抹茶の苦みと炭酸がやみつきになり、「抹茶トニック」の虜になる方が続出する理由が理解できる。抹茶好きは絶対に好きだし、苦手な方にも希望をもって試していただきたい。お茶界、夏の風物詩としてぜひ牽引してほしいくらいたまらない1杯です。
【本日の2杯目】「ほうじ茶コーヒーフロート」
「ほうじ茶コーヒーフロート」850円
こちらも夏にぴったりなフロート。自家製のほうじ茶ラテシロップに、コーヒー、ミルク、そして アイスが添えられた1杯です。Lim.のお茶はバリスタの藤岡響さん監修。お茶とコーヒーのプロだからこそ、“ほうじ茶とコーヒーは相性が良い”という説得力があり、絶対に試してみたくなります。
「ほうじ茶コーヒーフロート」ができたきっかけは、Lim.で販売されているオリジナルのほうじ茶シロップを、ミルクで割る以外の新しいいただき方として、おうちでも手軽に楽しんでいただけるようなアレンジの提案として考えたそう。コーヒーとほうじ茶の芳醇な香りがミルクの中で追いかけっこしているような新感覚のラテ。上にのっているアイスを混ぜて飲めば、濃厚だけどすっきりして、ひんやりおいしい。香ばしさの中の甘みが推せる1杯です。
【本日の3杯目】「抹茶とマスカルポーネの羊羹」
「抹茶とマスカルポーネの羊羹」450円
Lim.ではスイーツも充実。お茶やコーヒーに合うラインナップがずらっとあり、どれにしようか迷ってしまいます。そんな中、メニューを見てビビっときたのがこちら。実はあまり羊羹を食べたことがなかったのですが、これは食べてみたいと直感でチョイス。「おしるこ」の餡にも使われているそうです。吉祥寺の〈平澤製餡所〉のあんこと抹茶、マスカルポーネを使ったここでしかいただけないイートイン限定のオリジナルメニュー。この三者がコラボする世界がとっても気になります。
おおやぶみよさんの瑞々しい透明な器にのった三層の羊羹を一気にすくって一口。羊羹ってとってもねっとりした甘さのイメージがありましたが、いい意味で期待を裏切られるようなさっぱり感で、お茶にもぴったり。一層ずつ食べると甘さや苦味、濃厚さを感じるのに、一気にいただくとひとつにまとまってさっぱりとしたおいしさが完成されるのです。ここでしか味わえないし、思えば羊羹をお店でいただく機会ってそんなにないかもしれない。ぜひ羊羹の概念を更新する体験をしていだたきたいです。
【本日のお土産】「深蒸し煎茶 おくはるか」
「深蒸し煎茶 おくはるか」6p入り 1,200円 ※数量限定
今回は1周年記念の「おくはるか」をお持ち帰り。狭山茶の「おくはるか」は程よい苦味の中に桜餅のような春の香りがします。このキリッとした苦味を出したいので、85度くらいで長めに抽出して急冷でいただきます。ひんやり冷たい1杯に、やわらかい桜餅のようなさわやかさと尖りのある苦味が共存していてとてもおもしろい。急冷もいいけど、今度は水出しでもいただいてみたい、可能性が広がる茶葉でした。
お茶や甘味をまったりいただきながらまわりを見渡すと、素敵な器の数々にうっとり。Lim.に置かれているうつわは、自らインスタなどで見つけてきた12の若手作家さんの作品をその時々で選び揃えているそう。どれも違う作家さんなのに、Lim.のお店にぴったりで、この空間がタイプな私にはまるごと楽しめる場所でした。
そして、ここのカウンターに座ったときから気になっていた触り心地のいいカウンター。ガラス張りの入り口の開放感や光の入り方。空間がとにかく心地いいなあ…と思っていたら、建築家さんと一緒に作ったうつわが主役になるような建築をしているのだとか。このカウンターは左官仕上げになっていて、作り上げる過程で煎茶の茶葉を入れて仕上げられているという、粋な遊び心が詰まったこだわりの1点。Lim.へ来た際は絶対に触って感じてみてください...!
入った瞬間から気の通りが良さそう。そんな気分で心が満たされるのは、Lim.でしか体験できない空間なのかもしれません。渋谷にいるとは思えない緑の多さに、登下校の小学生の元気な声や鳥の鳴き声はまさに自然のBGM。さらに、うつわを見ながらお茶が楽しめるなんて、おしゃれなカフェだけじゃ括りきれないくらいの魅力と、「こんなカフェあったらいいな」がぎゅっとつまった夢のような空間。非日常と日常が寄り添い、一瞬で虜になる。そんな〈うつわとカフェ Lim.〉で、本日の一杯召し上がれ!
〈うつわとカフェ Lim.〉
東京都目黒区駒場3-11-14 1F
03-3469-8555
10:00〜L.O.17:30
月曜、不定休
http://lim-k.com/
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