1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

【アートの円卓】濱口健さんの個展『多分、テレビのはらわた?』、8月15日まで開催中。

Hanako.tokyo / 2021年8月4日 15時0分

【アートの円卓】濱口健さんの個展『多分、テレビのはらわた?』、8月15日まで開催中。

毎回、編集の大池明日香さんがアーティストと会って作品のことなど四方山話をします。本誌連載『アートの円卓』よりお届け。

本日のアーティスト…濱口 健(はまぐち・けん)

1972年、長崎県生まれ。1997年、多摩美術大学日本画専攻卒業。イラストの仕事をしながら、美術作家としても活動。ニッチなモチーフを圧倒的な写実力で描く。Instagram:@hamaguchi_painter_jp

「東京駅の空」キャンバスにアクリル、410 × 318mm

「PICK YOUR GOD 2020(Divine)」キャンバスにアクリル、728 × 515mm

「PICK YOUR GOD 2020(Divine)」キャンバスにアクリル、728 × 515mm



大池:日本画の出身なんですね。



濱口:デザイン科を目指していたんですが、だんだん絵画の方が向いているんじゃないかという気がしてきて、でも油絵の具には触りたくないなぁと。それくらいの気持ちでした。絵で身を立てようと、ぼんやりとは考えていましたね。ただ、好きな絵を描いてもたぶん受け入れられないだろうなという半分諦めのようなものもあったので、大学時代からイラストの仕事をしていました。アパレルのバイトでTシャツや革ジャンに絵を描いたり、興味のあるサブカル系の出版社にファイルを送ったり。

「1983、存在の証明」キャンバスにアクリル、300 × 300mm

「Ultimate Mixer #2」キャンバスにアクリル、410 × 410mm



大池:昔からサブカルに興味が?



濱口:ハードコアやメタルなど音楽も極端なものが好きで影響を受けてきたので、どちらかというとそうですね。自分がやっていることが、美術とかアートとか、大きな枠組みにカテゴライズされて収まってしまうのはつまらないという気持ちが若い頃からありました。商品や作品を宣伝するための印刷物がどうしてこんなふうになってしまうんだという、世間の要求とずれているようなイメージや、あまり整理整頓されていないアバウトな表現に、えらく感動するんです。すごくフザけたことに全力を尽くしたりする、力の無駄遣いに燃えてくるというか。だから写実的に描くんですが、写実すること自体が目的じゃないんですよ。



大池:膨大な時間とエネルギーを注いで写実して、こんなの描いてるよ!ってことですか(笑)。



濱口:そうですね。自分がやってることのバカバカしさを際立たせるために写実してる感じなんです。



大池:モチーフやテキストの組み合わせも最高ですね。今回のタイトル「テレビのはらわた」とは?



濱口:テレビの中身をえぐり出すようなことを連想すると思いますが、そうではなくて、グロテスクな真実を掴み出しているようで、何なのこれ?みたいなことです。昭和の俳優やポップスター、JFK暗殺の容疑者オズワルドにアントニオ猪木、カルト教祖などを花と一緒に描いています。花をはらわたと捉えてもらっても構わないし、世相とのズレみたいなものを楽しめる人もいるかなと思います。

濱口健 個展『多分、テレビのはらわた?』

© Ken Hamaguchi

8月15日まで、田端の〈WISH LESS gallery〉で開催中。人物と花を共に描いた、30点以上の新作を展示。
東京都北区田端5-12-10
03-5809-0696
木金15:00~20:00、土日12:00~19:00月~水休

Navigator…大池明日香(おおち・あすか)

編集・執筆・展示など。東京の東と、酒が好き。『コントが始まる』が終わってマクベスロス中。続編やらないかな~。

(Hanako1199号掲載/text : Asuka Ochi edit : Mariko Uramoto)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください